2004年1月
2004年1月1日 SPARKLING
MARCHESI DE FRESCOBALDI BRUT 1999 / TRENTO (D.O.C.)
マルケシ・デ・フレスコバルディ ブリュット / トレント
イタリア、TRENTINO-ALTO ADIGE
正月早々、よりによってこんなところを見に来ている物好きの皆様、あけましておめでとうございます。
元日の今日、私はどんな一日を過ごしていたかと言えば、ただひたすら食べていたような気がする。
ゆっくり起きた後、一応、儀式のようにおせちやら雑煮やらを食べ、そして昼からビールを飲み、この泡ものを開けた。
日本古来の伝統文化みたいなものにまったく興味のない私でも、お正月らしいことを一応やる。
家族で近所の神社に初詣に行き、無病息災なんか祈願したりして、オレってジャパニーズ?みたいな(って、間違いないか)。
それから駅前まで歩いて、スタバでドーナツなんかかじりつつ、しばしまったりした時を過ごす。
ゆっくり家に戻って、夕方からまた食べる。カニやらエビやらホタテやらを無節操に突っ込んだ鍋でした。
というわけで、現在、深夜に一人、クラシックラガーを飲みつつこれを書いてる。
元旦の締めくくりといいながら、既に日付は変わっている。明日、というか今日も、おそらく遠出はしない一日であろう。
10本2万円セットの7本目。以前にVT違いを開けているフレスコバルディのスプマンテ。
泡に勢いがあり、グラスに注いで時間がたっても底からきれいな泡が、断続的に立ち上る。香りはシャープ。
口当たりも実にシャープで、甘さはほんのりといった程度。柑橘香が心地よく、味わい深い。
やはり前回の印象と変わらない。確かな実力で、安心して楽しめる。単体での通常価格は\2,500。
<評定:A>
2004年1月3日 BLANC DOUX
CHATEAU CLOS HAUT-PEYRAGUEY (1er CRU CLASSE) 1998 / SAUTERNES
シャトー・クロ・オー・ペイラギィ / ソーテルヌ(第1級)
BORDEAUX地方、SAUTERNES地区、AC:SAUTERNES
年々、お正月のイベント性が薄れているような気がしませんか。
年末は、12月に入るか入らない頃からクリスマスムードになり、それが25日までほぼ1ヶ月続く。
お正月ムードになるのはその後で、年明け3日を過ぎると、もうトーンダウン。
クリスマスが大イベントに成長したために押し出されたってことかな。私個人的には、これでいいと思うけど、
日本古来の伝統みたいなものを大切にしたい人たちにとっては、西洋文化の浸食など由々しき事態だ、なんておっしゃるのかな。
特に元旦からヤスクニ詣でなんかしちゃってる御仁とか、その御仁を熱烈に支持しちゃってる正しき国民の方々とかはね。
米よりパン、日本酒よりワインな私にとっては、どうでもいいことなんだが。
今日のワインは、そのクリスマスの時に開けそびれたもの。
毎年クリスマスケーキに極甘口を合わせるのだが、昨年は子供の要望によってアイス・デコレーションケーキになってしまい、
ソーテルヌはちょっともったいないかなと思ってやめた。
そのおかげで、今日、新しいマリアージュを発見。
カステラを食べるために、これを開けた。なかなかの相性だ。
色はそれほど濃くなく、黄金色というよりは黄色。アプリコットと梅酒の中間のような香りに、
バニラのようなミルキーさが若干。
酸はほどほど。貴腐らしいセメダイン香というか、メロンっぽい風味が広がる。
強い甘みがぼやーんと広がり、後に残る。
この後処理の悪さが大きくイメージを下げている。もっと締めて欲しい。
さて、カステラもよかったが、実は一番合ったのが、天津甘栗。これぞ新発見。
そもそもソーテルヌには、栗っぽい感じもある。それで、もしやと思って合わせたら、これがgood。
この程度のソーテルヌならではのマリアージュ。甘栗のほっこりした感じをより膨らませてくれる。
入手価格\5,200。Wine Shop Enotecaのスタンプカードが一杯になって、5,000円分getしたためこれを購入。
1級格付ながら、期待ほどではなかった。
<評定:D>
2004年1月4日 ROUGE
CHATEAU BRANAIRE (DULUC-DUCRU) (GRAND CRU CLASSE) 1999 / SAINT-JULIEN
シャトー・ブラネール(デュリュック・デュクリュ) / サン・ジュリアン(メドック地区特級・第4級)
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、ST-JULIEN村、AC:ST-JULIEN
この年末年始に感じたこと。それは、確かに景気が良くなってるみたいだなあ、ということ。
全国一不況が深刻と言われた大阪だが、街に活気が戻ってきているように思う。クリスマスの時からそうだが、
デパートなどの人出がすごい。近年まれにみる感じ。実際、店員さんがそう言ってた。
まことに喜ばしい限りだが、今回の景気回復は、その陰で犠牲になっている人たちも多いに違いない。
職がみつからぬまま年を越した人も相当いるだろう。
以前から私は、米国型弱肉強食社会を推進する現内閣のやり方には反対なのだが、こうやって見かけ上景気回復してゆくと、
その陰で泣く人たちがますます見捨てられてゆくようで、心配でならない。今ですよ、大事なのは。今ならまだ手が打てる。
お正月気分を続けたくて、格付ワインを。ブラネール・デュクリュと呼ばれることが多い、メドック4級格付シャトー
(ちなみにセカンドは、シャトー・デュリュックというらしい)。
黒紫と言いたいくらいの深い色。土、枯れ草、なめし革に樽のヴァニラ香。
アタックは柔らかいが、その後の伸びがすごい。味わいがぎっしり詰まっていて、それが口中で徐々に解きほぐされていく感じ。
タンニンがまだ強く、ワイルドな感じも残る。本領発揮はこれからといった感じだが、今飲んでも充分良さがわかる。
グラスに注いでしばらく置いておくと、香りが変化。よりワイルドさが増し、黒い果実が前に出てくる。
味わいは酸が少し強くなってきた。
この変化もすごいが、まだまだ変わる余地があり、相当な底力を感じる。
なんと1年以上前に購入して保管していたもの。入手価格\2,480。
セールだったため、通常価格は、おそらく4,000円くらいはしただろう。それを前提にしても、特筆すべきクオリティ。
間違いなく、当日記史上トップクラスのハイ・コスト・パフォーマンス。
いやあ、すばらしい。
1万円と言われても、十分納得。まだ固めのお味ながら、スルスル入って行くので、簡単にボトルが空いちゃうぞ。でも、明日まで残しておいて、
どう変化するかみてみたい。
<評定:AA+>
<後日記>2日後に残りを飲んでみた。よりクリーミーというか、ウッディーな、檜風呂のような感じが出てきてますますいい感じ。
やっぱりすごい。甘く、深く、妖艶な感じが増した。
最初開けた時は、まだ早かったかなと思ったが、単にエンジンがかかるのが遅いだけで、開けたのが早すぎたわけでもなさそうだ。
もちろん、まだまだ熟成するはずだけど、ちょうど女盛りの入り口あたりに差し掛かっていたんだな(それが何歳くらいなのかは、あえて言わない)。
2004年1月5日 BLANC
BOURGOGNE ALIGOTE 2000 / DOMAINE HENRI PERROT-MINOT
ブルゴーニュ・アリゴテ / アンリ・ペロ・ミノ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE ALIGTE
近年軽く、安っぽくなった言葉に、「リベンジ」がある。
本来リベンジ(revenge)とは、「復讐」、「報復」、「仇討ち」などの意味が強く、
辞書の何番めかにようやく「競技などの雪辱の機会」というのが出てくる。
私がこの単語に持っているイメージは、「身内や愛する人の命を奪った相手を殺しにゆく」といった感じだ。
あるいは、せいぜい裏切った恋人に報復をするといった感じか。
ところが最近は、ゲームで1面もクリアできなかったからリベンジだ、みたいに使う。
再挑戦(retry)くらいの意味。確かに間違ってはいないが、
そんなふうに軽く使って欲しくない。
古い話だが、元おニャン子クラブの河合その子(ご存じかな)が昔ソロで活動していた時、アルバム曲で「サイレントリベンジ」
というのがあった(超マニアックでごめん)。自分を裏切った彼氏が助手席に新しい彼女を乗せて運転する車に"私"が雨の街で拾われ、
後部座席に座る"私"の顔がルームミラーに写って運転席に見えるのを確認したうえで、声を押し殺したまま、
一言も相手をなじることなく、ただはらはらと涙を流すというような歌詞。
恐いよねえ、このシチュエーション。これぞリベンジですぞ。
さて、今日のワインは、昨日安ワイン道場に登場していたもの。
ただし、VT違い。
評価が良くなかったので、さあ、私がリベンジだ(わけわからんな、この表現)。
色は薄ーい麦わら。じめっとした日陰の芝生風のグリーンな匂い(あるいは、ひね香)があって、爽やかではない。
柑橘の感じは弱い。
酸のアタックはそれなりに強いが、それとともにぼんやりした甘みがある。そのまわりに苦みがある。
でもそれぞれがばらばらで、充実感には乏しい。
たとえて言えば、結構甘いと思ったグレープフルーツかはっさくを皮ごとかじったらスカスカだったって感じ。
入手価格は\1,800。安ワイン道場にぶつけて購入した訳じゃなくて、
2ヶ月ほど前に買っておいたもの。どうせなら今日開けようかと。
仇討ちに行ったら、影武者しかいなかったみたいな感じですな(ますますわけわからん)。
<評定:D>
2004年1月7日 ROUGE
FRIMAIO CHIANTI CLASSICO RISERVA (D.O.C.G.) 1997 / POGGIO ROMITA
フリマイオ キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ / ポッジオ・ロミータ
イタリア、TOSCANA州
新聞の読者投稿欄に、都立高校教員の方の投稿があった。
卒業式の実施に関して、都教育委員会から通達があり、日の丸の正面掲揚と君が代斉唱が必須で、
もしこれを信条的に受け入れない職員がいたなら、学校長から出席強要の職務命令が下されるという。
投稿者は、行政によるこのような「日の丸・君が代信仰」の強制は明らかに違憲であり、思想信条の自由が奪われたならば、
公立学校の未来は暗いと結んでいる。
まったくその通りだと思う。
教育委員会がこのような決定をすることは明らかに異常であるが、私はもっと単純に、なぜこんな発想をする人たちがいるのか、
それ自体理解しがたい。
都の最高責任者がそういう思想信条の持ち主だから、という話は、ひとまず置こう。私が憂えるのは、こういう目立たないところから
マインドコントロールを企てる、その姑息で卑劣なやり方が、最近かなり蔓延しているということだ。
国旗や国歌を大切にすることの何が悪い? と言われれば、別に何も悪くない。大切にしたい人が大切にすればいい。
国旗や国歌を大切にしないのなら、国を出て行け、などと言う人もいる。ちょっと待ってくれ。
誰が、何の権利があって、そんな強要ができるのか。
各人が、自分の正しいと思うところを大切に守るのはよい。
そのような自由が保障されているのが、自由主義国家である。だが、正義感の強い人、自分は正しいと思っている人ほど、
その「正しさ」を人にも強要しようとする。
そういう偏向思想に接すると、私は、「正しい」とか、「良い」とか、「優れている」といった画一的な価値観など、
糞食らえと思ってしまう。正には邪、良には悪、優には劣という二項対立概念がある。そんな二分法でしか物事を捉えない人って、
ただのウマシカじゃないかと思うのだ。もっとアタマ使おうよね。
さて、今日のワインは、10本2万円セットの8本目。
色は、赤黒く、濃い。紫の花の香りと、動物臭と、ヴァニラ香の中に、なぜかメロンのような雰囲気がある。そして、ほこりっぽい感じも。
そのほこりっぽさが、古いタンスのようでもあり、鏡台のようでもある。つまり、古ぼけた、年老いた感じなのだ。
すこし悪く書いてしまったが、この枯れた感じが、スケール感を作っている。口に含んだ時の威風堂々とした甘さ。プラムのような重い酸っぱさ。
まだぜんぜん落ち着いていないタンニンが口中の水分を奪ってゆく。これでもかというほどくどい、煎じ薬のような後味。
ものすごいパワフルなワインであることはわかった。個人的にも決して嫌いな味ではない。
が、単体での通常価格が\2,900と聞いては、もう少しきれいにまとめて欲しい気がする。
自由奔放がまさにイタリアらしいと言えるが、あまりにあっけらかんと自由奔放すぎて、ついてゆけない感じもする。
まるでイエローキャブ所属のおネエさま方が、目の前に10人くらい並んだ感じ。
<評定:C−>
2004年1月8日 BLANC
HANGTIME CHARDONNAY 2002 / HANGTIME CELLARS
ハングタイム シャルドネ / ハングタイム
アメリカ、CALIFORNIA州、SANTA MARIA VALLEY
いつの頃からだろうか、セレブという言葉が使われるようになったのは。
優雅な生活をする女性というニュアンスが強いが、本来celebrityの語は名士というほどの意味で、男女を問わない。
思うに、セレブがもてはやされるようになったのは、日本も階級社会になりつつある、言い換えれば貧富の差が開きつつある
ということではないか。
欧米型の階級社会では、高貴な階級は単に憧れの対象であって、一般人が目指すようなものではない。しかし、今の日本のセレブ志向は、
誰でも頑張ればセレブになれる、と言わんばかりの風潮に見える。白金に住むシロガネーゼなんて言葉が、それを物語っている。
いかにも横並び好きの日本的な発想だが、階級社会とは、そんなものではない。
いくら現在、二子玉川の瀟洒なマンションに暮らし、お買い物はいつも玉川高島屋であったとしても、板橋区成増で生まれた貴女は、
この人生では絶対にセレブになることはできない。
セレブとは、港区白金台で生まれ育ち(いや、千代田区の番町かな。渋谷区の松濤かな)幼少のみぎりからピアノとバイオリンを習い、
小学校は当然慶応幼稚舎に通い、お出迎えは雇いの運転手が運転するリムジンだったという子女でなければならない。
近所の八百屋のおばちゃんに、いってらっしゃーいと言われて、公立小学校に通っていた過去を持っていてはいけないのだ。
それどころか、たとえ一生懸命努力してIT長者になり、渋谷に自社ビルを構え、3億円で購入した銀座のタワーマンションの最上階に暮らし、
毎日ロマネコンティなんか飲んで優雅に暮らしていたとしても、新潟県南蒲原郡の農家の次男である貴男は、永遠にセレブと呼ばれることはない
(神奈川県足柄下郡生まれのお前に言われたくない、との非難を承知で私は書いている)。
差別を助長したくて書いているのでは、もちろんない。こんな不毛な見栄張り合戦に身をやつすような暇があったら、自分を磨けと言いたいのだ。
良い家に生まれついたことは本人の努力ではないから、賞賛に値するようなことではない。これは私の志向だが、
生まれつき顔の造形がとびきり美しい女性にはあまり魅力を感じない。大切なのは、いい女になってやろうという気概を常に持っているかどうかである。
そういう緊迫感を持っている人は、良いオーラを出しているし、それが人を惹きつける。
もちろん外見だけの話をしているのではなくて、教養も含めて、いかに全人的な魅力を追求しているか。それに尽きると思う。
今日のワインは、10本2万円セットの9本目。カリフォルニアのシャルドネ。
色はあまり濃くないが、香りはたっぷりとしている。トロピカルフルーツのような甘さの中に、炒ったヘーゼルナッツのような香ばしさ。
酸は弱く、パインのような甘みがカリフォルニアらしい。オイリーでありながら、細身の仕上がりに気品を感じる。
単体での通常価格は\2,200。まあこんなものだろうとは思う。モンダビだからといって特別扱いする気はない。
これが\1,800くらいなら、もっとうれしいなあとは思う。
最近、前置きの方が長くて、本題が短かすぎるとの意見もあろうが、面白いからもっとやれという声も頂いている。
何度も言うが、ここは私のサイトなのだから、
すべて私の自由であるし、気に入らなければ見に来なければいい。私に閲覧料が入ってくるわけでもなし。
ところで、5日にペロ・ミノのアリゴテを取り上げ、安ワイン道場
のリベンジを試みたが、見事玉砕。
すぐさま道場師範から電便書簡(つまり、メールのことね)を頂戴し、あのワインに対する共通認識を確認しあうことができた。
安ワイン者冥利に尽きるね。
<評定:C−>
2004年1月10日 BLANC
KOBE WINE ELEGANT 2000 (ハーフ) / (財)神戸みのりの公社
神戸ワイン・エレガント(神戸産シャルドネ100%)/ 製造地:神戸市立農業公園 神戸ワイナリー
ぶどう産地:神戸市西区押部谷町・平野町・北区大沢町
8日にセレブの話をしたので、今日は地に足のついた話を。
妻が言う。いつもこんなに忙しく働いてるのに、ちっとも生活が楽にならないと。
ここで、一般的な夫なら、次のいずれかの反応をするであろう。
バツが悪そうに、または少し不機嫌な顔をして押し黙る。
あるいは、「何を言ってるんだ。オレがいつもどれだけ身を粉にして働いてると
思ってるんだ」と逆上するか。
だが、私は違う。
よし来たー!と思い、一息ついてから余裕の笑みで答える。
「そもそも、生活というのはね。絶対に、楽にはならないものなんだ。」
たとえ年収が3,000万、4,000万、いや、1億になったとしても、余裕なんて生まれない。
なぜなら、普通の人はみな、"生活が苦しい病"にかかっているから。
誰しも今の生活レベルが最低だと思っていて、常に向上を願っているから。
反対に、わずかでもレベルを下げることなんて、考えてもみない。
月10万円で暮らしている人は、あと3万円あれば相当楽になると考え、
30万円で暮らしている人は、40万円あったら余裕だと考え、
300万円使っている人は、あと100万くらいあればと思う。
豊かさを実感するための方法は、ただ一つ。現在の生活を、すべて手放しで受け入れること。
現状に感謝できるかどうか、それだけだ。
私がなぜ、こんな考え方になったかには、少なからず自分の経験が影響している。
今の職業に就くために、会社を辞め、一人暮らしをしながら国家試験の受験勉強に専念していた(浪人生活)時期がある。
貯金を食いつぶして、お金がない。のどが渇いて、無理して買った1本の缶コーヒーが、どれほど体に浸みたか。
お代わり自由の定食屋で食事をすると、丼メシ3杯食べてもまだ満腹にはならない。
人間というのは、生命維持の危機に瀕すると、いくら食べても満たされないのだと、この頃初めて知った。
年のせいもあるが、今では夕食に、小さい茶碗にせいぜい1杯しか食べない私が、である。
自分の稼ぎで、つつましくとも自分と家族の生活を支えられることは、なんてありがたいことなのか。
そういうレベルから考えれば、ぜいたく品の極みであるワインなんか飲んで、こんなくだらないサイトでくだらない文章を書いているなんて、
なんという果報者か。だから私は、苦しいとか、たいへんとか、一度も思ったことはない。
ね、ここまで言ったら、何も反論できないでしょ?(なんだか重苦しくなっちゃったな)
さて、今日のワインは、国産でも一級品と私が認める(地元関西だから身びいきするわけではないが)神戸ワインのシャルドネ。
色はほとんどなく、かすかにグリーンがかっている。セルロイドのような感じの中に、決して強くはないが、
パインやマスカットキャンデーのような甘い香りがほのかにある。
酸は丸く、甘みはやや冗長で、締まりが悪い。ぬぼーっとテンションの低い味わい。
以前にも同じヴィンテージを飲んでいるが、その時の印象とだいぶ違う。今回はハーフボトルだからだろうか。
フルボトルとの外見上の違いは、コルクではなくスクリューキャップであることだが、それが関係しているとも思えないが。
樽熟成にしては樽香を感じず、シャルドネらしい切れも今ひとつ。
入手価格\775(ハーフ)。まあ、この値段にして、不足があるわけではないが。
<評定:C>
2004年1月11日 ROUGE
MOULIN-A-VENT "LES MICHELONS" 2001 / LOUIS LATOUR
ムーラン・ア・ヴァン "レ・ミシュロン" / ルイ・ラトゥール
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:MOULIN-A-VENT (CRU BEAUJOLAIS)
私は牛丼を食べない。だから、吉野家で牛丼販売が中止されようが、吉野家がなくなろうが、まったく関係がない。
また、のっけから大勢の反感を買いそうな内容だが、私は決して牛肉が嫌いなわけではない。
BSEが恐いから食べるのを控えているなんてことも一切ない。今日も、近所のスーパーでヒレステーキが安いというので、早速買いに出かけたくらいだ。
男もある程度の年になると、肉よりも魚がよくなるなんて話を、友人連中から聞くことも多いが、私はいまだに肉食中心である。
ハンバーガーショップにもよく行く。ステーキハウスにもよく行く。
牛丼屋に行かない理由は大きく2つ。1つは、あの、くちゃくちゃじゅるじゅるした感じの牛丼がおいしそうには見えないということ。
もう1つは、牛丼屋のあのむさくるしい雰囲気を見ただけで、入る気が起きないということ。たぶん今まで吉野家には、学生時代に1回行っただけだと思う。
あと、松屋には、友人に連れられて2度ほど行ったかもしれない。
自分も立派なオッサンであるにもかかわらず、私は、あの狭いカウンターにオッサン連中が並んでいる雰囲気がどうにも受け入れがたい。
反対に、若い女の子しかいないようなパスタやさんに1人で入っていって、ランチを食べることにはまったく抵抗がない。
もちろん、スパゲティやピザが大好きだから、という理由もあるが、食事において最も重視するのがシチュエーションであるというのが主たる理由だ。
ただ、大の麺食いなので、立ち食いそば屋には時々行く。それでも、そのあとには必ずお清め代わりにスタバかタリーズあたりでエスプレッソを飲むことにしている。
こんなおじさんって、変ですか??
さて、今日は、今まであまり失敗したことがないルイ・ラトゥール。
色は薄ーく、むこうが透けて見える。赤いベリー香(フランボワーズや、それを煮詰めたジャムのような感じ)と、
まるでピノのようなゴム臭が同居。香りの印象はなかなかよい。
だがしかし、味わいはインパクトに欠ける。酸はそこそこだが、甘みがだらっとして、タンニンも力なく、正直言って薄いなあって感じ。
一般的にはクリュ・ボージョレで一番力強いとされているAOCだが、これはかなりスカスカで、がっかり。
ハーフボトルだが、入手価格\1,180。だいぶ物足りない感じ。
ところでボージョレは、一応ブルゴーニュに含まれるので、上記にもBOURGOGNE地方と表記しているが、最近はブルゴーニュとは分けて扱うことも多い。
当サイトでも産地別索引では、BEAUJOLAIS
はBOURGOGNEとは分けて表示している。
<評定:D>
2004年1月12日 ROUGE
CHATEAU PLINCE 2000 / POMEROL
シャトー・プランス / ポムロール
BORDEAUX地方、POMEROL地区、AC:POMEROL
ホームページの作成とは、料理のようなものである。
基礎的な調理技術は当然必須であるが、それだけでは料理人にはなれない。技術と感性(独創的なセンスと言ってもいい)が融合して、
初めて素晴らしい作品ができる。
感性など、生まれ持ってのものだから、誰にでも真似のできるようなものではないという人もいるが、私はそうは思わない。
感性が磨かれるのは、例えば、様々なレストランを食べ歩くという経験である。模倣こそ独創の母だからである。
私には昔から、「作曲と、料理と、建築設計は同じだ」という持論がある。いずれも何もないところから1つの大きな世界を構築してゆく営みであり、
私はそのいずれにも強く惹かれる。
インターネットサイトの構築もまた、同じだと思う。HTMLという単純な道具を用いて、どれだけ独創性を発揮できるか。
私は、ホームページ作成ソフトというやつを一度も使ったことがない。
IBMのパソコンを買った時に、あのホームページビルダーが付いてきたので、試しにちょっといじってはみたが、
使う気にはならなかった。
このことを知人に話すと、「それはプロの域」だと言われたが、決してそんなことはない。
HTMLが書けるだけでサイト作成のプロになれるというのなら、誰でも簡単になれてしまう。私のように個人の趣味でやっている人間と、
ホームページ作成を仕事としてやられているプロの方との大きな違いは、技術力の違いもさることながら、独創的な感性の有無にある。
そして、それ以上に重要なポイントは、プロとは常に及第点を取れる人であるということだ。
アマは、1度まぐれで90点取れれば賞賛されるが、プロとは絶対に70点未満を取ってはならない人のことである。
プロになるのは厳しいのである。
たとえプロにはならずとも、仮にもそれに手を染めるのならば、できる限りプロに近いことをしたいというのが、私の考えである。
サイトを開設する時、私が最初にしたことは何か。まず、HTMLの基本を解説した本を購入し、その全体像を把握。
それからタグ辞典を入手。
次に、ネット上を見て回って、デザイン的に気に入ったサイトのHTMLソースを盗み見して勉強。そして、ドメインを取って、
レンタルサーバーを借りて、サイトの構築に入った。
開設してからは、使えるJAVA SCRIPT集なんて本を買って真似をしてみたり、スタイルシート(CSS)を勉強したりした。
基礎的努力と模倣こそが、自分の感性を高めることにつながると信じているから。
でも運営が始まってしまうと、なかなかデザイン見直しなどにまで手が回らなくなってしまうのが辛い。
閑話休題。
10本2万円セットの最後は、ポムロール。今回の目玉なので、かなり期待して臨む。
色は真っ黒と言ってもいいくらいに濃い。土+樽のバニラ香はおとなしいが、重みがある。
酸は柔らかく、タンニンもまろやか。クリーミーで、ほの甘い味わいが広がる。
単体での通常価格は\3,500。とても品はよいけど、おとなしすぎるかな。このクラスなら、もっとはじけるような感じだったり、
ヴェルヴェットのようなのど越しだったり、あるいはもっとワイルドだったり、何か際だつ個性が1つくらい欲しい。
ところで、このAOC、ポムロル(ポにアクセント)としたほうが、本当はしっくりくるのだが、
一般にポムロールということが多いので、当日記でもそうしている。
<評定:D>
2004年1月13日 BLANC
SAINT-VERAN "LES DEUX MOULINS" 2000 / LOUIS LATOUR
サン・ヴェラン "レ・ドゥー・ムーラン" / ルイ・ラトゥール
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:SAINT-VERAN
今年もまた全国各地で成人式が荒れたという。
多くのテレビ番組で、たいていのコメンテーターは、同じような発言を繰り返していた。いわく、みっともない、恥ずかしい、大人と呼ばれる資格はない、
とても社会人として許されることではない・・・。
暴力を働いた者に対し、自治体によっては、刑事告訴も辞さない構えだという。どんどんやれ、と思う。というか、
人に向かって物を投げたりする行為は立派な暴行であるから、刑事責任を問われなければならない。
ただ、そういう当然のことを主張するだけでは、騒ぎは収まらない。テレビに出てコメントするなら、もう少し気の利いたことが言えないのだろうか、
と思っていたら、久米宏氏だけは違ったことを言っていた。「成人式に皆で集まって騒ぐのって楽しいんですよね。僕もしました」みたいな発言。
少し違った物言いは良いと思うんだけど、こういう含みを持たせた発言の真意を、騒いでる二十歳のバカ者たちには理解する能力はないと思うぞ
(その前に、そもそもニュースステーションなんか見てないだろう)。
楽しんで何が悪いんだ、俺たちには自分のやりたいことをやる権利がある、などというのが騒ぐ彼らの主張のようだが、
言うまでもなく、人に迷惑をかけてまで楽しむ権利など誰にもない。そういうことを久米氏は言いたかったんだろうが、ちょっと難しいのでは?
不思議なのは、多くの自治体がなぜこうまでして成人式を続けているんだろうということ。やめちまえばいいんだ。まだ大人になってない連中を集めて、
形だけ成人の祝いをするなんて。皆で楽しむ場を持ちたいと思うなら、誰かが発起人になって自分たちで場所を借りて、仲間を集めてパーティでもすればいい。
しかし、一部の若者のこういった行動を見ていると、もっと上の世代の大人達の行動をそっくりそのまま写しているようにも思う。
今の若者は常識がなってない、という年配者が多いけど、その実、比率的には年配者の方が非常識で傍若無人な者が多いように見えるのは、私だけであろうか。
無論、刑事犯罪と道徳的な問題は混同してはならないから少々乱暴な議論だが、犯罪として捕まることがない分だけ、
非道徳的な行動は蔓延しやすい。
歩きながら平気でタバコを吸ったり、電車のドアの前に立ちはだかってどこうともしなかったり、わざと肩をぶつけてきたり、
誤解を恐れずに言えば、多くが40代以上の男性だ。
なまじ社会的な発言力を持ってしまっている分だけ、傍若無人な年配者の方が、よりタチが悪い。
そういう大人がいる限り、若者の非常識な行動も収まらないし、ましてや年配者がそれを非難する資格もないというべきだろう。
と、そういう私もその年配者の範疇だから、我が身を振り返ろう。だいたいこんな偉そうなことを言ってるヤツほど、
自分のことは棚に上げてるんだからな・・・。
さて、今日のワインは、先日のMOULIN-A-VENTと一緒に入手したもの。同じくハーフボトル。
色は結構しっかりめのイエロー。香りは細身で、深緑の葉のような、日陰のコケのような、ジメッとした感じ。なんかヤバそう。
柑橘系の酸はけっこうしっかりしているが、やはり畳表のような妙な緑っぽさが強く、それは時間とともにますます目立ってくる。
甘みは弱く、深みもない。
入手価格\1,280。残念ながら、評価すべきものではないと思う。決して安くはなかったのに。
購入したのは年末なので、買った時点で既に何らかの問題があったのだろう。完全に飲めないというほどではないだけに、
とってもビミョーな1本。
<評定差し控え>
2004年1月15日 ROUGE
CHATEAU POTENSAC 1999 (CRU BOURGEOIS EXCEPTIONNELS) / MEDOC
シャトー・ポタンサック (クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル) / メドック
BORDEAUX地方、MEDOC地区、AC:MEDOC
私は休肝日を設けていない。
・・・びっくりした。"きゅうかんび"と入力して変換したら、"休肝日"が出てきた。恐るべし、ATOK15。 と思ったら、IME2003でもやっぱり出てきた。今や辞書に登載されるほど普通の言葉なんだな・・・おなじみ安ワイン道場では、休肝日が設定されていて、 通常なら休肝日にあたる月曜も、祝日だけはハッピーマンデー法の適用により、例外的に飲んで良いルールだとのことである。 道場師範の折り目正しいご性格が伺える。実に文化の薫りを感じるではないか。
2004年1月17日 BLANC
POUILLY-FUISSE 2001 / JEAN RIJCKAERT
プイィ・フュイッセ / ジャン・リケール
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:POUILLY-FUISSE
1月17日。我々関西の人間にとって、決して忘れられない、忘れてはならない日。
実は、震災当日やその後のことを詳しく書こうとして、一旦書き始めて、読み返して、そして、やめた。私自身は被災者ではないが、
こんなところで取り上げるのは、あまりに軽々しい気がして。
私やあなたが、災害の犠牲にならずに、今こうして無事に生きていることは、単なる偶然に過ぎない。言いかえれば奇蹟なのだ。
だから私は、正義とか国際平和の名の下に、ともすれば人の命が軽んじられるような風潮を、絶対に許せない。
重たくなったので、本題へ。
当日記でこれまで2度取り上げ(ヴィレ・クレッセ2001、
サン・ヴェラン2001)、2度とも手放しで絶賛しているリケール。もちろん私が絶賛するのは、単においしいからではない。
例えばDRCのワインなら、ほぼ高い確率でおいしいと感じるはずだが、値段を考えれば当然のことだ。
当日記で高い評価を与えるのは、コストパフォーマンスの優れたものである。その筆頭格と言ってもいいのが、この造り手である。
色は淡い黄色。オレンジ、りんご、パイン等の果実香と、ナッツのような炸裂する香ばしさと、バターやクリームのオイリーさ。まず、香りの印象からは、
こってり、ぎっしり詰まった感じ。
ところが口に含むと、酸がとても生き生きしていて、シャープ。クリーミーな飲み応えももちろんあるが、酸がそれを引き締め、
だらけることを許さない。ほのかにカスタードのような後味が残るのも気持ちがいい。
前にも似たようなことを書いたと思うが、味の重心の置き所が素晴らしい。ともすると、こってり側に傾いてしまいそうなテイストなのに、
心地よい緊張感を持ち得ているのは、酸の生かし方がうまいゆえだろう。
やや厚化粧気味だから、敬遠する人があるかもしれない。だが、派手な立ち居振る舞いの奥に、純真さが見える。
知性あふれるシャープな顔立ちに、妖艶なムードを併せ持った美女とでも評しておこう。
入手価格\2,500。3倍でも文句言わないよ、ワタシ的には。でも、お願いだから高くならないでね。
<評定:AA>
2004年1月19日 BLANC
MONTES SAUVIGNON BLANC 1998 / MONTES
モンテス ソーヴィニヨン・ブラン / モンテス
チリ、DO:CURICO VALLEY
ついに日経平均株価が、11,000円台に乗った。
このまま順調に景気回復してゆくとはとても思えないのだが、それでもやっとここまできたのは、
各企業の血のにじむような努力の結果である。急速に業績を回復している企業については、もっと株価上昇してもよいのではと思う。
間違ってはいけないのは、この株価上昇が、首相の言うような"構造改革の成果"などではないということだ。
そもそも構造改革自体、遅々として進んではいないのだが、ここ数年、推し進められようとしている構造改革とは、
主にサプライサイドの効率化であるから、うまく進めば進むほど、生産余力が生まれて貨幣が回らなくなる。
景気が順調に回復しているのは、景気の足を引っ張る構造改革が進んでいないからだと言うのが正しい。
ただ、長期的に見れば、あらゆる無駄を解消してゆくのは必要なことで、本来はもっと景気の良い時に改革は推し進められるべきものだ。
なぜそうしないかといえば、改革が好況に水を差すことになるから、敢えてそんなことをしたくないと、時の宰相なら誰しも思ってしまうからだ。
その点、現在のような長引く低迷期であれば、その弊害が見えにくいから、単にやりやすいというだけのことで、
改革を完遂したい人にとっては、簡単に景気回復されては困る。近年は、そういう力学が働いていると見るべきだろう。
今、注視すべきは、思った通りの改革が進んでいないことを自覚している首相が、金融担当相と結託して、
もういちど景気上昇の芽を叩きつぶしにかかるかもしれない、ということ。
よく言われているように、バブル崩壊後、失政あるいは意図的操作によって二度ほど回復の芽が摘まれている(95年と99年)。
同じことが2004年に起きないことを願う。
さて、今回またWine Shop Enotecaでセットものを購入した。基本は12本15,000円なのだが、
1本で2本分計算のものがあり、反対にハーフは2本で1本分だったりして、結局注文したのは、
8本+ハーフ3種6本。その1本目は、モンテス・ソーヴィニヨンのハーフ。通常価格2本で\1,500。
実は、たいへん残念な結果をお知らせしなくてはならない。
グラスに注いだ瞬間、色を見て、驚いた。オレンジというか、ほとんど琥珀に近い色をしている。ハンガリーのトカイのようだ。
古い黒砂糖か、くたびれた梅酒のような匂いが強く、とてもソーヴィニヨンとは思えない。
味にもコクはなく、どこからどう見ても、完全にイッちゃってる(T_T)
どうしようか迷ったが、明日、販売店に持っていこうと思う。
実はハーフのもう一本をあけたところ、こっちはまだ飲めるレベルだったことがわかった(下記参照)。
お店の名誉のために一言付け加えておけば、こんなことはよくあることなので、何ら怒りを覚えるようなことではない。
むしろ、お店に対してご愁傷さまとしか言いようがない。でも、いちおう確かめてもらいに持って行くぞっ。
結果報告は、後日。
<評定不能>
ちなみに、いちおう健康体だった方のボトルも、色は黄金色から琥珀に近づいており、香りにも若干ひねたところがあるものの、
リンゴ香があり、わずかにソーヴィニヨンらしい爽やかさもかいま見られ、円熟したおもしろいワインになっていた。
アイドル顔したおばさん、って感じ。
やっぱり、この手のワイン、もっと早くに飲まなくちゃだめだよね。ごく一部のマニアを除いて。
<評定:E>
2004年1月20日 ROUGE
MONTES CABERNET SAUVIGNON 2002 / MONTES
モンテス カベルネ・ソーヴィニヨン / モンテス
チリ、DO:CENTRAL VALLEY
13日の当日記に書いた、お騒がせ新成人のその後。
静岡県伊東市の成人式で、壇上の垂れ幕を引っ張り下ろすなどの暴行をはたらいた新成人たちが、
後日「酒に酔って暴れてしまいすみません」と謝罪に訪れたところ、市長は、親を連れて出直してこい、と言ったらしい。
で、改めて父兄同伴で謝罪に来た彼らに対し、確かに反省していることは認めるが、それで責任が消えるわけではないとして、
刑事告訴はやめないとの意向を伝えた。
ちょっとかわいそうだという意見もあろうが、私は、当然ではないか思う。
市長の言うとおり、社会で一度した行為の責任は、言葉で謝ったからといって決して消えるものではない。
そんな当たり前のことを、この際しっかり学ぶべきだろう。
だいたい親を連れてきたからといって、それで何かが解決するというものでもないだろう。
「こうして出て来ているんだから、平にご容赦を」みたいなことを言ってる親がいたが、
まさにこの親にしてこの子ありだろう。親を連れてこい、と市長が言ったのは、
文字通り親の顔が見たかった、単にそれだけなんだろうね。
子の親とか、会社の上司とか、監督責任のある人間が出ていったらそれで事態がどうにかなるなんてものではない。
よく、飲食店なんかで、粗相をした店員をなじって、「おまえじゃ話にならんから、店長を呼べ」なんて叫んでるオッサンがいるけど、
そういう人は、間違いなく権威主義者だと見てよい。権威を持っている人間が出て来て謝ったら許してやろう、なんて、
その発想自体が権威におもねる人間のものだ。
たとえ女子高生のアルバイトであったとしても、その仕事を担当している限りは、仕事遂行上の全責任は彼女にある。
それを、もっと「上の人間」にむかって怒鳴り散らしたら溜飲が下がる、なんてのは、あまりにもケチくさいではないか。
世の中には、長と名のつくような人に頭を下げさせたくて仕方ない人たちもおいでのようで・・・。
さて、お約束どおり、昨日の劣化ワインのその後。
お店に持っていって、「変質しているようなんだけど、確認してください」と申し出たところ、まず店員氏は、
「98ヴィンテージのハーフということで、出す前に味見をした時に、かなり熟成が進んでいるということは確認してるんですが」
といい、「ホントに大丈夫ですか?」と私が念押ししたので、複数の店員さんが確認してくれ、結局、これは熱焼けしてますね、
と交換してくれた。
非常に丁寧で、誠実な対応であったことを記しておきたい。
普通、販売店に責任追及するのはかわいそうな気もするが、ここは輸入者兼販売者である。ほとんどすべての責任があるわけで、
あえて伝えに行った次第。もし、今日戴いた代替品がまた劣化していたとしても、
もう持ってゆくつもりはない。取り替えてもらうのが目的ではなく、厚い信頼を置いている店だからこそ、
客として伝える義務があると思ったからだ。
今回のことで、これからも大いにここで買おうという気持ちになったのは、言うまでもない。
で、今日開けたのは、セットものの2種め。同じMONTESのカベルネ(ハーフ)。
色は真紅だが、やや透明感がある。万年筆のインクと、絵の具の中間のような匂いが特徴。いかにも若いカベルネ
(といっても、ヨーロッパのそれとは大きく違う)。
味わいも甘み中心。タンニンは結構力強いが、重くはなく、とろーんとした印象。飲み込んだ後にも、ぼんやり甘みが残る。
通常価格2本で\1,500。特に文句もないが、感動もない。
<評定:C>
2004年1月23日 SPARKLING
BOTTEGA IL VINO DEI POETI PROSECCO BRUT
ボッテガ イル・ヴィーノ・デイ・ポエティ プロセッコ・ブリュット
イタリア
学歴詐称疑惑について。
民主党議員による学歴詐称疑惑問題が、TVや新聞で、こぞって報道されている。
それが、公職選挙法に違反する限りにおいては、決して許されないことであるのは、論をまたない。
が、私は考える。議員にとって学歴とは、そんなに大切なものなのだろうかと。
言うまでもなく、国会議員とは、国民の代表として、法案などを審議する立場の人であるから、
我々の意見を代弁する人たちである。
で、我々国民の代表者たる人が、大卒でなかったらいけないんだろうか。無論、そんなことはない。
大切なのは、どんな学校を出ているかではなくて、どんな教養を身につけ、どんな将来ヴィジョンを持っているかであろう。
だから、「私は有名大学を出てはいません。勉強もできるとは言えません。
でも、私は政治家として、カクカクシカジカのことをやり遂げることをお約束します」ということを実直に訴えてくれる議員ならば、
心から応援したいと思う。
ぜひ、そういう政治家に出て来て頂きたいものだ。
閑話休題。
15,000円セットの3本目は、イタリアのスプマンテ(発砲)のハーフボトル。
泡はなかなか勢いがあって、細かな気泡が長く緩やかに立ち上る。
香りは強くはないのだが、ほんのりソーヴィニヨンのようなハーブ香があって、さわやか。
味にも嫌みはないが、若干、じんわりとした甘みを伴う。
通常価格2本で\1,760。
深みのようなものはないが、このクラスのスプマンテとしては、不足はない。
どんな食事にも気軽に合わせることができて、重宝なワインといえる。特に和食にはもってこいだ。
<評定:C>
2004年1月24日 BLANC
MACON-LA ROCHE-VINEUSE 2000 / DOMAINE ARCELIN
マコン・ラ・ロッシュ・ヴィヌーズ / アルスラン
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:MACON-LA ROCHE-VINEUSE
思い通りにはいかんざき。
公明党が、自衛隊本隊の派遣に賛成する意向を固めたと報じられた。
特定の政党を批判したり、養護したりするのは、私の本意ではないが、あえて書く。
同党が閣内にいることの最大の、否、唯一の意義は、お得意の平和主義を貫き、自民党の暴走に歯止めを掛ける
役割ではないのか。自らの存在意義を否定するような意志決定は、もう自滅行為である。
そんなに与党でいたいのか。恥を知れ、といいたい。
いくら支持母体が強固だからといって、無党派からそっぽを向かれても大丈夫なのかねえ。他人事ながら、もっと考えろといいたくなる。
防衛庁によるマスコミへの報道自粛要請や、幕僚長の定例記者会見廃止にも唖然としたが、なんと、
庁内に記者を封じるためのドアを設置するという。2月中に。なんと迅速なことか。費用は5千万円だって。
それだけあれば、釜ヶ崎の労働者何人雇えると思ってるの。
武器輸出容認発言といい、あのほっぺの赤いポコちゃんは、いったい何考えてんだろうね。そんなに人殺しのできる国にしたいのか。
既に不況が多くの自国民を殺しているというのに、得意げに改革しか叫ばないライオン丸といい・・。
こういうことを踏まえた上で、参院選は選挙権行使させて頂く。
さて、今日はセットものを離れ、単品入手のマコンだが、このAOCは初である。
淡いイエローグリーン。香りは柑橘よりもトロピカルフルーツ系。グリーンなハーブ香と、クリームビスケットのような香りも感じる。
口に含んだ時の酸のフレッシュさと、その後に残るクリーミーさがやや不釣り合いながら、それが独特の味わいを作り上げている。
高いところ(酸の鋭さ)と低いところ(ミルクのような甘み)が強く、真ん中が少し弱くて中抜けな印象が少し残念。
でも、玉子焼きを食べたような不思議な後味はgood。
入手価格\1,500。この価格帯にしては、良くできてます。
今日は、よく脂ののったブリの刺身に合わせた。えもいわれぬまろやかさの競演だった。
<評定:B>
2004年1月27日 BLANC
MONTES SAUVIGNON BLANC 1998 / MONTES
モンテス ソーヴィニヨン・ブラン / モンテス
チリ、DO:CURICO VALLEY
ついに、陸上自衛隊本隊に派遣命令が出された。
当日記では再三派遣反対と書いているので、その点は繰り返さない。今や世間での議論は、攻撃され、犠牲者が出たらどうするか、
という点に移っている。
あえて冷静に予測すれば、実際に攻撃を受け、負傷者あるいは死亡者が出た場合、ナショナリズムが高揚することは必定であろう。
攻撃されて尻尾を巻いて帰ってきたら、それこそ世界中の笑いものになる、という世論が台頭し、いまこそ立ち上がれなんて意見が、
堂々と出てくるに違いない。どこかの軍国オジサンのように、「やつらをせん滅すればいい。日本軍は強いんだから」なんて発言が
市民権を得るかもしれない。
それよりも危惧されるのは、そこに国内政治的な判断が加味され、いや、政権を維持することだけが常に首相にとっての至上命題であるから、
犠牲者が出て撤退して帰ってきたら、政局になるのは明らかで、それを避けるためだけに、ナショナリズムをうまく利用し、
口では「国際貢献、国際貢献」だけを繰り返して、撤退はしないという方針を多分とるであろうということだ。
だから今から言っておく。攻撃を受けたら、1人たりとも犠牲者が出る前に即刻帰ってこいと。世界から笑われようがそれがどうしたというのか。
だいたい首相に責任が取れるのか。取れるわけない。首相のそして閣僚の地位や名誉のために、たった1人でも犠牲になることは絶対に許されない。
いくら責任を取るといったって、補償金を何億も払うと言ったって、人の命は取り返せない。子供のけんかではないのだ。
男の子がいじめられて泣いて帰ってくるなんてなさけない、やり返してこい。そんな話とはまったく違う。
国の誇り、みたいな話をする連中は、力で他に負けることは男の沽券にかかわるなどという、そんなくだらないところにしか自負心を持てない、
コンプレックスの固まりなのだ。国などという実体のないものを堅持するために命を犠牲にするなんて、まったく馬鹿げたことだ。
国際貢献をしなくて良いのか、一国平和主義で良いのか、との厳しい反論があろうかと思うから言っておくが、
現地に平和的政権を樹立するための人道支援ならば、国連主導で行わなければならない。彼らが望むのは、銃を持った軍隊派遣ではなく、水や医療や
雇用の機会だろう。そういうところに人とお金を使うべきだ。
語調が荒くなってしまった。
もうこのまま今日の日記は終わってしまってもいいくらいの気持ちなのだが、飲んだワインを一応。
先日、劣化していて交換してもらったもの。今度はどうだろう。
色はかなりオレンジに傾いてはいるが、劣化ボトルほどの濃さではない。香りはソーヴィニヨンらしい深緑の感じが強く、
柑橘的爽やかさも若干。
味わいはかなり丸くなっていてアプリコットのような甘さもあるが、酸も豊か。濃厚だがフレッシュさも失っていない。
セットに入っていた1本目が劣化していて、2本目は一応健全だったがそれほど質は高くなかった(E評価)。
交換品のこれが3本目になるわけだが、一番良かった。くしくも同じ銘柄、同じヴィンテージにして、3本がみな違う状態だった。
注意すべき点は、次の2つ。まず、ハーフボトルは熱などの影響を受けやすいから、ボトル差が出やすいこと。
そして、そもそもカジュアルなタイプのソーヴィニヨンは早飲みすべきもので、98では既にピークを過ぎてしまっていること。
だからこういうバラツキが出るのは仕方ないと思う。良い勉強をさせて頂いた。
<評定:D>
2004年1月28日 ROUGE
VERAZZANO ROSSO 2000 / TOSCANA(I.G.T.)
ヴェラッツァーノ・ロッソ / トスカーナ
イタリア、TOSCANA州
吉野家の受難。
BSE問題で牛丼販売中止を余儀なくされ、牛がだめなら鶏があるさと再起を図っていた吉野家に、
今度は鳥インフルエンザが襲う。
ついに最後の砦とされていた中国からの輸入停止が決まった。言うまでもなく、スーパーやコンビニなども大打撃であろう。
このような非常事態にあたって再確認させられるのは、リスク分散の大切さである。効率一辺倒の企業経営で、
高収益を達成していても、単一の商品に特化したり、しかも原材料の輸入先を一国に絞るというやり方は、
そのライフラインが絶たれてしまった瞬間に存続の危機となる。
これは危機管理というよりは、リスク管理の問題である。危機(crisis)は予期できなくて当たり前だが、
不確実性(risk)は予期でき、事前対処ができる。牛丼業界で吉野家よりも圧倒的にシェアの低かった会社が、元々売れないので牛丼に特化できずに、
メニューにバリエーションを持たせていたから結果として助かったというのは、皮肉である。が、くしくも分散が大切であることを身をもって示した。
たとえば私は自由業者(別名フリーター)だが、いちおう本業というものを持っていながら、お金を稼ぐ道、報酬を払ってもらえる相手は、
たくさん確保している。こういう態度に対して、世間はあまり良い評価を与えてくれない。いわく、一つのことに本腰を入れないようなヤツは、
ビッグビジネスなどできない、と。
そう言われれば言われるほど、馬鹿な奴らめ、と私はほくそ笑む。そもそもビッグビジネスなど糞食らえ、というのが私の態度だが、
リスクコントロールのできている人間は、大きく成功できないとしても、大きな失敗には陥らない。
毎日食事ができて、ワインが飲めればそれでいい。夢のないヤツと言われようが、知ったことか。
いやなことは一切しない。好きなことだけする。私のような人間に最も大切なことが、リスクコントロールなのである
(投資の世界におけるポートフォリオのトータルリスク低減と同じ)。
リスクコントロールというと、難しく聞こえるが、例えば女性がかわいい傘を買うのも一種のリスクコントロールである。
雨の日は服も濡れるし気分も憂鬱になる。が、気に入ったかわいい傘がさせると思えば、少しは楽しい気分になれる。
傘が感情の収支を改善してくれているのである(私はこれを、心の天候デリバティブと呼んでいる)。話がよけい難しくなったかな?
さて、今日のワインは、国名を聞くだけで楽しくなれるイタリアもの。15,000円セットの4種目。
向こうが透けて見える程度の濃さ。ボージョレ程度かな。見た目には非常にカジュアルな感じ。
ところが、香りをかいで驚く。火薬のようなイオウのような感じがあって、皮っぽい匂いもあるので、
少し良さげなブルゴーニュみたい。
酸はあまり尖っておらず、ベリー系(いちご的)の甘みがあり、タンニンはやや引っかかる。
テンションは低くないので、イタリアだと言われなければ分からないかもしれない。
ブラインドなら、おそらく私はボージョレと言うだろう。
単体での通常価格は\1,900。なかなか面白い。
バリバリの大阪生まれなのに、神戸のお嬢様学校に通い、清楚な神戸ファッションに身を包んで言動もお上品な子女19歳。
魅力いっぱいなんだけど、でも、なんかちょっと違うような。ま、いいか、かわいければ、ってなワイン。
<評定:C>
2004年1月30日 BLANC
CUVEE SELECTIONNEE CHARDONNAY 1999 / BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD / VIN DE PAYS D'OC
キュヴェ・セレクショネ シャルドネ / バロン・フィリップ・ド・ロートシルト / ヴァン・ド・ペイ・ドック
V.d.P
学歴詐称議員、除名される。
処分が甘すぎる、という声がある。党の処分が甘い以上に、本人自身が甘いというべきだろう。
そうまでして代議士という地位にしがみつきたいのか、としか見えない。クリーンさだけが売りだったのに、
自らダーティな人間に成り下がってしまった。
もし、詐称の意図があってやったことなら、公選法違反になるから、素直に「ウソついてました、ごめんなさい」とは言えないかもしれないが、
ウソであろうが、勘違いであろうが、とにかく真実を素直に明かすことしか、救われる道はないだろう。
学歴なんて、国会議員としての資質に関係はない。けれども、有名大学の名前は、確かにブランド価値程度のものはある。
それが日本の現実だ。
でもそれは、ブランドバッグを持つ人と同じである。
グッチやエルメスを持っているからといって、それだけでお洒落な人と認定されるわけではない。
ブランドバッグが証明するのは、単にそれらを買うことのできる程度のお金を持っているという事実に過ぎない。
ブランドにすがるのは、自分に中身がないからだ。本当にお洒落な人とは、スーパーで買った980円の服をセンス良く着こなす人
であると思う。そのセンスがあれば、肩書きなどいかに空虚なものかがわかるだろう。
閑話休題。
15,000円セットの5種目は、VdPのシャルドネ。
色は濃いめのレモンイエロー。苦みを想起させるグレープフルーツ的柑橘香と、ビニールかセルロイドのような人工的な感じと、
甘い樽香が混じり合う。
思ったよりも酸が強く、凛とした清々しさがある。その分、甘みの広がりはなく、後味もシャープ。
Ocにしては細身で、尖った印象。
単体での通常価格は\1,900。まあこんなもんだろう、と思う。
Cuvee Selectioneeとあるとおり、これは、ネゴシアンとしてのRothschildが、オックで買い付けたワインをブレンドし、
オーク樽で熟成させたもの。
人のふんどしで相撲を取っているにしては、なかなか良い戦いをしていると言っておこう(いや、人に自分のふんどしを締めさせて、
戦わせてるといったほうがぴったりくるか)。
バロン・フィリップという肩書きに、だまされないように注意しよう。だまされる人生のほうが、
本当は幸せなのかもしれないけどね。
<評定:C>