利酒日記 kikizakenikki

2005年11月


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2005年11月2日  BLANC 
ALSACE ZELLENBERG RIESLING 2002 / MARC TEMPE
アルザス ツェレンベルク・リースリング / マルク・テンペ
ALSACE地方、AC:ALSACE

Marc Tempe Alsace Riesling 02  コンピュータほどあてにならないものはない。

 昨日、東京証券取引所のシステムがダウンし、午後1時半まで取引停止となった。原因は、システムを増強した際のソフトに欠陥があった とのことらしい。
 東証では、この事故の第一義的な責任は東証にあるとして、社長を初めとする役員の処分を決定した。ソフトを作成した富士通へ損害賠償請求をするか否かについては、 トラブル原因の調査結果を待って決定するとのことである。
 人間のやることにはミスはつきものである。コンピュータというハードも、それを動かすソフトも、すべて人間の作るものだ。 だからといって、ミスを許容すればいいといった単純な話ではない。東証は、ニューヨークに次ぐ、世界第2位の取引市場である。 コンピュータを過度に信頼することによって成り立っているしくみは、極めて危険だということを、認識しなくてはならない。
 まったく次元の違う話だが、今や個人でもパソコンで情報管理するのが当たり前になり、 IT企業の社員でなくとも、一日のうちにパソコンをさわる時間は増えていると思う。私も、仕事やサイトの更新などで、 毎日平均5〜6時間、少なくとも2時間程度はPCを使っている。だからこそ、PCというものを基本的に信じていない。 PCほど、不完全なまま製品化されている商品はないと思う。使いこなすためにある程度の訓練や慣れが必要だという時点で、 既に冷蔵庫やTVなどの家電より劣っている。
 また、PCを使えば使うほど、紙の大切さがわかる。だから私はスケジュール管理にPDAなどは使わず、手帳は今でも手書きのシステム手帳だ。
 IT化が進展したこの時代こそ、手書きの大切さ、膝を詰めて話し合うことの大切さ、肌と肌のふれあいの大切さを、 再認識すべきなのだ。

 さて、本題。今日のチョイスは、久々のリースリング。久々のアルザスワイン。
 色はしっかりした黄色。淡い黄金色と言ってもいい。深く、輝きがある。
 香りを嗅いだ第一印象で、「あっ、これはリースリング以外にはありえない」 と思わせる、鉱物臭というか、思い切り石油の匂い。ただ、その香りは、たっぷりとした果実味の裏付けがあってのこと。決して無機質ではない。
 酸のアタックは極めて鋭く、レモン果汁のような収斂性がある。それとともに、ジッポ・オイルのようなマシナリーな香り。
 リースリングというと、どうしても甘いニュアンスを想像してしまいがちだが、 このワインは甘味の片鱗をも見せない、正統派アルザスの味わい(口に含んでいる間だけは、ふんわりと甘い雰囲気がある)。品種の特徴が良く出ていて、 なおかつ品がとてもいい。文句ない味わい。
 入手価格\1,854(本体価格1,800円+消費税54円)。大丸百貨店梅田店で開かれていた「大ワイン祭」にて入手。
 この値段にしては信じられないほどの内容。素直に大絶賛。リースリングにここまで感動したことは、 これまでなかったと言っていい。
<評定:A+>

 さて、ここからは番外編。

名古屋正宗 名古屋正宗  当サイトにご訪問くださる方から、時折聞かれることとして、 「ウイスキーとか日本酒は取り上げないのですか?」というものがある。
 当サイトの守備範囲は、ワインのほか、ビール、発泡酒、缶チューハイ、缶カクテルくらいまでであり、 それ以外の酒類については、基本的に掲載していない。だが、私がそれ以外をまったく飲まないというわけではない。 多品目を網羅できないと思われるお酒は掲載対象としていないだけである。だいたい、日本酒やウイスキーまで網羅しようと思ったら、 私の肝臓がもたないだろう。
 先日、愛知万博記念グッズをネットで色々と物色していたとき、 「モリゾー&キッコロのお酒」というのを見つけた。その名も「名古屋正宗」という清酒で、 愛・地球博のライセンス商品である。
 せっかくなので、感想を書いておこうと思った次第。日本酒をどのように評したらいいか、勉強していないので、皆さんの参考になるかは分からないが。
 色は透明度が高い。ふっくらとした麹の香り。くせは弱い。
 口に含むと、さらっと柔らかな飲み口とともに、適度な甘味が広がる。辛口ではないが、あっさりと飲みやすい。 私は普段、自宅で日本酒を飲むことはほとんどないのだが、外で地酒などを飲むときには、 極辛口を好んで注文する。だから、こういう柔らかなタイプには慣れていないが、これは万人に飲みやすい嫌われないキャラクターだなと思う。
 特別純米酒。原料米:愛知県産若水100%。精米歩合:60%以下。日本酒度+1.0。酸度1.6。
 特別純米酒とは、純米酒(醸造アルコールや糖類を一切加えない米だけの酒)の中でも精米歩合が基本的に60%以下のもの。 また日本酒度とは、よく知られるように甘辛度のことで、プラスが大きくなるほど辛口、マイナスが大きくなるほど甘口である。 この製品の+1は、どちらでもないいわば中口である。
 イベント関連商品としては、結構ちゃんとした内容だな、というのが率直な感想。



2005年11月4日  ROUGE 
CHATEAU DURFORT-VIVENS 1997 (GRAND CRU CLASSE) / MARGAUX
シャトー・デュルフォール・ヴィヴァン(グラン・クリュ・クラッセ / 第2級)/ マルゴー
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、MARGAUX村、AC:MARGAUX

Ch.Durfort-Vivens 97  景気回復なんかしていない。

 金融広報中央委員会が2日に発表した「家計の金融資産に関する世論調査」で、 貯蓄がゼロと答えた世帯(2人以上世帯)が前年比0.7%増の22.8%と、記録が残る63年以降で最高になったらしい。
 単身世帯では、前年比6.0%増の41.1%で、これを加えた全世帯での無貯蓄比率は、前年比0.9%増の23.8%であったという。
 単身世帯の4割以上という数値もすごいが、全世帯の4分の1近くが貯蓄ゼロという数値は、 いかに現在、庶民の生活が苦しいかがわかる。
 統計数値というものは、どのように使われ、どのように報道されるかによって、 まったく反対の印象を作り上げることができる。
 ちなみに、同調査によると、一世帯の平均貯蓄額は前年に比べ6.2%増加し、 1,085万円であったという。ここだけをクローズアップすれば、日本の平均的世帯は、約1,000万円強の貯蓄を保有し、 しかも昨年から6%以上増えている。「着実に景気は回復している」と、バラ色の書き方さえできる。 この数字のからくりは、もちろん一部の高額所得層が、貯蓄を大幅に増やしているためであることは、ちょっと考えればわかるだろう。
 最近、政府などがしきりに「景気回復」を吹聴しているが、そのような大本営発表にだまされてはいけない。 庶民の生活は楽になるどころか、ますます困窮しているのが実態だろう。二極化はますます進行しているのである。 二極化と言っても、いわゆる勝ち組(ホントに嫌な言葉だ!)は1割かそれに満たない人たちで、その他大勢は、 今後、下層階級と言ってもいい状況に陥るだろう。

 先日乗ったTAXIで、運転手さんに話を聞いたら、「景気なんか全然良くなっていない」と言っていた。 企業は一度経費削減すると、たとえ業績が回復しても、昔みたいにTAXIチケットを多用するようにはならない。 経費を削って、人まで削って、それで業績回復だなんてうそぶいている。 首切りを断行した社長が絶賛され、しかもそういう形での経済再建を「痛み」 などといって平気で庶民に押しつける政治を、当の庶民が支持するに至っては、もう狂気の沙汰としか言いようがない。
 そうやって、下々の労働者にはお金が回らないしくみが、 既にできあがっているのである。地方に行けば行くほど、状況は深刻なようである。
 現政権が標榜する「小さな政府」とは、よく言えば経済の効率性を重視することだが、 効率性重視とは、自己責任の徹底という一見きれいに聞こえる方針によって、福祉負担などを減らし、 弱者を見殺しにする政策である。成立した障害者自立支援法(=実態は、障害者見殺し法)などは、その最たるものである。
 小さな政府=税金の無駄遣いを排除する政府、だなんてバカな理解をしている人は、 考えを改めるべきである。 現政権になってから歳出が減るどころか、赤字がどんどん累積し、国債発行縮小の公約も平気で反故にしている。 小さな政府にすれば国民に還元されるなどと考えるのは、どうしようもないお人好しである。
 既に特権階級である政治家が、自分たちに都合のよい国に作り替えようとしているのである。 そのために弱者を平気で踏みにじろうとしているのである。法人には増税せず、低所得者層を狙い打ちして増税するのは、 財界にいい顔をしなければならない「ご事情」が政治家にはあるからだ。 物言わぬ愚かな庶民なんて、歯牙にも掛けられていないのだ。しかも、選挙に勝った瞬間に「増税は国民にも理解されている」 なんて平気で言ってのけた谷垣某が次期総裁候補の一角だなんて。
 こんなバカげた政治を許しておいて、本当にいいのか。

 さて、本日登場は、メドックの格付もの。
 普通の日に開けるようなものか?とも思うが、 値段的には安ワインの部類に属する。
 まず色はしっかりしたガーネット色で、縁はまだピンクがかっている。若いのか?
 香りは皮革、コショウ、梅などを感じる。味にも梅みたいな酸があり、ボディはスリム。 タンニンもやわらかく、余韻はそれほど長くはない。
 ハーフボトルで入手価格は\1,564(本体価格1,490円+消費税74円)。フルボトル換算で約3,000円。成城石井阪急三番街店にて。
 同店では97年ボルドーをたくさん扱っているが、オフヴィンテージは手軽に高級ワインを楽しめるから、それなりに価値がある。 しかし、このワインは単に97だからといって片付けられるようなものでもないと思う。 曲がりなりにもメドック格付第2級だ。それにふさわしい内容とは、とても言えない。
 まあ、既にして格付にそぐわない価格がついているわけだから、値段は正直である。 この値段なら、それほど損な感じもないわけだが。
<評定:C−>



2005年11月6日  ROSE 
LE ROSE DE GISCOURS 2004 / BORDEAUX
ル・ロゼ・ド・ジスクール / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX

 掛け値なく愛する気持ち。

 阪神タイガース2005年セ・リーグ優勝パレードが、11月6日午前10時過ぎより、大阪市役所前(淀屋橋)から 長堀通(心斎橋)までの約2kmにわたって行われた。あいにくの雨にもかかわらず、約18万人が沿道を埋め尽くした。
 私たち家族は、出発前のセレモニーが行われた市役所前で、人混みの中、傘もさせないような状態で、必死に背伸びをし、 姿の見えない岡田監督の挨拶を聞いた。そして、3台のフロートがゆっくり通り過ぎるのを見守った。
 2年前と同じ雨。日本一になったら、きっと晴れてくれる。そう話す監督の言葉に、我々ファンも「来年こそは」の思いを強くした。

Tigers Victory Parade 2005 Tigers Victory Parade 2005

 村上ファンドによる阪神電鉄株買収劇によって、タイガースは今、上場問題に揺れている。 上場されれば資金調達がスムーズになるし、経営上のメリットもあるとして、ファンの中からも一部好意的な意見が聞かれる。 球団経営も、もう古き良き時代のやり方では限界があるということだろうか。
 しかし、やはり私は上場には反対だ。株を上場するということは、とりもなおさず、企業として「市場の論理」の荒波の中に、 自ら身を投げるということである。ホリエモンの言葉を借りるまでもなく、「買収されたくなかったら上場するな」である。
 球団株に魅力を感じて投資をする人たちの目的は、単に金儲け、それだけである。 チームの成績が低迷し、株価も低迷したら、投資家は見向きもしなくなるだろう。
「タマゴが先かニワトリが先か」考えてみればよい。市場の論理が働き、お金が集めやすくなって、年俸をはずむことができるから、 チームが強くなるんだろうか。それは絶対に違う。金満球団・読売のていたらくを見れば、明らかだろう。
 大した年俸が払えなくても、金の力で大型選手を集められなくても、 辛抱強く若手を育て、どんどん強くなっているのが、今のタイガースではないのか。強くなれば、集客数も上がり、 黒字経営ができる。良い選手も獲得できるようになる。
 そしてチームにとって必要なのは、株で儲かるから応援するような似非ファンではなくて、 わざわざ自腹を切って電車で駆けつけ、今日のような雨の中、必死に選手に声援を贈る純粋なファンのほうに決まっているではないか。
 株で儲けたい輩は、こんな無償の愛を、選手たちに向けることはない。そんな連中に、球団経営を支えてなんか欲しくない。

Le Rose de Giscours 04  さて、今日のワインは、久々ロゼ。メドック3級格付Ch.ジスクールが造るACボルドー・ロゼだ。

 色はかなり暗く、ざくろ的。香りは、ドライトマトに、少しメロンのような感じもあり、山羊乳のチーズみたいな匂いも。
 酸は弱く、ほんのりと甘く、キリッとした苦味がある。深みはないが、さりとて爽やかさもなくて、 中途半端な味わい。
 入手価格\2,415(本体価格2,300円+消費税115円)。Wine Shop ENOTECA大阪店にて。
 看板に期待して飲んだら、少々がっかりするかもしれない。まあ、値段も値段だけれども。
 そもそもロゼに期待するものとは何だろう。 例えば、アンジュのように甘く可愛らしい飲み口か。 タヴェルのようにかなり赤に近い充実度か。このワインは、そのどちらでもないから拍子抜けしたのだが、 普段の食事に合わせるのなら、こういったタイプのほうがいいのかもしれない。
<評定:C−>



2005年11月9日  ROUGE 
CHATEAU HAUT-BAGES AVEROUS 1997 / PAUILLAC
シャトー・オー・バージュ・アヴルー / ポイヤック
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、PAUILLAC村、AC:PAUILLAC

Ch.Haut-Bages Averous 97  無意味な色分けは、止めよう。

 若手お笑い芸人がブラウン管を賑わすようになって久しい。私もご多分に漏れず、エンタの神様(日テレ系)とか、 笑いの金メダル(テレ朝系)などは、ビデオに撮って毎週見ている(その時間に帰宅できないことも多いので、HDレコーダーに撮って、深夜に見るのだ)。
 現在のお笑いブームのさきがけとなったのは、以前CX系で放送されていたタモリのボキャブラ天国だが、 その頃から私は、爆笑問題の2人が好きだった。頭の回転が速いことや、 世相に対する真面目な発言が多く、リベラルな思想の持ち主であることが伺えるからだ。

 この間の日曜、CX系で放送の「スタメン」という報道バラエティ番組で、 女子高生が母親毒殺を企てた容疑で逮捕された事件を取り上げていた。
 詳しいことは忘れたが、確か犯罪心理学の専門の先生が、 こういう事件に至る心理的背景みたいなものを解説していた。そこで、司会の一人である爆笑問題・太田光氏が、 「こういう事件が起こると、この子はこんな性格だったからとか、ゲームが悪いとか、 ネットが絡んでいるとネットやブログが悪いとか、 色々分析する人が出てくるけれど、意味がないから止めろと言いたい」 (ゲストに先生を呼んでおいて、随分過激な発言だが・・)
「不可解な事件に対して、そうやって無理やり理由を見つけて納得したいだけじゃないのか。 それでは何の問題の解決にもならない。地球上では常に殺し合いが行われていて、 例えばイラクの殺し合いを、日本はまったく止めようとはしていないでしょ? 大人がそうやって人殺しをしてるのに、子供に人殺しはダメだと言ったって、まったく説得力なんかない。 殺人事件のもっともらしい原因を探って、何かに責任を押しつけようとしても、何の意味もない」 という主旨の発言をした。
 これに対して、専門の先生は、「実は、時間がたっぷりあったら、私はまさにそういう話がしたかった」 みたいな返答をしていた。(何だかなあ・・・)
 人間を白と黒に分け「こういうタイプが犯罪者」と、ステレオタイプな分類をしてみせることほど、 無意味なことはない。結局そうやって、皆「自分は犯罪者の側ではない」ということを証明したくて、躍起になっている。
 犯罪を犯す心理は、誰の心の中にもある。その事実を認めない限り、議論は進まないはずだ。自分だけは聖人君子なんて思うこと自体が、 既にして犯罪的である。そういうことをあっさり言ってのけた太田光は、やっぱりすごい。

 閑話休題。

 本日登場は、メドック5級格付Ch.ランシュ・バージュのセカンドワイン。
 やや透過性のあるガーネット色で、エッジは少しオレンジ色に傾きかけている。
 香りは、杉の葉のような深緑のイメージ。どっしりと落ち着いていて、玉露のような感じもある。 樽香はあまりない。
 アタックは柔らかく、なめらかな飲み口。酸はしっかりあるが、突出していない。 タンニンは丁度良い具合にこなれている。芯は強くなく、軽やかに飲み進められる。
 入手価格は、ハーフボトルで\1,689(本体価格1,609円+消費税80円)。フルボトル換算で約3,400円。成城石井阪急三番街店にて。
 さすがにポイヤックらしい気品に満ちている。ただ、97ヴィンテージということも大いに関係あるとは思うが、 パワーがないので、普段の食事にも十分合わせられる。若干贅沢ではあるけれど。
 常連訪問者の皆さんは既にお気づきと思うが、最近私は、ワインの消費本数を減らして、その代わり 1本のクオリティを上げようという方針に傾きつつある。決して安ワインが飲めなくなった、なんて言うつもりはないけれど、 ビールや缶チューハイも毎日飲んでいる身としては、がぶ飲みスタイルよりは、 良いものを少しというスタンスのほうがよいのではないか、と思い始めている。 いや、べつに安いものを少しでもいいのだけれど、それだとなんか淋しいし。まあ、今後また方針転換があるかもしれない。
<評定:B>



2005年11月12日  BLANC 
CHATEAU MERCIAN 甲州小樽仕込み 2004 / メルシャン勝沼ワイナリー
シャトー・メルシャン 甲州小樽仕込み
山梨県東山梨郡勝沼町(ぶどう産地:山梨県笛吹市御坂町、韮崎市穂坂町)

Ch.Mercian 甲州小樽仕込み 04  杉村太蔵に何が聞きたいのか、それを聞きたい。

 人気絶頂の衆議院議員タイゾーくんが、「杉村太蔵が聞きたいっ!」という若者向けの集会を開き、大盛況だったようだが、 同じ自民党の先輩議員たちからも、冷ややかな視線が送られているようだ。
 若い自分にはニートやフリーターの気持ちがわかるとして、 若者と積極的に触れあおうとしている姿勢は、身の程をわきまえていて好印象だが、 発言を聞いてるとやっぱり青臭くて、人に人生観を説くなんて20年早いぞ、と思う。
「フリーターも議員も紙一重なんです」という発言は、偶然議員になれてしまった自分の実感なのかもしれないが、 だからといって、誰しも一発逆転の可能性があるというのは、無責任すぎる発言である。
 彼が今回議員になれたのは、色んな偶然が重なった奇跡みたいなもので、同じような成功を誰でも収められるわけでは決してない。 むしろ世の中というのは、誠心誠意頑張っても、頑張っても、成功できない人のほうが、圧倒的に多いのだ。その厳然たる事実をこそ、 若者には認識してもらう必要がある。
「皆さんの夢はなんですか?」などと、キラキラした目で問われても、 そもそも今の若者は、その夢とか、自分のやりたいことってやつを、見つけられないで苦しんでいるのだ。
 夢を持てるような世の中を作るのが、そもそも政治家の仕事なのてある。 初めて買った宝くじが当たっちゃった、みたいな若造に、「夢を持ち続ければ成功できる」みたいな寝言を聞かされても、 何の足しにもならない。
 集会に集まった若者たちが、「面白そうだから、ラッキーなお調子者の顔でも見に行くか」 くらいの健全な動機だったことを祈るばかりだ。

 さて、本日登場は、先日も飲んだ甲州種。
 色は極めて薄く、日本酒程度。樽を使っているだけあって、 クリーミーなバニラ香がある。それでも線は意外に細く、白い花のような可憐なイメージが強い。
 味はクリーミーな甘味と、フレッシュな酸がちょうどいいバランス。 若いから熟成感はもちろんないが、不思議に味に奥行きがある。
 入手価格は\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。 ネットで飛騨の酒屋いまいから購入。
 はっきり言って甲州種に大きな期待など全然持っていなかったのだが、 このワインはシャルドネだと言われたら信じてしまいそうなくらいに、ふくよかだ。なかなかすごい。 もうちょっと値段が安いと、なお良いんだけど。
<評定:C>



2005年11月17日  ROUGE 
BEAUJOLAIS-VILLAGES NOUVEAU 2005 / PAUL BEAUDET
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー / パウル・ボーデ
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:BEAUJOLAIS-VILLAGES

Beaujolais Villages Nouveau 05 P.Beaudet  行き過ぎると、それはもはや実力主義社会とは呼べない。

 ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手が、4年間で約62億円の条件で契約更改したという。 1年あたりで、約15億円以上ということになる。
 アメリカは実力主義が徹底した社会だということになっているが、 果たしてこれが本当に望ましい実力主義社会の姿なのだろうか。
 松井選手が、並はずれた逸材であることは、疑いのないところである。私も、一野球ファンとして、 彼の活躍はたいへん喜ばしく思うところである。だが、年間15億という数字は、 実力を真っ当に評価する域を超えているのではないか。
 日本の一般的なサラリーマンの生涯賃金が約3億とすれば、松井選手は、普通の人の一生分の5倍を、 1年間で稼いでいる計算になる。
 いくらたぐい稀な逸材だからといって、大人5人が一生かけてようやく稼ぎ出せる金額を、たった1年で受け取れるというのは、 尋常ではない。本人にしてみれば、「評価されてうれしい」と言うことなのだろうが、 もうこうなると60億だろうが、50億だろうが、100億だろうが、実感のない数字だけの世界で、 それが正当な実力評価とは言えないと思う。 真っ当な評価と言うよりは、球団がその選手にどれだけ「去って欲しくないか」の指標みたいなものなのだろう。
 例えば年間15億を3分の1の5億にしても、莫大な年俸であることに変わりはない。 その差額の10億で、いったいどれだけのホームレスを救うことができるだろうか。「頑張らないヤツは見捨ててもいい」というのが 米国型実力主義なのだろうが、頑張る機会すら与えていない社会の責任は、いったい誰がとるのだろうか。
 日本も今、米国型社会への道をひた走っているが、一部の逸材への給料は青天井で、 その他大勢は、「実力がないんだから捨てられても仕方ない」なんて横暴がまかり通るとしたら、 恐ろしく寒々しい世の中になる。私は、そんな社会はまっぴらご免である。

 さて、本題へ。
 今年最初に開けるヌーヴォーは、これ。
 関西きっての高級スーパーである「いかりスーパー」が輸入し、 自らの名をラベルに冠しているヴィラージュだ。

 まず、色が深いのに驚く。かすかに青みがかってはいるものの、完全に赤ワインの色である。
 香りもどっしりと落ち着いており、よく言われる「蒸しバナナ」ではなく、「ふかし芋」の匂いが。 言ってみれば、芋焼酎にすら似ている。グラスを回すと、ようやく花の香りが立ち上るものの、 色の系統で言えば、紫。
 味のほうも、酸のアタックがしっかりとあり、タンニンも十分に感じられ、充実度は抜群。 反面、華やかさのようなものはない。新酒らしいピチピチ感には乏しく、じっくりと味わいたいタイプ。
 ハーフボトルで、入手価格\1,390(本体価格1,324円+消費税66円)。フルボトル換算で約2,800円。いかりスーパーJR大阪店にて購入。
 飛行機代の乗った「ヌーヴォー基準」で言えば、まったく不足はない。もちろん、ヌーヴォーでなければ、フルボトル換算1,000円は安くして欲しいところだが。
<評定:B>



2005年11月20日  ROUGE 
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2005 / CORDIER
ボージョレ・ヌーヴォー / コーディア
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:BEAUJOLAIS

Beaujolais Nouveau 05 Cordier  今ごろ合成肉を暴いて何の意味が・・。

 大手ステーキレストラン・チェーンで、合成肉をステーキと偽って販売されていたと、問題になった。
 皆さんよくご存知のチェーン店。しかし、何もここに限った話ではなく、 他店でもいわゆる合成プレス肉がかなり以前から使われていたはずだが、 私はてっきり「周知の常識」かと思っていた。
 私は独身の頃よく、知人たちと「合成圧縮肉でも食いに行くか」といって、安いステーキを食べに行っていた。 フォークで引っ張ると容易に引きちぎれるので、くず肉の機械プレスであることは、すぐにわかる。 だからこんな話、常識かと思っていたのだ。今さら問題になるなんて、何だか不思議だ。
 今回の報道で分かったことは、合成肉はその旨表示する義務があるのにステーキと偽って販売したことがまずかったというのだが、 びっくりしたのは、合成肉とさえ表示すれば、産地表示義務はないという点だ。
 折しも米国産牛肉の輸入再開決定の方向たが、消費者自身のリスク管理として、 米国産は米国産と、はっきり表示してもらわなくては困る。合成肉に米国産が混入していてもそれを知る術がないとしたら、 そのほうがよほど問題である。
 BSEは人間に感染すると、潜伏期間が長い。輸入再開を推進する政治家のセンセイ方は、 「問題発覚する頃には、もう自分はこの世にいないもんね!」とでも考えておいでなんだろう。 「押しつけ憲法を変えろ」と息巻いている自民党の皆さんが、進んでアメリカのポチになろうとしている様が、いかにも滑稽である。 だが、滑稽で事は済まされない。人の命が懸かっている。

 さて、今日は今年の新酒の2本目を開ける。エチケットがおよそヌーヴォーらしくないコーディアのもの。
 色は確かに青みが強いが、かなり濃い。イタリアのサンジョヴェーゼかと、見紛うくらい。 香りに華やかさはあまりなく、ほっこりと丸い感じ。
 味も濃い。酸のアタックが強く、タンニン分もしっかりとし、確かに新酒らしいフレッシュさはそこそこ感じるものの、 後味がキュッと締まり、かなり重い印象。
 ハーフボトルで入手価格は\1,554(本体価格1,480円+消費税74円)。フルボトル換算で約3,100円。阪神百貨店にて購入。
 今年のヌーヴォーはホントにしっかり赤ワインだ。普通のヌーヴォーが例年のヴィラージュと同じか、もっと充実感があるくらい。 前評判に違わぬ良年だ。ただ、ヌーヴォーの真骨頂であるフレッシュ感は十分でないので、好みは分かれるだろう。
 ところでこの造り手の名前、コーディアと英語読みするのが普通みたいだが、フランス語読みするならば、コルディエだろう。
<評定:B>



2005年11月22日  ROUGE 
CHATEAU CLERC MILON 1997 (GRAND CRU CLASSE) / PAUILLAC
シャトー・クレール・ミロン(グラン・クリュ・クラッセ/第5級)/ ポイヤック
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、PAUILLAC村、AC:PAUILLAC

Ch.Clerc Milon 97  いい夫婦の日、だそうです。

 11月22日は、語呂合わせで「いい夫婦の日」だとか。 いい夫婦の日って、いったいどんな業界が、何を目的とした日なんだろうか。 たとえばバレンタイン・デーならば、チョコレート業界が販売促進のために普及させたというのは有名な話だけれども、 今日は夫婦で酒を飲めということなのか、家で食事をしろということなのか・・。
 私は基本的に毎日自宅で夕食を食べる(飲み会などのある日を除く)ので、「今日こそは家で食事を」 なんて気負うこともない。だから我が家は、夫婦で一緒にいる時間は、かなり長いと思う。休日も家族で行動することが極めて多いし。 とりたてて夫婦の日だなんて、騒ぎ立てる気にはならない。
 で、とにもかくにもググってみたら、「いい夫婦の日」の発端は、 昭和63年に(財)余暇開発センターが、 夫婦で余暇を楽しむゆとりのあるライフスタイルを提案したことにともない制定されたものだという (fufu1122.comをご参照)。 特定の業界が販売促進を企んだものではないようだが、やはり根底には、クリスマスや年末年始の商戦まで間があるこの時期に、 お金を使ってもらおうという狙いがあるみたいだ。
 どんなきっかけであれ、皆にお金を使ってもらうことが、景気にとってはプラスになるから、 こういったこじつけみたいな記念日でも、大いにマスコミに宣伝してもらうのは良いことだろう。

 さて、本題。
 夫婦の日なので、ちょっと良いワインを開けましょう。

 色はかなり深いガーネットで、エッジはかなり茶色に傾いている。 皮革や黒い果実や墨汁のほか、梅のような酸っぱそうな香りも。かなり複雑みはある。
 口に含むと意外にも酸がきいていて、シャープ。ふんわりとした甘味が適度にある。 若干アニマリーな余韻が続き、なめらかかつ深みのある味わい。
 ハーフボトルで入手価格\2,824(本体価格2,690円+消費税134円)。フルボトル換算で約5,600円。 成城石井阪急三番街店にて入手。
 値段もそこそこ立派だが、内容もそれに伴っている。 柔らかな中にもじんわりとした滋味があって、さすがに良いワインだなあと実感した。
<評定:C>



2005年11月23日  BLANC 
LANGHE ARNEIS (D.O.C.) 2003 / GEMMA
ランゲ・アルネイス / ジェンマ
イタリア、PIEMONTE州

Gemma Langhe Arneis 03  情理を尽くしてください。

 昨日、自民党が、結党50周年記念の大会を開いた。
「立党五十年宣言」なるものを発表したらしいのだが、その内容は、気負いすぎというか、 はっきり言って「いい気なもんだ」と言いたくなる。
 特に、「我々は国民の負託に応え、情理を尽くして幾多の問題を克服し・・・」というくだり。 朝日新聞の天声人語でも指摘していたが、今の自民党が「情理を尽くして」いるかどうか。 まったく正反対だろう。
 人の情など一切無視し、理屈もへったくれもなく、独裁者の一存で事が進められる。 たまたま今は、そういった横暴な手合いが絶賛されるような風潮に、国全体が巻き込まれているように、 私には見えるのだが、こんなに自由な言論が抑圧されるような世の中が長くは続かないはずだ。そう信じたい。
 私のこのような発言に、「おおげさだ」と言う人はとても多いだろう。だが、 「改革」というスローガンに少しでも反対するような意見を述べれば、「非国民」のレッテルを貼られかねない世の中というのは、 ある意味戦前と一緒である。私はそういった単細胞どもを「改革バカ」と呼んでいるのだが。
 大会で選手宣誓みたいなことをさせられていた、人寄せパンダ・タイゾーくんも、 改革バカの代表に選ばれて、さぞやお幸せなことでしょうな。

 閑話休題。
 今日のワインは、久々のイタリア白。アルネイスという品種。
 色は淡いイエロー。香りは、どこかで嗅いだことがあるなあ、と思わせる、 蜜の多い黄色い花のような、華やかで甘い雰囲気。南仏だろうか、ニューワールドだろうか。そんな充実感がある。
 口に含んだ最初の印象も、ねっとりとしたアルコール感にあふれ、クリームみたいな甘さがある。 その分、フレッシュ感には乏しい。ムスクのような妖艶なフレーバーも。
 骨格がしっかりしていて、華やか。ただ、後味は若干だらっとしている。
 入手価格は\1,789(本体価格1,704円+消費税85円)。成城石井阪急三番街店にて購入。
 イタリアの白に感動したことって、悲しいことに、ほとんどない。お金を出さないからだ、と言われてしまえばそれまでだが、 このワインはそれなりに楽しませてもらった。しかし、感動したか?と言われれば、否。
 面白いキャラクターであるし、何よりグリーン一色で統一されたボトルデザインが、涼しげでおしゃれ。 見た目で買ったという点も否めないが、まあ、こんなものでしょう、ということで。
<評定:D>



2005年11月26日  BLANC 
STABLES SAUVIGNON BLANC 2004 / NGATARAWA
ステイブルズ ソーヴィニヨン・ブラン / ナタラワ
ニュージーランド、HAWKES BAY

Stables Sauvignon Blanc 04  何でも民間に任せればいいというものではない。

 一級建築士による構造計算書偽造問題が、メディアを賑わしている。 渦中の人物が連日TVに登場して色んな弁明をしたりして、全体像はいまだにわからない。
 もちろん違法な偽造をした行為そのものが、最も責められてしかるべきだが、 この問題の根底には、建築・設計業界に巣くう根源的な病理があるようにも思う。
 地価が上昇し、マンション販売も表向き好調で、不動産周辺業界はにわかに活況を呈しているように見える。 しかし、マンション業界は、実はコストを極限までカットし、とにかく作っては売り、作っては売りを繰り返すことにより、 なんとか皆が持ちこたえているという実態がある。「早く、安く」というのが、いわば至上命題になっている。
 そこに、従来役所仕事だった「建築確認」が、法律改正で民間に開放された(時間的には建築確認の民間開放のほうが、 不動産市況改善よりも先だったが)。民間の確認検査機関が、 早く通すために審査が甘くなることは、容易に想像される。
「民間に出来ることは民間に」をスローガンにする現政権だが、市場原理に任せていい部分と、そうでない部分を峻別しないと、 今回のような不祥事を防ぎきれないこともある。
 やはり建築確認は、たとえ時間がかかっても、官が責任を持って行うべき仕事ではなかったか。何より人の命が懸かっているのだから。
 あ、私がこういう事を書くと、「ホントに悪いのは偽造したヤツなのに、市場原理が悪いというふうに論理をすり替えてる」 などというつまらん批判がありそうだから、あえて丁寧に言っておく。
 偽造した建築士が一番悪いに決まっている。だが、その裏に、市場原理に頼りすぎるゆえの腐敗があって、それが犯罪の温床になっている ということを、私は指摘したいのだ。

 さて、今日のワインは、ニュージーランドのソーヴィニヨン。
 色はいかにもさわやかなイエローグリーン。香りはクリームのような甘さに、ソーヴィニヨンらしいグリーンな感じ。
 キリッとした酸のアタックが心地よく、草原のそよ風のようにさわやかな風味。味わいに一点の曇りもない。 後味もスッキリして、グリーンな余韻が残る。
 入手価格は\1,789(本体価格1,704円+消費税85円)。成城石井阪急三番街店にて購入。
 やはりニュージーランドのソーヴィニヨンは、ハズレが少ない。値段以上の充実感がある。
<評定:B>



2005年11月27日  ROUGE 
BEAUJOLAIS-VILLAGES NOUVEAU 2005 / HENRI MEURGEY
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー / アンリ・ムルギィ
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:BEAUJOLAIS-VILLAGES

Henri Beaujolais-Villages Nouveau 05  わかりやすい社会構造だけれども。

 先日も書いたが、漫才コンビ爆笑問題・太田光の発言には、感心させられる。
 日曜夜の報道バラエティ「スタメン」という番組で、今日は耐震強度偽装問題を扱っていた。そこで、 渦中の建築主として連日テレビ出演しているマンション販売会社社長について、太田光は次のようなことを言っていた。
「ああいうわかりやすい悪者が出てくると、みんなが『こいつは叩いていいんだ』 と思って安心して寄ってたかって非難するけど、そういうのは問題解決にはならないんで、止めた方がいい。 なぜあの社長は叩かれると分かってて、出てくるか。もちろん反論したいという純粋な気持ちもあっただろうが、 もうパニックに陥って、訳が分からなくなってるんじゃないか・・」
 ご当人がパニックに陥っているかどうかわからないけれども、皆で寄ってたかって彼を非難する社会の構造を見ていて、 この国はいつも同じだな、と思う。
 JR西日本の列車事故のあと、JRを叩くのが正義だ、みたいな風潮があったことと人々の精神構造は同じであるし、 更にさかのぼれば、イラクでの日本人人質事件の際、自己責任論を振りかざした論調にもつながる。
 つまり、悪を裁く我らこそ正義だという思い上がりであり、故意や過失のあるヤツは裁かれて当然という無言の横暴である。
 最近は、私のような発言をすると、「お前は脳天気だ」と叩かれるそうだが(笑)、 事態を冷静に分析し、社会の病理を的確に指摘してみせた太田光を、私は尊敬する。

 さて、今年のヌーボー3本目。これは、Wine Shop ENOTECAに事前予約していたもので、 もちろん解禁日当日に受け取っていた。
 色は濃いめの青紫。もわっと甘いイチゴジャムの香りに、少しトマトのような青臭さもあって、フレッシュ感がある。
 酸が強く、口当たりはとてもシャープ。紫の花のようなフレーバーが広がる。タンニン分もしっかり感じる。
 入手価格は\2,793(本体価格2,660円+消費税133円)。
 やっぱり今年はしっかりした仕上がりだが、うまく新酒らしさが表現されているワインではあると思う。 値段もそれに比例しているわけだが。
<評定:C>



2005年11月29日  BLANC 
LA PRECEPTORIE DE CENTERNACH 2004 / LA COUME MARIE / VIN DE PAYS DES COTES CATALANES
ラ・プレセプトリー・ド・センテルナック / ラ・クーム・マリー / ヴァン・ド・ペイ・デ・コート・カタラーヌ
V.d.P

La Preceptrie de Centernach 04  にわかに忙しくなってきたので、しばらく時事ネタを休みます。

 というわけで、当面はどうしても書きたいネタがあるときだけ触れることにし、無理してネタを探すのをやめます。 私にとって結構プレッシャーだったのだ。

 色は淡い麦わら。あ、良いワインだな、と思わせるクリーミーでオイリーな香りが満載。 それでいて柑橘っぽさも感じさせる。
 口に含んだ瞬間のアタックは結構鋭く、酸が効いている。だが、そのあと口中にクリームのような甘味が広がる。 ナッティな余韻も実に心地よい。
 自宅近くのディスカウント酒店(Ciel江坂店)で、\2,230(本体価格2,124円+消費税106円)にて購入。
 V.d.Pでこの値段は立派だが、内容もそれに伴っている。
 ひなびた温泉を訪れたら、旅館の女将が都会的な美人だった、みたいな驚きのあるワインだ。
<評定:C>



評 価 基 準
A=特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。
B=非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。
C=概ね価格に見合ったクオリティ。
D=凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。
E=価格に比し、著しく劣るクオリティ。
 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けている。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表す。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与している。


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