利酒日記

2002年7月


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2002年7月4日  ROUGE
VALPOLICELLA CLASSICO (D.O.C.) 2000 / NICOLIS
ヴァルポリチェッラ・クラッシコ / ニコリス
イタリア、VENETO州

 いかりスーパーさんから12本15,000円で購入したうちの2本目。単体価格は\1,490。
 色は均一なルビー色だが想像していたよりもずいぶん濃い。スミレのような紫の花の香りが強く、ハッカのような爽快感と、 ハーブのような感じもあるので、ラベンダーをも想像させる。味わいは、とても引き締まった酸が強く主張し、甘味やふくらみはほとんどなく、それでいて粗雑な印象は与えない。 タンニンはシルクのようで、引っ掛かりがない。ストレートでわかりやすく、とても親しみやすいキュートなワイン。
 重くてパワフルで動物臭プンプンといった偉大なるイタリアワインもいいが、こういった気取りがなく軽やかなものも楽しい。 どんな食事にも合わせやすい点も良い。また、ヴァルポリチェッラというと普通は相当軽いものを想像するが、 これはかなり充実感があった。
<評定:C+>

2002年7月5日  BLANC
BODEGAS TERRAS GAUDA 1999 / RIAS BAIXAS (D.O.)
ボデガス・テラス・ガウダ / リアス・バイシャス
スペイン、RIAS BAIXAS、O ROSAL

 色はイエローというよりももっと濃く、山吹色に近い。湿った芝生のようなグリーンな香りと共に、 オイリーな感じや、ポリエチレン袋のような薬臭い匂いもある。 口に含んだ瞬間、尖った酸が押し寄せるが、その奥にころっとした甘味もある。しかし、収斂性のある酸のパワーが圧倒的であるため、 バランスは今ひとつといった印象。
 12本15,000円のうちの3本目。単体価格は、\1,590。
 いか、わかめ、レタスをノンオイルの和風ドレッシングで和えた海鮮サラダにはベストマッチであった。 鶏ササミの梅肉詰めとも、強い酸味がシンクロしていい感じであった。酸に特徴のあるワインなので、今日のように和食でも酸味が決め手になる食事に合わせると良い。
 品質的に何らの不満もないが、1,000円レベルでもこの程度の個性を持つものはあると思うので、 下記評定となった。
<評定:C−>

2002年7月9日  ROUGE
FANDACION MALBEC RESERVE 2000
ファンダシオン マルベック・リサーヴ
アルゼンチン、MENDOZA

 色は赤黒く、濃厚な味を彷彿とさせる。香りは、黒オリーブ系の落ち着きの奥に、コニャックのような芳醇なアルコール感。 なぜかヨーグルトのような感じや、ニスを塗った木材のような匂いもある。 味わいは想像どおり重く、濃厚な甘味が広がるが、タンニンは意外にもやわらかい。酸もかなり健闘しているが、甘味が優勢で、 やや冗長な印象を受ける。ドライアプリコットのような甘酸っぱさと、タケノコのような後味が特徴。
 南米らしいパワフルさだけでなく、香りの第一印象から受ける威風堂々とした落ち着きは見事。 暑い夏には食指が伸びないが、この個性は評価に値する。
 12本15,000円にて購入したうちの4本目。単体価格は、\1,190。
<評定:B>

2002年7月13日  ROUGE
CAHORS 1999 LES COMTES
カオール レ・コント
SUD-OUEST地方、CAHORS地区、AC:CAHORS

 赤黒く均一な色。香りはどっしりと落ち着きがあり、ほどほどの樽香が心地よい。マルベックらしく、 少し緑っぽい感じがある。味わいは意外にもシャープで、甘味はなく、キレが良い。タンニンはなめらか。 カオールにしては、かなりすっきりした部類だと思う。
 12本15,000円のうちの5本目。単体価格は、\1,290。充分にお買い得。
 ところで昨日は、本当に久々に夫婦でフレンチを食べにいった(子供が小さいためずっと叶わなかった)。 大阪で、街のフレンチの草分け的存在と言えるEpouvantail(エプバンタイユ)というレストランだ。 メインディッシュがアワビのステーキだったため、予算8,000円程度で白をということで、ソムリエさんにおまかせしたところ、 2000年ビンテージのムルソーが供された(作り手を控えてくるのを忘れた)。思いのほかフレッシュで甘酸っぱくて、少々拍子抜けした。 しかし、料理のソースが一貫して甘酸っぱかったので、ちょうどよく合っていた。 まあ良心的なご提案だったのだと思う。
 普段、コストパフォーマンスを極めることに専心しているからか、なかなか感動できなくなっている自分に気づいた。 が、素晴らしい食事で、良い時間を過ごさせて頂いたので、アペリティフのシャンパン(グラス)を含め 2人で3万円強の出費は、損ではなかった。
 その昨日の今日で、また家でワインを開けている私は、立派なアル中なんだろうか?
<評定:B>

2002年7月16日  BLANC
CAPITEL FOSCARINO 2000 / ANSELMI / VENETO (I.G.T.)
カピテル・フォスカリーノ / アンセルミ / ヴェネト
イタリア、VENETO州

 色はイタリアワインにしてはやや濃いめ。輝きのある麦わら色。セルロイドのような化学物質的な匂いと共に、 黄色い花やヨーグルトのような乳酸的香りもあって、奥が深い。味わいも香りの印象そのままに、とてもオイリーで、 ふくよか。酸はまろやか。苦味とシャープなアルコールのキレもあって、甘味をうまく断ち切ってくれる。 余韻もそこそこ長い。
 12本15,000円にて購入したうちの6本目。単体価格は\1,990。
 イタリアワインとだけ知った上で値付けをせよと言われたら、迷わず3,000円以上つける。 強い刺激や個性はないが、静かに奥深く、威風堂々としている。 すばらしいコストパフォーマンス。
 今日はサンマの塩焼きに合わせたが、ワインが負けるのでは、との懸念を 簡単に打ち破ってくれた存在感のある白。
<評定:A−>

2002年7月17日  ROUGE
CASTEL PUJOL CABERNET SAUVIGNON 1999
キャステル・プジョル カベルネ・ソーヴィニヨン
ウルグアイ、CERRO CHAPEU

 当サイト初登場、そして私自身も初体験のウルグアイワイン。これもネットで12本15,000円にて購入したうちの1本で、7本目。 単体価格は\1,490。
 色はやや赤みが強いが、深い。香りはカベルネらしく重く落ち着きがあり、黒っぽい印象。 酸のアタックが生き生きとしており、この点は若さを感じさせる。その後、ほんのりとした甘味が広がる。 タンニンは柔らかく、こなれたというよりは、最初から力がないのかもしれない。 酸を中心とした余韻が程よく続く。
 カベルネ単一なのかは分からないが、これほど柔らかくまとまっているのはすごい。 ACボルドーですと言われて飲んだら、疑わないと思う。価格にほぼ見合っている。
<評定:C>

2002年7月23日  ROUGE
BOURGOGNE PINOT NOIR 2000 / RENE MONNIER
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール / ルネ・モニエ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

 12本15,000円のうちの8本目。単体価格は、\1,790。
 率直であることが特徴の当サイトだが、できればいつも否定的な言葉は使いたくないと思っている。 力がないとか、色が薄いとか・・・。しかし、このワインの色を表現するのに、一番分かりやすいのは「薄い」の一言だろう。 イチゴシロップを薄めた感じだ。香りも軽やかなベリー系で、フランボワーズのような印象。ここまでは、ピノというより、 ボージョレのガメイのようである。口に含むと若々しい酸が踊り、重みはなく、広がってもゆかない。 ゴムっぽい風味だけが、確かにピノであることを主張する。ピチピチ感だけが尾を引く。タンニンはきめ細かい。
 全体的に「繊細」だと誉めることもできるが、それは、八方美人を「常に友好的」と言うようなものだろう。 優しくて目立たない「隣のお姉さん」的ワインで、誰にも嫌われないが、熱烈ファンも現れないだろう。
<評定:D>

2002年7月29日  ROUGE
TITTARELLI CABERNET SAUVIGNON 1994
ティッタレッリ カベルネ・ソーヴィニヨン
アルゼンチン、MENDOZA

 12本15,000円にて購入したうちの9本目。単体価格は、\2,790。
 以前に同じ造り手のボナルダシラーと2本試しているが、今回はそのカベルネ。 秘蔵の古酒だということで、期待がかかる。
 色は非常に深く、グラスの底が見えないほど。香りは、まず火薬のような硫黄臭をともなうインパクトがあって、 そのあとその真ん中の甘い部分(樽香)だけが広がって、心地よい。ボルドーの上質なカベルネをも想像させる。 口に含むと香りで得た柔らかな印象から一変、酸が驚くほど若々しくて、背後に深く広がる甘味を制して緊張感を与えている。 酸は喉にも刺激を与える。飲み込んだ後は、甘い樽香がじんわり残る。
 私が今まで経験したアルゼンチンの中では、文句なく1位。だが、値段もそれなりに高い。
 喩えて言えば、老舗の和菓子屋で、1日50個限定で売られている大福みたいだ。 確かに素晴らしい出来ばえだが、これ1個で250円は、ちと高くないかい、てな感じ。 このワインがあと1,000円安かったら、絶賛しまくりなのだが。
 作り手の気合が入っていることは確かに認めるが、この値段では、残念ながらあまりお得感はない。
 ちょっと評価が厳しすぎるでしょうか? おすすめくださったソムリエの岩崎さん。
<評定:C−>

2002年7月30日  BLANC
LUIS CORREAS CHARDONNAY 2001
ルイス・コレアス シャルドネ
アルゼンチン、MENDOZA

 12本15,000円にて購入したうちの10本目。単体価格は\1,190。
 色は豊かなイエローで味わいの深さを予想させる。香りはなめらかなバターっぽさが中心だが、それほど深みは感じない。 味わいは香りの印象よりは幾分かシャープで、後味もすっきりしている。オイリーさと、柑橘系のシャープさが良い具合に 拮抗している。 思っていたほど飲み応えはなく、軽やかな部類といえる。
 とりたてて不満はないが、傑出した部分もない。極めて無難な1本。
<評定:C>


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