利酒日記 kikizakenikki

2008年11月


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2008年11月2日 BLANC
MICHEL LYNCH / BORDEAUX
ミッシェル・リンチ / ボルドー
VINTAGE: 1998
Michel Lynch Blanc 98 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX
ボルドー
生産者: MICHEL LYNCH 輸入者: (株)アルカン
review
 先日飲んだ ルイ・ラトゥール サントネイ のところでも書いたが、 時々立ち寄っているディスカウント酒店が閉店するとのことで、 全品10%オフセールをやっていた。これもそこで入手。
 いわば日常酒クラスのACボルドーだが、98VT。 中身がどうなっているか、見ものである。

 色は深い金色。あるいは、べっこう飴みたいな、淡いアンバー。 かなり老成していることがわかる。
 香りは干しぶどう、あんず、梅酒のような感じ。フレッシュな柑橘香はない。
 味は意外にも酸が生きているが、果実味はなし。とろっと甘いがコクには乏しく、 少し中抜けした味わい。余韻も短い。

 やはりピークを過ぎてしまい、老けた味になっている。 決して変質しているわけではないが、もっと若いうちに飲むべきwineである。 面白い経験ではあったが。
 値札は1,610円だが、1割引のため1,449円で入手。
評定: C 価格 1,449円(本体価格1,380円+消費税69円) 購入店: Ciel江坂店(大阪府吹田市)
2008年11月3日 BLANC
CHATEAU LA COMMANDERIE DU MAS DEU / COTES DU ROUSSILLON
シャトー・ラ・コマンドリー・デュ・マ・デュー / コート・デュ・ルーション
VINTAGE: 2006
Ch.La Commanderie du Mas Deu 06 FRANCE
フランス
地方: ROUSSILLON
ルーション
地区:
 
AOC: COTES DU ROUSSILLON
コート・デュ・ルーション
生産者: CH. LA COMMANDERIE 輸入者: (株)アンフィニー
review
 店頭で試飲の上、これはコストパフォーマンスが高いと思って、購入したもの。

 色はしっかりとした黄金色。香りはバター、黄色い花、タマゴ、 貴腐ワインにも似たアプリコット香も。
 味は丸い酸とゆで卵のようなほっこりした感じ、ナッツの香ばしさ。若干の苦味。 甘味が豊かでふくらみがある。
 ただ、パワーは今ひとつの印象。甘味の余韻は長い。

 南仏らしいオイリーさ、華やかさを持った、とても好感の持てるキャラクター。
評定: A 価格 1,995円(本体価格1,900円+消費税95円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2008年11月11日 ROUGE
BOURGOGNE PINOT NOIR / DOMAINE R. ROUX
ブルゴーニュ ピノ・ノワール / ドメーヌ・R・ルー
VINTAGE: 2007
R.Roux Bourgogne 07 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区:
 
AOC: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
生産者: DOM. R. ROUX 輸入者: (株)ドウシシャ
review
 ディスカウント店で、いわゆるジャケ買いしたもの。 このエチケットの雰囲気、ハッキリ言って高級感が漂っているではないか。
 もちろん値段は安いので、最初から期待などはしていないが。

 色は極めて淡い紅で、言ってみれば濃いめのロゼ程度。かなり透過性が高く、グラスの向こうが容易に透けて見える。
 香りは赤ベリーが中心で、シャープ。甘いニュアンスはない。 鉛筆の芯のようなニュアンスがある。
 口当たりもシャープ。酸中心で、悪く言えば水っぽい。タンニンはなめらかだが、 これは最初からパワーのない証だろう。
 余韻も短く、後味もスッキリ。

 確かにピノらしい片鱗はあるが、そういう衣装をまとっているだけで、 中はスカスカ。飲みやすい、というのが、唯一の長所だろうか。
 当日記では、最低ランクの E 評価をつけることは滅多にないのだが、 今回は残念ながら E をつける。だって、この程度なら500円未満でもありそうだから。
評定: E 価格 1,180円(本体価格1,124円+消費税56円) 購入店: 酒の楽市南吹田店(大阪府吹田市)
2008年11月16日 ROUGE
CHATEAU PIMPINE / BORDEAUX COTES DE FRANCS
シャトー・パンピーヌ / ボルドー・コート・ド・フラン
VINTAGE: 2000
Ch.Pimpine 00 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: LIBOURNE
リブルヌ
AOC: BORDEAUX COTES DE FRANCS
ボルドー・コート・ド・フラン
生産者: CH. PINPINE 輸入者: 片岡物産(株)
review
 昨月29日や、今月2日のところでも書いたが、 近所のディスカウント酒店が閉店ということで、全品通常価格の1割引で売られていたときに入手。 右岸地区のビオワインである。

 色は黒みの強いガーネット。香りは黒ベリー、乾いた土、きのこのほか、 少しケモノ(あるいは厩)の香りもある。
 味は酸が立ち、やや線が細い印象。タンニンは極めて滑らかで、するすると喉に入ってゆく。 パンチには欠け、余韻も長いとは言えないが、飲み疲れない優しさがある。

 生産者の貼った裏レベルには、英語で、WINE ISSUED FROM GRAPES ORGANICALLY GROWN USING THE "BIO-DYNAMIE" METHOD. とある。
 また、ECOCERTのマークがあり、オーガニック認証団体エコセールの公式認定ワインであることがわかる。

 ビオディナミにありがちな、少し田舎くさいような匂いとか、 引っかかりのなさ過ぎる喉ごしとか、私はそれをあまり好ましくは思わなかったりするので、 どうしても辛口批評になってしまう。
 2000年VTということもあり、もっとパワーを期待していたが、 あれっ?というくらい、軽やかだった。いや、決してまずくはないのだけれど。
 値札は2,980円だが、1割引の2,682円で入手。
評定: C- 価格 2,682円(本体価格2,555円+消費税127円) 購入店: Ciel江坂店(大阪府吹田市)
2008年11月18日 ROUGE 
CHATEAU MERCIAN J-FINE MERLOT & MUSCAT BAILEY A / MERCIAN
シャトー・メルシャン ジェイ・フィーヌ メルロー&マスカットベリーA / メルシャン勝沼ワイナリー
VINTAGE: 2005
Ch.Mercian J-Fine Rouge 05 JAPAN
日本
地方: 山梨県
山梨県
地区: 甲州市勝沼町
甲州市勝沼町
AOC:
 
生産者: メルシャン(株) 輸入者:
review
 スーパーでおなじみのワインを購入した。 安価でも安心して飲めるジェイ・フィーヌである。

 色はやや褐色に傾いてはいるが、淡い。 香りは黒豆のような感じや、カシス、いちごなど。
 きりっとした酸と軽やかな甘味。やや干しぶどうのようなニュアンス。 重たさはなく、タンニンはなめらか。 余韻はハッキリ言って短いが、繊細でとてもきれいな酒質である。
 長野県産メルロー55%、山梨県産マスカット・ベリーA45%。

 一昔前は、国産メーカーの安ワインといったら、 輸入ワインをブレンドした得体の知れないものが少なくなかったのだが、 今ではこんなに素晴らしい内容のものが、 この価格で入手できる。いい時代である。
評定: A 価格 ハーフ828円(フルボトル換算1,656円) 購入店: グルメシティ江坂店(大阪府吹田市)
2008年11月20日 ROUGE 
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2008 / SELECTION CAVE DE JULIENAS
ボージョレ・ヌーヴォー 2008 / セレクシォン カーヴ・ド・ジュリエナ
VINTAGE: 2008
Cave de Julienas Beaujolais Nouveau 08 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS
ボージョレ
生産者: CAVE DE JULIENAS 輸入者: 東京ヨーロッパ貿易(有),販売者:(株)成城石井
review
 今日は解禁日。だが今年は、あまり宣伝されていないようである。想像するに、理由は3つ考えられる。
 1.今は深刻な不況である。
 2.以前のようなワインブームは去った。
 3.もしかして、今年の出来はあまりよくない・・?
 早速飲んで、検証してみよう。

 色はしっかりめで、青みが強い。 香りはヌーヴォー特有の蒸しバナナ香もあるが、中身が適度につまっており、 ぶどうジュース的。甘い香りも混じって、ヨーグルトっぽい感じも。
 味は酸と甘味のバランスが良く、フルーティでありながら、タンニン分もしっかり感じられる。 華やかなところはないが、しっかり赤ワインを飲んでいる感じがする。
 もちろん、この造り手が、特に質実剛健な酒造りをしているのかもしれないが、 地味ながら飲み応えのある年だと感じた。

 私事だが、今日は日帰り出張で岐阜まで行ってきた(岐阜の皆さん、今日は最後の盛り場までお付き合いできなくて、 すみませんでした・・)。いつもなら、出張帰りは新幹線で一人酒盛りなのだが、 今日は帰宅後ヌーヴォーを飲む義務があるから、コーヒー片手にワンセグを見ながら帰ってきた。
 帰宅が遅くなるので、帰ってからではコンビニか24時間スーパーで売られている 取り柄のないwineしか入手できない。それでは面白くないので、 新幹線に乗る前に、名古屋駅にある成城石井に立ち寄り、これを買ってきた。 成城石井さんでは、どうやらこれがお勧めのようだった。
 持ち帰ることを考え、ハーフを選んだのだが、フルボトルを買っても2,500円ほどだったようだ。 その半分の量なのに1,900円とは、腑に落ちない値段設定だ。
評定: A- 価格 ハーフ1,900円(フルボトル販売価格2,500円) 購入店: 成城石井名古屋駅広小路口店(名古屋市中村区)
2008年11月23日 ROUGE 
BEAUJOLAIS VILLAGES PRIMEUR 2008 / LOU DUMONT
ボージョレ・ヴィラージュ プリムール 2008 / ルー・デュモン
VINTAGE: 2008
Lou Dumont Beaujolais Villages Primeur 08 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS VILLAGES
ボージョレ・ヴィラージュ
生産者: LOU DUMONT 輸入者: (有)ヌーヴェルセレクション
review
 大丸百貨店独占で限定600本発売されたルー・デュモンのヴィラージュ・プリムール(ヌーヴォー)。
 発売を知ったのが大丸さんからのDMで9月下旬に。予約申込は10月1日から。 絶対に購入したかったので、申込初日にネットで注文し、なんとか確保できた。
 なぜそこまで必死になったのか。それは、 昨年飲んだルー・デュモンのヌーヴォーが とても素晴らしかったから。どうせ収穫を祝うお祭り参加費用を投ずるなら、 納得のできるワインを飲みたいと思うのだ。

 色は若い青紫で、そこそこに深みがある。 赤いベリー香が強く、バナナの感じはあまりない。
 口に入れた瞬間こそ、果実味が感じられるが、すぐさま強い酸が押す。 澄み切った飲み口で、鋭い味わい。
 パワーはあまりなく、凝縮感は今ひとつ。タンニン分は酸が引いた後しっかり感じられる。

 さすがに美しくしなやかな酒質だが、期待が大きかった分、少々肩すかしを食らった感がある。
 やはり今年は難しいヴィンテージなのだろう。 相対的に見れば、この難しい年にうまくまとめてあるという印象だが、 絶対的評価では、昨年飲んだ同じ造り手の普通のヌーヴォーに遠く及ばない。

 今年は、お祭り参加費用としては高くついた感じもするが、毎年参加することに意義がある。
評定: C 価格 予約特価4,700円(本体価格4,477円+消費税223円) 購入店: 大丸WEBショッピング
2008年11月24日 ROUGE 
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2008 / CORDIER
ボージョレ・ヌーヴォー 2008 / コーディア
VINTAGE: 2008
Cordier Beaujolais Nouveau 08 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS
ボージョレ
生産者: CORDIER 輸入者: サッポロビール(株)
review
 新酒をたくさん飲もうと思うと、ハーフボトルは重宝である。
 売場で「ハーフの中では、どれがいいですか?」と聞いて、販売員さんに勧められたのが、これ。
 アパレルショップTOMMOROWLAND がエチケット(ラベル) のデザインを担当した、CORDIERのヌーヴォー。 実にカラフルで、楽しいボトルである。

 淡い青紫の外観。香りはイチゴのような赤ベリー香が中心。 新酒らしい蒸しバナナ香はほとんど感じない。
 口当たりは酸が鋭く、タンニンはなめらか。 コクは今ひとつだが、スッキリとした味わいである。軽やかなフレッシュ感は、 若いピノにも通ずるところがある。

 やはり新酒を数種体験すると、今年の傾向がわかる。 果実味や凝縮感に乏しく、酸が強い。 気候の影響で、ぶどうの糖度が上がらなかった、ということなのだろうと推察される。
 それをどうまとめるかが、 生産者の力量だと思うのだが、廉価版ならば、このワインのように 単調でわかりやすいキャラクターに仕立てるのが良いのだろう。
評定: B 価格 ハーフ1,750円(本体価格1,667円+消費税83円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2008年11月29日 BLANC 
BOURGOGNE COTE CHALONNAISE "LES CLOUS" / DOMAINE A. ET P. DE VILLAINE
ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ "レ・クル" / ドメーヌ A&P ド・ヴィレーヌ
VINTAGE: 2006
A&P de Villaine Bourgogne Cote Chalonnaise 06 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区:
 
AOC: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
生産者: DOMAINE A. ET P. DE VILLANE 輸入者: (株)ファインズ
review
 アリゴテBOUZERONで有名な、A&PヴィレーヌのつくるACブルゴーニュ。 エチケットには COTE CHALONNAISE と地区まで明記されているが、 AOCはあくまでもBOURGOGNEである。

 色はしっかりとしたイエロー。 香りは黄色い花のほか、はちみつやバターのような豊潤さ。 樽香が豊かで、スペアミントのニュアンスもあり。
 味は甘味が豊かで、なおかつミネラル感もある。グレープフルーツ的酸。 若干の苦味。真ん中の伸びがあって、余韻も長い。

 すばらしいコストパフォーマンス。 豊潤でありながら適度に若いピチピチ感も持った魅惑の味わい。
評定: AA 価格 2,925円(本体価格2,786円+消費税139円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)

本日までで・・・今月合計9本/今年合計69本/当日記累計1120本



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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