2004年8月
2004年8月1日 BLANC
WURZBURGER INNERE LEISTE RIESLING KABINETT TROCKEN 1997 / JULIUSSPITAL
ヴュルツブルガー・インネル・ライステ リースリング・カビネット・トロッケン / ユリウスシュピタル
ドイツ、FRANKEN地方
おめでとう、兄貴。感動をありがとう。
わが阪神タイガースの金本知憲選手(36)(ニックネーム=兄貴)が、連続フルイニング出場の日本記録を塗り替えた。
広島カープ時代から、実に連続701試合。約5年の間、全試合、全イニング出続けるという偉業。
実力勝負のプロの世界。成績を残さなければ使ってもらえない。大きな怪我をすれば出られない。言うまでもなく、
フツーのサラリーマンや学生の皆勤賞とは、わけが違う。
ましてや、ちょっとしんどかったら「ま、今日は仕事サボろう」という、ほとんどフリーターの私などとは対極にある。
7月29日の試合で左手首に死球を受け負傷し、痛みを押しての出場。普通の選手なら休んでいる。
日本タイ記録(700日)に並んだ昨日(31日)、まともにヒッティングができないので、
なんとセーフティバントで出塁するという気迫を見せた。
ちょうどそのとき、私は甲子園のスタンドで応援していた。ライブで見ている時には、一瞬、何が起こったのか?
という感じだったが、帰宅後スポーツニュースを見て、改めて感動した。その比類なきプロ根性に。
こういう素晴らしい選手が、プロ野球を支えている。
カネと権力にものを言わせる年寄り連中が、支えているのでは決してない。
さて、本日登場は、成城石井梅田店で購入したセール品。ハーフボトルで\945(本体価格900円+消費税45円)。
色は淡く、グリーンがかっている。香りもグリーンな印象で、尖った柑橘香がある。
グラスを回すと、石油あるいはセルロイドの匂いが。
酸っぱい、というのが、素直な味の感想。ミネラル分も豊富で、決して薄っぺらくはない。
ただ、幾分かくたびれた感じもする。峠を過ぎたか。
通常価格は1,300円程度らしいが(フルボトル換算2,600円程度)、まあ不満はないかな。
ボトルは、FRANKEN特有のボックスボイテル。しかもハーフなので、とてもかわいらしい。
ところで当サイトは、7月毎日更新を果たした。6月6日から、今日で57日連続更新している。
(この事実が一体何を意味しているか、といえば、57日間、私は1日も欠かさず酒を飲んでいる、ということだけだ。
ああ、情けない)
こうなったら700日を目指すぞ、というのは無理としても、70日くらいは目指そうかな。
<評定:C>
2004年8月4日 BLANC
GOLDEN MILE SAUVIGNON BLANC 2002 / DOMAINE GEORGES MICHEL
ゴールデン・マイル ソーヴィニヨン・ブラン / ドメーヌ・ジョルジュ・ミッシェル
ニュージーランド、MARLBOROUGH
こちらの老害は、去る。
大手レコード会社AVEXのお家騒動は、急展開を見せた。
同社の看板である浜崎あゆみをはじめ、多くのアーティストを育ててきた松浦専務と、千葉常務が、
今月初めに揃って取締役を辞任した。原因は、会長兼社長の依田氏との間で、
経営方針をめぐって対立していたことらしい。
2人の辞任に呼応して、浜崎あゆみが自身のHPで、松浦氏らと行動を共にする意志を表明。
それに慌てた依田社長が、急きょ代表権のない名誉会長に退き、松浦氏と千葉氏が同社に戻ることとなった。これが、事の顛末である。
実力勝負で依田氏が敗退した、といったところか。浜あゆのいないAVEXなんて、
クリープを入れないコーヒーより不味い(古いな〜)。辻ちゃん・加護ちゃんのいないモー娘より味気ない。
赤字転落は必至だろう。
無論、外部からは対立の内情はわからないから、
軽々しいことは言えないが、トップアーティストのいち早い反応をみても、
松浦氏らがいかに信頼を勝ち得ていたかがわかる。
どうしようもない所に追い込まれ、身を引かざるを得なかったとはいえ、
自身の退任の背後に「浜あゆ発言」があったことをあっさりと認め、
「会社は若い人に任せる」と言った依田氏は、潔かった。
もう人から支持されていないのに、いつまでも親分風を吹かせているどこかの老害にも、
少しは見習って欲しい。
今日は、12種15,750円セットの5種目。以前にも同じヴィンテージを飲んだことがある
ニュージーランドのソーヴィニヨン。
色はグリーンがかって淡い。香りはシャープで、スモーキー。木の葉のようなグリーンな感じが強い。
酸は刺すように鋭い。あまりにふくらみがないので、ちょっと熱にやられているのかとも思い、
前回のコメントを見てみたら、"ほんのり甘い"と書かれている部分だけが違う。あとはほとんど一緒。
ふくよかなソーヴィニヨンも良いが、やはりこれみたいにシャープなもののほうが高貴な感じで好ましい、
と私は思う。
単体での通常価格は、\2,079(通常価格1,980円+消費税99円)。内容はなかなか良いんだけど、
値段を考えると、もう少し何かが欲しい。
<評定:C−>
2004年8月7日 BLANC
MONTES ALPHA CHARDONNAY 2002 / MONTES S.A.
モンテス・アルファ シャルドネ / モンテス
チリ、DO:CASABLANCA VALLEY
シンタロウくん語録。
サッカー・アジアカップ会場で、中国人観客が反日感情をあらわにしていることに対し、
石原東京都知事は、「民度が低いんだからしょうがないね」「やっぱり中国は反省すべきだろうね。
自分たちが墓穴を掘ることになると思いますよ」などと語った。
あなたの発言こそ、程度が低いです。
スポーツの試合に政治的感情を持ち込むなどということは、スポーツ観戦者としてのマナーに反する。
これは言うまでもないことだ。しかし、この点を捉えて「民度が低い」だなんて、
最初からそういうことを言いたくて仕方なかったシンタロウくんならでは。
お門違いの行動といえども、ブーイングを受けてしまうこちらの側にも、その原因は厳然として、ある。
なぜ嫌われているのか、わかってるよね。シンタロウくん。そして、ジュンイチロウくんもね。
そんなことはともかくとして、ジーコ・ジャパン、おめでとう。今日は、それでいいではないか。
さて、12種15,750円セットの6本目は、なんと今年3度目のモンテス・アルファ・シャルドネの02ヴィンテージ。
色は濃いが、少しグリーンも入っている。ヘーゼルナッツやくるみ、そしてミルクやカスタードの香り。
期待通りに、ヘヴィーだ。
酸も強いのだが、よく熟したオレンジみたいに、甘さの方が勝っている。口の中で熱く、ひりひりするくらい。
アルコール度数の高さ(14.5%)が、胃袋にも伝わる。でも、乱暴なだけでなく、
じんわりとした味わいがある。
単体での通常価格は、\2,079(本体価格1,980円+消費税99円)。
厚化粧で肉感的だから、毛嫌いする人は少なくないかも。だけど、内面は侮れないものがある。
ところで当サイトの連続更新記録も、ついに丸2ヶ月を越え、今日で63日め。行けるとこまで行こう。
<評定:C+>
2004年8月8日 ROUGE
LES ROSEAUX 2000 / SAINT-EMILION
レ・ロゾー / サンテミリオン
BORDEAUX地方、ST-EMILION地区、AC:ST-EMILION
文化の成熟度は、黙って態度で示すもの。
昨日も触れたが、サッカー・アジアカップにおける騒乱は、日本が中国を制して優勝した昨日、
最高潮に達した。
日本人サポーターに向けて物が投げ込まれたり、日本チームのバスが取り囲まれたり、
日の丸が焼かれたりした。
昨日の記述で変な誤解をされたくないので、はっきり言っておくが、このような行動は絶対に許されるものではない。
自制心を欠いた、バカな行動をする人間は、どこにもいるものだ。それが結果的に人に危害を加えることになれば、
厳しく処罰されなければならない。
だが、私が強調したいのは、こういう事件を、すぐ相手国(中国)を批判する材料に使いたがる輩の
心の貧しさである。
こういうときにこそ、文化の成熟度が問われる。その意味で、この件に関する日本のメディアの反応の仕方は、
一様に大人の態度であると思う。ただ事実を淡々と伝えている。
誰かさんみたいに、「中国は反省すべきだ」なんてわざわざ言えば、それを支持する人間も出てくる。
やめようよ、そういう子供みたいなのは。
「競技の相手を尊重することは、文明の素養の一種だ」とは、人民日報の一面に書かれた言葉だそうだが、
まったくその通りである。
12種15,750円セットの7本目は、サンテミリオン。
これは、ペトリュスの経営者Moueixのワインだとか。
色は青みが強く、若い感じで、とても濃い。
まるでしょうゆみたいに酸を伴った深い香り。なめし革のような香りもあって、どっしり感がある。
酸も甘味も強く、粉っぽい感じが口中に広がる。いかにも「飲むのが早すぎたかな」
と思わせるパワフルさ。だが、この状態でも十分に楽しめる。タンニンは柔らかく、後味がきれい。
単体での通常価格は、\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。
このスケール感からすれば、十分にお買得だ。
<評定:C+>
2004年8月17日 BLANC
RESERVE DU BARON DE MONTESQUIEU 2002 / BORDEAUX
レゼルヴ・デュ・バロン・ド・モンテスキュー / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX
おめでとう、工藤投手。その気迫には、神々しさすら感じました。
読売ジャイアンツの工藤公康投手(41)が、プロ通算200勝を達成した。
読者の皆さんもよくご承知のように、私はタイガースファンである。しかし今日は、
一プロ野球ファンとして、この感動を率直に伝えたい。
17日のヤクルト戦。1対2のビハインドで迎えた7回裏。ペタジーニのホームランで同点となった後、
ランナー1人を置いて工藤に打順が回ってきた。ヤクルト、ベバリン投手の高めに浮いた玉を思い切りたたいた
その打球は、なんとライトスタンドへ。
自身のプロ入り初ホームランが決勝点となり、200勝達成。しかも9回を投げきっての完投勝利。
TV中継を見ていた阪神ファンの私も、今日ばかりは、その気迫のHRに打ち震え、9回最後までかたずを呑んで、工藤投手の完投勝利を祈った。
今これを読んでくれている阪神ファンの同志よ。貴方が真の野球ファンなら、今日ばかりは我がチームのふがいなさを忘れて、
工藤投手の偉業を讃えようではないか!
TVで解説者の原辰徳・前監督が、「野球の神様というものの存在を信じざるを得ない」というような発言をしていた。
いささか感傷的な発言ではあるが、今日の工藤投手からは、絶対に勝ちたいという気迫を持ち続ける者の下に勝利は訪れるのだという事実を、
見せてもらった気がした。
41歳といえば、ビジネスの世界では働き盛り真っ最中だが、プロ野球の世界ではピークを過ぎた長老と言ってもいい。
そんな41歳のプレーが、未来を担う野球少年たちの胸をも躍らせたに違いない。これぞ、一流の仕事である。
こういう素晴らしい選手の存在が、プロ野球を支えている。老害たちの主導する球界再編問題など、今日は忘れよう。
さて、本日登場は、単品入手のACボルドー白。
淡いイエローグリーン。真夏の草原のようなグリーンな香りと、グレープフルーツのようなシャープな柑橘香。
グラスを回すと、さらにグリーンな匂いが強くなる。
かすかに密のような甘味を伴いながらも、酸と苦味の鋭さが勝っている。
キリッとした後味、若々しいハーブ香は、いかにも正統派の安ソーヴィニヨン。
入手価格\1,050(本体価格1,000円+消費税50円)。この値段のACボルドーに、これ以上
望むものはあまりない、と言っていい。
取り立てて感動のようなものはないけれど、日常飲みのワインには最適。
なんと、当日記は9日も空いてしまい、久々のwineとなったが、その間、ビールや缶チューハイなどを飲み続け、
サイトの連続更新記録は73日になった。ここまで来たのだから、どうせなら9月5日まで続けて、3ヶ月
(6/6〜9/5の92日間)連続更新を目指そう!
<評定:B>
2004年8月18日 ROUGE
CELLAR SELECTION PINOT NOIR 2003 / SILENI
セラー・セレクション ピノ・ノワール / シレニ
ニュージーランド、HAWKE'S BAY
コンビニの今後に期待するものは・・。
コンビニエンスストアのローソンが、日本郵政公社と宅配便(ゆうパック)に関する提携を行う方針を固めた。
同社は既にこれまで、店舗の中に郵便ポストを設置したり、郵便局内に「ポスタルローソン」を出店したりして、
郵政公社との関係を深めてきた。
宅配便に関しては、これまで民間最大手のヤマト運輸と提携してきたが、「宅急便」だけでなく、
「ゆうパック」も扱いたいとして、ヤマト側に申し入れをしていたらしい。ところがヤマトとの契約では、
競合他社の商品は扱わないとの内容だったらしく、ヤマト側は難色を示している。
ローソンの思惑はどこにあるのだろう。
完全民営化をにらんで、ヤマトよりも郵政公社を味方につけた方がいいと考えているのか。それとも、
ヤマトと郵政公社の両方を取り込んで、他のコンビニに対する絶対的優位性を確立したいと考えているのか。
ヤマトは既に、ローソン以外の多くのコンビニにも入り込んでいる。ならばローソンとしては、
ヤマトとの関係を断ち切ってまで、郵政公社と蜜月関係になりたいとは思っていないだろう。
今後のヤマトの出方が見ものである。
郵便事業への参入に関し、色々な足かせをつけようとする政府に対し、そんな条件ならばやる気はない、
と足蹴にしたヤマトである。仮にゆうパックとの併存を認めるにしても、ローソンに対して色んな条件を持ちかけるに違いない。
コンビニは今後、多様なサービスを提供する街の基地としての役割が期待されている。宅配便やチケット予約だけでなく、
DPEとか、クリーニングの取り次ぎとか、医薬品の販売(これには薬事法の障壁があるが)とか、身近にいつでもあったらいいな、
と思えるサービスを、どんどん提供してもらいたい。
しかし、私がいつも思っているのは、買ったパンやおにぎりやジュースなどを、その場で飲食できるスペースを
もっと作って欲しいな、ということ。今のところ、ミニストップくらいだからね。
特に暑い真夏など、クーラーのきいた店内でジュースが飲めるのならば、少々値段が高くてもかまわないと思う。
値段の安さよりも便利さ(convenience)を売りにしているのが、コンビニなのだから。
12種15,750円セットの8本目は、5月にも飲んでいるニュージーランドのピノ。しかもヴィンテージまで同じだ。
近年赤丸急上昇中のニュージーランド・ピノ。個人的にも好きなのだが、今回も冷静に評価しよう。
まず色は、やや暗めながら透明感のあるルビー(変な表現か?光の透過性は高いが、わずかに褐色が入っているということね)。
いちごと、革手袋と、すりおろしりんごみたいな匂いが同居。華やかながら落ち着きもある。
味わいは、若々しい酸が魅力。重さのようなものはないが、それを期待するのは酷というものだろう。
酸がエレガントで、何より甘くないのがいい。
単体での通常価格は\1,575(本体価格1,500円+消費税75円)。ここまで書いて、前回のコメントを見たが、
色の記述がちょっと違うだけで、それ以外はほぼ同じ感想である。ボトル差はなかったということか。ちなみに写真は、
前回の使い回しだよ。
<評定:B>
2004年8月20日 ROUGE
CELLAR SELECTION MERLOT 2003 / SILENI
セラー・セレクション メルロー / シレニ
ニュージーランド、HAWKE'S BAY
盛り上がりに水を差すことを言います。私は、オリンピックにほとんど興味はありません。
日本選手が続々とメダルを獲得し、応援ムードがヒートアップしている。ニュースなどもほとんどオリンピック一色。
選手たちが頑張っている姿はもちろん喜ばしいし、私もスポーツ自体が嫌いなわけではない。
だが、「一丸となって」という雰囲気が、私は大嫌いなのだ。
同じような理由で、高校野球にも興味はない。大阪の人間は大阪の学校を応援しなくてはいけないというような雰囲気は、堪え難い。
「あなたはどちらの出身ですか?」「ああ、どこそこ高校、残念でしたね!」
こういう会話が嫌いなのだ。なんで出身地を応援しなくちゃならないんだ?
こういう構造の行き着く先に、オリンピックがある。日本人は日本人を応援するのが当然みたいな、無言の圧力が恐い。
私は日頃から野球ファンであるから、スター選手ばかりを集めた日本チームの試合は、見ていて楽しい。
勝ってくれればうれしくもある。だがそれは、日本チームだから応援するのではない。例えば、わが阪神タイガースのウイリアムス投手のいる
オーストラリアも当然気になる。
だいたい、長嶋ジャパンって名前も変だし、なんでFor the flag.なんだ?
国旗のためになんか戦うな。国の名誉なんて言葉にすり替えるな。何のためにでもなく、ただスポーツの技を極めるために戦え。
勝てば、それは選手自身の名誉以外の何物でもないし、
各選手が自ら納得のゆくように全力で試合をしてくれればそれでいい。
谷亮子選手の試合など、非常にパワフルで気迫が感じられて素晴らしかったとは思うが、
残念ながら私は日頃柔道を見ないし、
ルールすら知らないので、見ていてどうしても気持ちが入らない。にわかファンになど、到底なれない。
まったく、スポーツニュース見てても、愛ちゃんのかけ声が「サー」なのか「ター」なのか「シャー」なのか、とか、
どうでもいいことばっかやってるし・・。
って、あんたもけっこう、見とるやないかい!(と自分でつっこんで終わり)。
12種15,750円セットの9本目は、同じニュージーランドの今度はメルロー。
色はガメイのような薄青紫。香りも赤いベリー香に、漢方薬みたいな甘苦い感じ+火薬のようなスパークした感じ。
ここまでで、とてもメルローとは思えない。
だが、味わいはまろやかで、酸は強いけれどもそれほど尖ってはいない。タンニンは非常にシルキー。
品種がどうのというより、このエレガントさはなかなかのもの。「南仏です」と言われたら、
「随分シャープですね」と答える。そういったテイスト。
単体での通常価格は\1,575(本体価格1,500円+消費税75円)。やっぱりニュージーランドの底力はすごいと感じた。
<評定:B>
2004年8月21日 BLANC
CONDRIEU 2002 / E.GUIGAL
コンドリュー / ギガル
COTES DU RHONE(北部)地方、CONDRIEU地区、AC:CONDRIEU
あなたの方こそ、偏っています。
渦中の映画「華氏911」について、「政治的に偏った映画は見る気がしない」と発言した小泉総理。
これに対して、マイケル・ムーア監督は、「見もしないでそんな発言をするなんて、ブッシュと同類だ」とバッサリ。
「戦争の悲惨さを最も知る国の首相がブッシュに追随するとは、悲しい」とも。
まあ、ムーア氏の視点が絶対的に正しいなどと言うつもりはないが、悲しいのは、
"世界の体制側"の問題点をあぶり出し、反旗を翻した作品に対して、
無視を決め込むボンクラを首相に持つこの国の現状である。
それに、もっと問題なのは、そういう首相を糾弾しようという国民が必ずしも多くないという、
思考停止状態の国情である。
8.6の広島での発言もそうだが、平和を望んでいない人間の言う平和ほど空しいものはない。
もうそろそろ、口先首相のかける催眠から多くの国民は目覚めなくてはいけない、と切に思う。
さて、今日のワインは、ウイークエンド・スペシャル。
安ワイン専の当日記では通常見ることのないAOCが登場。もちろん特売で入手したもの。
ラベル不良とのことだったが、どこも汚いような所はない。もしかして中身に問題があるのか?とも思ったが、
液漏れとかもしてないようだし、さしあたって気になるところはない。
色はおとなしい麦わら色。特に濃いということはない。香りは、白い花や黄色い花など、色とりどりの花束のようで、
さすがヴィオニエ。その中にも酢酸系のツンとたった香りがあり、テンションは高い。
口に含むと、最初の酸のアタックは強く、それと同時にドライアプリコットやパイナップルみたいな、少し乾いて落ち着いた果実味が広がる。
でも決して甘ったるいわけではない。
優しさと気高さが同居したような、なんとも言えず高貴な味わい。
舌の上でころっと転がり、ふんわり昇華してゆく感じ。やはりオックあたりの安ヴィオニエとは、役者が何枚も違う。
入手価格\4,147(本体価格3,950円+消費税197円)。2、3割くらいは安いのかな?
さすがギガル。傑出したところはないけど、つぼは押さえている感じ。私の普段の葡萄酒生活(wine life)からすると、
破格の1本だが、値段を考えると、このクオリティは当然とも言える。
本日で、サイトの連続アップ記録は77日め。もうひとふんばり、頑張ろう。
<評定:C>
2004年8月23日 ROUGE
MORELLINO DI SCANSANO (D.O.C.) SANTA MARIA 2002 / FRESCOBALDI
モレッリーノ・ディ・スカンサーノ サンタ・マリア / フレスコバルディ
イタリア、TOSCANA州
行政の暴走は許されない。
今日は、ローカルな話を。
全国で「平成の大合併」が進められる中、昨日、大阪府南部の市町で合併の是非を問う住民投票が行われた。
関西国際空港を抱える泉佐野市、田尻町、泉南市と、阪南市、岬町の合計3市2町が合併して人口約25万人の南泉州市となる計画で、
合併重点支援地域にも指定されている。この中でも特に泉佐野市は、空港建設に関連する負債のため、財政状態は深刻で、
合併は泉佐野市救済の色彩が強いとされている。当然、他の市町にとっては、合併により行政サービスの低下などが危惧されるため
(同じく関空島の1/3を持つ田尻町の財政状態は、健全であるらしい)、反対する住民が多いのではないかと予想された。
泉佐野市以外の2市2町で同日行われた住民投票の結果は、泉南市で賛成24%:反対76%、
阪南市で賛成22%:反対78%、田尻町で賛成11%:反対89%、岬町で賛成57%:反対43%。
唯一岬町を除いては、反対が圧倒的多数を占めた。当然の結果といえよう。
住民の意向を無視して合併を強行するわけにはいかない。ただ、田尻町を除く2市1町では投票率が50%に満たなかったとのことで、
住民の関心の低さも明らかになった。
また、同じ大阪府南部の忠岡町でも、隣接する岸和田市との合併の是非を問う住民投票が行われ、
合併29%:反対71%という結果であった。条例では結果を尊重しなければならないとされており、
合併構想は白紙に戻った。結果を受けて、町長は、「住民に町の考えを浸透させることができなかった」として、辞職の意向を表明した。
自らの失策を認めた形だが、くしくもこの発言に、町長の独善ぶりが表れていると思う。
住民の意向を離れたところに「町の考え」などあるはずがない。確かに町長は町民が選挙で選んだ人だが、
住民の意思を把握できていない首長など、存在の意義はない。行政側が暴走して合併を進めることなど、許されることではない。
さて、12種15,750円セットの10本目は、イタリア。
やや青みが入った感じのルビー色。プラムやアプリコットなどを感じさせる甘酸っぱい香り。
タンニンがなめらかで甘味は弱く、細身。ただ、このスリムさが持ち味。後味には少し粉っぽい感じが残るが。
単体での通常価格は\2,625(2,500円+消費税125円)。きれいな味わいであることは評価したいが、
この値段からすると、もうひとつ何かが足りないような気もする。
<評定:C−>
2004年8月25日 SPARKLING
MARCHESI DE FRESCOBALDI BRUT 2000 / TRENTO (D.O.C.)
マルケシ・デ・フレスコバルディ ブリュット / トレント
イタリア、TRENTINO-ALTO ADIGE州
常任理事国の先には、いったいどんな未来があるというのですか。
小泉首相は、9月の国連総会で、日本が安保理の常任理事国を目指す考えを表明するのだという。
最近の風潮では、こういう報道があると、好意的に受け止める国民は多いだろう。だが、私はひとこと異論を唱えたい。
そもそもなぜ常任理事国入りを目指すのか。長年の悲願だから?
それでは、なぜそれが長年の悲願なのか。常任理事国になると、具体的にどんないいことがあると言うのか。
最近、不思議なことに、若年層の間にナショナリズムが広がりつつあるという。
日本はもっと強くなって、国際社会で認められる国にならなくてはいけない。そんなことを、単純に信じる若者が増えているらしい。
常任理事国になりたいという願望は、詰まるところ「一等国」になりたいということ以外の何物でもないだろう。
しかし、その発想自体が陳腐だし、薄汚い。それは、東大を出て皆に尊敬されたい、というのと同じ、まったく愚かな発想だ。
序列社会の価値観に洗脳されているだけ。
国際社会で「偉く」なりたい。そのためには軍隊を持つ「普通の国」にならなくてはいけない。だから9条が邪魔だ。
今の政治は、そういう短絡的でバカな思考を、若者に植え付けることに必死になっているようにしか、私には見えない。
今こそ、多くの若者に向けて、言っておきたい。
あなたが自分の明日に希望が持てないのは、力の弱い国に住んでいるからではなく、ましてやその国の制度や憲法が悪いからでもなく、
国際社会での発言力がないからでもない。ただ、あなたが自分の人生に対して自信がないからに過ぎない。
自分に誇りがないことを、国の誇りなどという言葉にすり替えるな。自分に努力が足りないのに、社会の責任などという言葉を持ち出すな。
常任理事国になるとかならないとか、そういうことに自分たちの生活を重ねているようでは、自分という存在を統治できていない単なる未熟者だ。
もちろん私のこんな発言は、国際的な政治力学とか、世界経済の問題を無視した感情的な物言いだと言われることは分かっている。
だが、そうやって感情に訴えることでしか、今の状況は変わってゆかないような気がしている。
問題なのは、「戦争に負けたのがいけない」などと真顔で言うボケ老人の国粋主義ではなく、戦争と平和、あるいは幸と不幸に対する
リアリティのない若年層のもつ「無邪気な一等国願望」なのである。
さて、12種15,750円セットの11本目は、イタリアのスプマンテ。12種セットといっても、そのうちの1つはチーズだったので、
ワインはこれで終わりである。
このワイン、既に98、99と経験し、
図らずも時間差垂直テイスティングの様相を呈している。
スパークリングでもVTによって違いはあるのか、楽しみである。
色は淡いゴールド。多量の泡はきめ細かく、かつ持続し、見た目はシャンパーニュのようである。
香りは抑制がきき、乾いたハーブのような感じ。口の中でかすかに甘味のようなものが広がるが、
後味はとてもシャープ。テンションの高い味わい。前ヴィンテージで感じた柑橘香は、この2000年では強くない。
単体での通常価格は\2,310(本体価格2,200円+消費税110円)。これがもしシャンパーニュなら、と考えれば、
素直に安いと思う。
エチケットにはMETHODO CLASSICO(メトード・クラッシコ=伝統的な製造方法)の文字があり、
いわゆるシャンパン方式で瓶内二次発酵させたワインだということがわかる。
<評定:A>
2004年8月28日 BLANC
POUILLY FUME 2002 DOMAINE DES BERTBIERS / JEAN-CLAUDE DAGUENEAU
プイィ・フュメ ドメーヌ・デ・ベールビエール / ジャン・クロード・ダグノー
VAL-DE-LOIRE地方、CENTRE地区、AC:POUILLY-FUME
私は、宅急便を応援します。
先日の当日記で、ローソンを舞台としての「宅急便」と「ゆうパック」の
攻防に関する話題を取り上げた。
新たに郵政公社の「ゆうパック」を扱いたいローソンが、既に提携している「宅急便」のヤマト運輸にその旨を申し出たところ、
競合商品を扱わないことを契約の条件にしていたヤマト側は、それに難色を示した。どういう結末になるかと見守っていたが、結局、
ローソンとヤマトの契約は、解消された。
これに関してヤマトは、8月26日の新聞各紙に、一面広告を出した。
「クロネコヤマトは変えません」と題するその広告は、両方を扱いたかったローソンに対し、
ヤマトがそれに納得できなかったこと、その理由は、公正ではない競争をする気はないことなどを主張するものである。
「クロネコヤマトは日本郵政公社との競争に賛成です。ただし、公正ならば」
色々な優遇措置を受けたままで民間市場に参入する郵政公社の姿勢は、決してフェアプレイではない、という主張だ。
これに対し、郵政公社側は、宅配便事業でのシェアで見ればまったく公社の方が弱い立場であり、
このような努力を何もしないまま民営化をするとすれば、それは死ねと言われるようなものだというような反論をしていた。
誰も競争をするな、などとは言っていない。しかし、条件が違う段階で競争に参画するのは、民業つぶしと言われても仕方ない。
民間企業と同じように、ちゃんと税金を払うようになってから、競争に参画すべきだ。
私はもともと、民間宅配業者の中でも、ヤマト運輸が一番好きだ。再配達などでも時間指定がきめ細かくでき、
またすぐに応対してくれ、客の要望をできるだけ聞いてくれる。ネットを利用した時間指定だってできる。
接客応対も概ね良いし、何より運び方が丁寧でトラブルに合ったことがない
(他社だと、包装が破れていたりしたことが結構ある)。
ローソンに恨みはないが、これからも私は、ローソン以外のコンビニからクロネコヤマトの宅急便を利用するだろう。
さて、本日のワインは、久々のロワール。
実は、私の葡萄酒生活の原点は、ここにあると言っても過言ではないPouilly Fume。
当サイト中、我如何にして葡萄酒狂徒と成りし乎というページに書いてあるのだが、
私の葡萄酒生活は、若かりし頃、まだワインを何もわからずに買ったPouilly Fumeに感激したことからヒートアップしたのである。
そういう存在。
今回のものは、大阪・阪神百貨店の売場で試飲をし、納得しての入手。
ほんのりグリーンがかった色。香りはソーヴィニヨン特有の草原のようなハーブ香。
まるで草の息吹を感じるような。そしてその奥に、マスカットのような丸っこい果実香。
酸が強く、ミネラル分も豊か。下世話な言い方をすれば、薄めたレモン果汁に塩を加えたような。
そして、口の中に草原が広がるような清々しさ。
ふくよかな味わいがあるのに、甘味はなく、飲み込んだ後はほろっと酸が消えてゆく。なのにハーブ香はきっちり残る。
後処理がいいのは、良いワインの条件だ。
入手価格は\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。試飲をした瞬間、「お買得」と思って購入。
ふつうこのAOCでこの程度の値段だと、多くの期待はできないものだけれど。
<評定:B>
2004年8月29日 ROUGE
ALMAVIVA 2000 / VINA ALMAVIVA S.A.
アルマヴィーヴァ / アルマヴィーヴァ
チリ
合併という形態そのものが、まやかしだったなんて。
再三取り上げている球団合併問題を、今日は手短に。
ファンの声を無視し、オリックス球団との合併に踏み切った近鉄球団は、
合併3年後をめどに球団経営から撤退することを検討しているらしい。
新球団への出資比率はオリックス:近鉄=80:20だが、新球団が根付いた時点で、
近鉄出資分の譲渡を考えるという。
これを聞いて、怒らないファンはいないだろう。いずれ撤退する気なら、なぜ身売りをしないのだ。
合併は一時しのぎのまやかしであって、最初から球団消滅が目的だったと言うしかない。なんとファンを、
そして選手を愚弄した話か。
こんな汚いやり方を、プロ野球ファンは決して許さない。
さて、週末の超スペシャル。
一度は飲んでみたいと思っていた。いや、ロマネ・コンティとかペトリュスとかルパンみたいに、
普通の庶民には手が出ない、という値段ではない。十分に手の届く金額である。
だが、一部の人たちに言わせれば、たかがチリワインである。私は決して「たかが」なんて思っていないが、
同じ金額を払うのなら、普通のワイン好きなら、ちょっと良さげなボルドーかブルゴーニュを買うだろう。
そういう位置づけにならざるを得ない。
ハーフボトルだが、早めに抜栓したほうがいいかな?とか思いつつ、いや、開けた直後の荒々しさから堪能して、
変化を楽しもうということになった。抜栓直後、恭しくグラスへ。
くっ、くぉいーっ(=濃い)。まるでどろっとしているかのように粘性のある液体。
むせかえるようなアルコール感。まず最初の香りは、甘苦い漢方薬。グラスを回すと、腐葉土とチョコレート、
それにエスプレッソ的な焦げ臭。
口に含むと度数が高いせいか、ぴりっとした刺激が。粉っぽく荒々しい感は否めない。
ところが、時間を置くと、どんどん表情を変えてくる。チョコの甘さが強くなり、
荒々しかったタンニンは少し丸くなり、のどを刺す刺激は後ろへ引っ込んだ。
それに、なめし革のような感じも出て来た。粉っぽい後味が残り、ミルキーさも強くなった。
セパージュは、カベルネソーヴィニヨン、カルメネール、カベルネフラン。
この2000年は、それほど良いヴィンテージではないらしい。それだけに、今飲んでも十分楽しめるということなのだろう。
Baron Philippe de Rothschildと、Concha y Toroのジョイントベンチャーである。
メドックの英知と、チリのテロワールが生んだ逸品。パワフルすぎて苦手という人も少なくないみたいだが、
私にはちょうどヒットした。そもそもこのヴィンテージは、おとなしいほうなのだろう。
入手価格は、ハーフボトルで\3,675(本体価格3,500円+消費税175円)。フルボトル換算で7,000円だ。
なぜ購入に踏み切ったかと言えば、Enotecaポイントカードでポイントがたまり、5,000円getしたから。
つまり、タダで戴いたようなもの。エノテカさん、ありがとう!!
ある意味、ボルドーのグランヴァンを飲むよりも、リッチな体験といえる。しかし、冷静に値段を考えれば、
とびきり上等とも言い難い。でも、この内容のワインがチリで生み出された、そのテクノロジーや
情熱を思うと、感激せずにはいられない。1万円と言われたって、びっくりはしないかも!?
ぐいぐい飲み干してしまいそうだが、2日目以降の変化を見たいので、残しておこう。
<評定:B>
■翌日記■
1日経った状況では、香りは不思議なことに若返ったような印象で、インクみたいな匂いが支配的になっている。
グラスを回せば、土っぽさが出てくるが。
味わいは丸さが増し、甘味も強くなった。その分刺激は若干弱くなった。漢方薬っぽさは強くなった。
でも全然へこたれてなくて、偉大なワインであることに変わりはない。
2004年8月31日 ROUGE
CHATEAU L'ENCLOS 1997 / POMEROL
シャトー・ランクロ / ポムロール
BORDEAUX地方、POMEROL地区、AC:POMEROL
長いものに巻かれるな。
民主党の代表選で、岡田代表が結局、無投票で再選を決めた。
今回の代表選では、小沢代表代行や鳩山元代表が推薦人に加わらなかったことで、党内部の不協和音を露呈した形になった。
政権を目指す党としてはいささか心もとないが、言ってみれば元々寄せ集めの党である。
くだらない派閥闘争などに陥らない限り、異なる意見が並立すること自体は悪いことではないと思う。
むしろ「党一丸となって」という姿勢よりは健全である。
しかし、気にかかることが一つある。それは、岡田代表の、例のアメリカでの発言である。
「ゆくゆくは憲法を改正して、海外での武力行使ができるようにしたい」という意思表明だ。
私は、この意見には絶対に賛同しない。国連安保理の常任理事国入りをにらんでの発言なのだろうが、
アメリカのご機嫌伺いでは、小泉首相と何ら変わるところがないではないか。
野党は何でも反対してればいいってもんじゃない、などと首相はよく言うが、
私は、基本的に野党は「何でも反対」の立場を貫けばいいと思っている。
2大政党制になればなおさらだ。
私が最も危惧するのは、大政翼賛的な政治状況に陥ることだ。
岡田代表は、小泉首相にケンカを売る立場を堅持しない限り、存在意義はないことを自覚すべきだ。
本日登場は、ラベル不良のサービス品。ポムロール。ハーフボトル。
ややレンガが入り、いい色に枯れた液体。黒ベリーやなめし革の香り。ふところが深そう。
酸は丸く、タンニンはシルクのようになめらか。押しの強さはなく、ひたすら柔らかい。
ポムロールの良さがよくわかるって感じかな。別にポムロールを知り尽くしてるわけではないけれども・・。
入手価格はハーフで\945(本体価格900円+消費税45円)。成城石井梅田店にて。
本来の値段は1,300円程度であるらしい。つまりフルボトル換算で2,600円くらい。
それを前提に考えても、値段以上の価値アリ。
<評定:B>