利酒日記 kikizakenikki

2014年10月


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2014年10月2日 ROUGE
ALPACA CABERNET SAUVIGNON MERLOT / VALLE CENTRAL
アルパカ カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー / ヴァレ・セントラル
VINTAGE: 2013
Alpaca Cabernet-Merlot 13 CHILE
チリ
地方: CENTRAL VALLEY
セントラル・ヴァレー
地区:
 
DO: VALLE CENTRAL
ヴァレ・セントラル
生産者: SANTA HELENA 輸入者: アサヒビール(株)
review
 最近スーパーでよく見かける安チリ。 アルパカというキャッチーなネーミング、名前の通りアルパカのイラストがついたボトルは、 パッと目を引く。
 赤・白・ロゼ各種が出回っているが、 当サイトでは以前に白の シャルドネ・セミヨン を取り上げているのみだったので、今日は赤の カベルネ・メルロー を買ってきた。

 色は濃厚なグレープジュースのよう。やや青みが強いすみれ色で、均一。
 香りはインク、膏薬、鉛筆の削りかすなどのほか、オレンジっぽい柑橘香に近いキュンとした香りも。 ただ、複雑さはなく、全体的にべたっとしている。
 味は香りで感じた印象そのままだが、皮革と土とオレンジ的酸が 平板的に混じり合っている感じ。 いかにも南米のカベルネらしいキャラクターであり、 黒鉛のニュアンスが唯一メルロー的なところか。
 ひとつ気づいたこととして、醤油せんべいを食べながら飲んだら、劇的に相性が良かった点を指摘しておこう。

 値段が値段なので、これ以上望むべくもないが、あまりに分かり易すぎて、 サプライズは何もない。もちろん、買って損はないのだけれど。
 人に例えると、都会の郊外の田園地帯(完全なる田舎ではない)に住む女子高生みたいなキャラクター。 おしゃれな都会の女を指向しながら、どうしてもイモっぽいところが抜け切れていない。
評定: C+ 価格 626円(本体価格580円+消費税46円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年10月4日 BLANC
CONO SUR GEWURZTRAMINER
コノ・スル ゲヴュルツトラミネール
VINTAGE: 2013
Cono Sur Gewurztraminer 13 CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: VINA CONO SUR 輸入者: (株)スマイル
review
 チリ・旨安の定番、コノスルのゲヴュルツ。 今年7月に上級品の RESERVA ESPECIAL を飲んでいるのだが、 並級品は未掲載であった。ということで、スーパーで遭遇した折に、入手しておいた。

 外観はやや赤みが差した感じの麦わら色。シャルドネなどとは、見た目からして少し違う。
 香りは、ゲヴュルツらしいライチの甘い香りと、黄色い花のニュアンスのほか、 グレープフルーツ的な苦味を伴う柑橘香が混じり合っている。 どこかヴィオニエにも近い華やかさがある。
 口に含むと、まず炭酸のようなピリピリ感があり、フレッシュな感じ。 味はオレンジ的な酸、バナナの甘味、ブーケ(花束)のような華やかさがあり、 それと同時にキリッとした苦味もあって、テンションが高い。

 やはりコノスルの廉価版は期待を裏切らない。支払った値段以上の価値がある。
 このワインを女性に例えるなら、新興住宅地の中流家庭に育ち、都心の専門学校に通うお嬢様19歳。 目立たずあまり注目されることもないのだが、何より素直で品の良いところが魅力。
評定: A 価格 808円(本体価格749円+消費税59円) 購入店: ライフ(スーパー)
2014年10月5日 BLANC 
POUILLY-FUMÉ / JEAN BRETON
プイィ・フュメ / ジャン・ブルトン
VINTAGE: 2011
Jean Breton Ppuilly-Fume 11 FRANCE
フランス
地方: VAL DE LOIRE
ロワール
地区: CENTRE
中央
AOC: POUILLY-FUME
プイィ・フュメ
生産者: DOM. JEAN BRETON 輸入者: コルドンヴェール(株)
review
 このAOCが1500円で買えるというのは珍しいので、思わず購入した1本。 ロワールのプイィ・フュメ。

 色は淡い麦わら。少し気泡のようなものが見える。
 香りを嗅いだ瞬間に、あっ!やられたか、と思う。 栗の甘露煮のようなほっこりとした甘さがあり、かなり老成した感じ。 はっきりと劣化まではいかないが、ヴィンテージに対して、熟成しすぎている感がある。
 味は香りに感じた栗のような風味とともに、濡れ雑巾みたいな臭さがある。 コクはなく、ピリッとした辛さを舌先に感じる。 おそらく熱劣化した結果であろうと推測される。

 たまにこういうワインを引き当ててしまうと、残りをどうやって飲もうか思案するのだが、 オレンジジュースででも割って、氷を入れてサングリア風に飲むしかないか。
 健全な姿とは思えないので、味の評定はできない。こういうものをいちいちアップする必要は ないと言われそうだが、買ってしまった事実を私的に記録するためでもあり、ご容赦いただきたい。
評定: 不能 価格 1,500円(本体価格1,389円+消費税111円) 購入店: スピード(DS)
2014年10月6日 ROUGE
ALPACA CARMENÈRE / VALLE CENTRAL
アルパカ カルメネール / ヴァレ・セントラル
VINTAGE: 2013
Alpaca Carmenere 13 CHILE
チリ
地方: CENTRAL VALLEY
セントラル・ヴァレー
地区:
 
DO: VALLE CENTRAL
ヴァレ・セントラル
生産者: SANTA HELENA 輸入者: アサヒビール(株)
review
 先日、カベルネ・メルロー を飲んだチリのアルパカだが、 今日は同じ赤でも「カルメネール」を飲みたい。

 色は黒に近い、深い紫。べたっと均一。
 香りを嗅いで、一瞬驚く。 とても安ワインとは思えない重厚さ。イタリアのネッビオーロにも似た動物臭がかすかにあり、 甘いバニラに皮革、黒コショウなどの香りが溶け込んでいる。
 味は豊かな甘味に、梅のような酸もきっちりと効いている。 タンニンが力強く若々しいが、決して粗暴ではない。全体のバランスが非常に良い。

 先日飲んだカベルネ・メルローが、あまり見るべき所のないワインだったので、 まったく期待をしていなかったが、それだけに一口飲んで、驚いた。
 カルメネールは最もチリらしい品種ともいえるが、安ワインの中には、 粗暴でまとまりに欠けるものも散見される。ところがこのワインは、 600円台とは思えぬエレガントさを備えている。
 ブラインドでこれを飲まされたら、私は1500円と言うかもしれない。
 これからの季節、ビーフシチューなどの煮込み料理に使い、食べるときにも一緒に飲みたいワインだ。
 ここ最近、ワインを女性に例える表現を復活させているが、このワインは、 中小企業で30歳にして役職者になったやり手OL。ルックスは美しく妖艶だが、 性格は男勝りでサバサバしているタイプだ。
評定: AA 価格 626円(本体価格580円+消費税46円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年10月12日 ROUGE
COSECHA CABERNET SAUVIGNON / VALLE CENTRAL
コセチャ カベルネ・ソーヴィニヨン / ヴァレ・セントラル
VINTAGE: 2013
Tarapaca Cosecha Cabernet Sauvignon 13 CHILE
チリ
地方: CENTRAL VALLEY
セントラル・ヴァレー
地区:
 
DO: VALLE CENTRAL
ヴァレ・セントラル
生産者: VINA TARAPACA 輸入者: リードオフジャパン(株)
review
 エチケット(ラベル)だけを見たら、非常に高級感漂うwineだが、 実はスーパーで543円。チリ大手のタラパカがつくるカベルネ。

 外観は少し黒みの強いガーネット。見た目には高級感があり、ボルドーっぽい。
 香りを嗅いで、更に驚く。 バニラ、皮革、黒果実、土の香りに、ニューワールドを実感させる陽気な 甘さというか、オレンジのような柑橘香が混じっている。 この凝縮感はすばらしい。
 ところが、口に含んだ瞬間、その驚きが少し落胆に変わる。 香りの印象ほど濃密感、重厚感はなく、やや軽やかなベリー系の甘酸っぱさが特徴。 それでも、ガシッとしたタンニンが生きており、高貴さも感じる。

 最初のインパクトが強かったので、何だか肩すかしを食らった気分だが、 冷静になって考えてみれば、これはスーパーで買った500円強のワインだ。どこに不満があろうか。 いや、ありはしない。500円台でこのスケール感は、驚愕である。
 女性に例えると、非の打ち所のない完璧なメークで見目麗しい25歳だが、ものを食べるとボロボロこぼして平気で服を汚す、 子供みたいにかわいいところがある人。私は個人的に好きなタイプです。
評定: AA 価格 543円(本体価格503円+消費税40円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年10月19日 ROUGE
GIRO D'ITALIA CABERNET SAUVIGNON / SPINELLI
ジロ・ディタリア カベルネ・ソーヴィニヨン / スピネッリ
VINTAGE: 2012
Giro d'Italia Cabernet Sauvignon 12 ITALY
イタリア
州: ABRUZZO
アブルッツォ
地区:
 
IGT: TERRE DI CHIETI
テッレ・ディ・キエーティ
生産者: SPINELLI 輸入者: コルドンヴェール(株)
review
 ディスカウント店で数種類並べて売られていたイタリア産ハーフ。 まずは赤を飲んでみて、他も買うかどうか判断しようということで、 まずはカベルネを買ってみた。あえてイタリアらしい品種を外した ことが良かったかどうか。

 比較的透過性の高いすみれ色。やや軽そうな外観だ。
 香りはウメ、いも、インクなど、暖かい地域のべたっとしたワインを想像させる。
 口当たりは非常に軽い。酸がピチピチと若く、タンニンは弱く、 元々非力なワインであることがわかる。 甘味は薄く、コクらしきものはない。

 フルボトル換算で1000円となるが、そのレベルには達していない。 他の品種を買うのは、よほど気が向かない限り、ないだろう。
評定: C- 価格 ハーフ500円(フルボトル換算1,000円) 購入店: 酒の楽市(DS)
2014年10月23日 ROUGE
MARQUIS D'ALBAN MERLOT-CABERNET / BORDEAUX
マルキ・ダルバン メルロー・カベルネ / ボルドー
VINTAGE: 2012
Marquis d'Alban 12 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX
 ボルドー
生産者: MARQUIS D'ALBAN 輸入者: コルドンヴェール(株)
review
 ボルドーにして、ハーフ500円。どうせダメだろうと思いながら、あえて購入。

 グラスに注いだ外観は、やや青みの強い深いルビー。グラスの向こう側が透けて見える。
 香りは、黒果実、薬草、皮革。深みはなく、ぺらっぺらの印象だが、 上辺だけボルドーっぽい。
 味は酸のアタックが強く、その後が続かない。香りの印象と同じく、非常に薄いボディ。 柔らかいので、どんな食事にも合わせやすいが、取り柄がないというか、無個性だ。

 やはり、懸念した結果となったが、まあ500円なので、傷は浅い。
評定: D 価格 500円(フルボトル換算1,000円) 購入店: スピード(DS)
2014年10月25日 ROUGE
FRONTERA CABERNET SAUVIGNON / CONCHA Y TORO
フロンテラ カベルネ・ソーヴィニヨン / コンチャ・イ・トロ
VINTAGE: 2013
Concha y Toro Cabernet 13 CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: CONCHA Y TORO 輸入者: メルシャン(株)
review
 既に同じヴィンテージ(2013年)を飲んでいることに気づかず、買ってしまった。 というよりは、気軽に近所のスーパーで買えるし、コストパフォーマンスが高いことも 知っているので、まあ重なってもいいかな、とは思っていた。

 色は濃いめのすみれ色だが、やや透過性が高い。
 香りは皮革、黒果実、インクなど。ニューワールドらしい奔放さだけでなく、 ボルドーにも似た高貴さがある。
 味はバニラの甘味に、柑橘的な軽快な酸味が加わる。 タンニン分もしっかり。ただ、基本的にスリムな体格であり、 柔らかな味わいで、余韻も深くない。

 以前に飲んだ時には、もうちょっとパワフルな感じがあったが、 今回は少し大人しい印象だ。
評定: B 価格 642円(本体価格595円+消費税47円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年10月30日 ROUGE
LADERA VERDE
ラデラ・ヴェルデ
VINTAGE: N.V.
Ladera Verde Red CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: 輸入者: メルシャン(株)
review
 スーパーで398円で売られていた、ペットボトル入りのチリ。 ただ好奇心だけで買ってみた。

 色は静脈血のような、ややどす黒い感じのあるすみれ色。 透過性は高い。
 香りは皮革、鉄、色鉛筆。値段が値段だからどんなにひどいだろうかと身構えていたら、 意外にもちゃんとしている。柑橘様のキュンとした酸味をも感じさせ、軽やかであろう味わいが想像される。
 味は香りの印象どおり軽く、最初の酸のアタックが一番強いくらいで、 あとは全くの尻すぼみ。非常にライトなボディであり、タンニンも弱め。 コクらしいコクはなく、あっさりと引いてゆく。

 言葉にしてしまうと、あまり褒める部分はないのだが、この値段だから仕方ない。 でも、ちゃんと正しくワインらしい味わいがあるというだけで、 この値段なら合格だろう。もちろん、1000円ワインとは、まったくの別世界であることは、 付け加えておかねばならないが。

 さて、今月はここまで計9本を飲んで、合計支出額が6,143円だから、 なんと1本あたり682.5円。集中的に安wineを購入したのは、それが当サイトの本分だからというのもあるが、 背後に今年後半以降の景気悪化(スーパーなど身近な小売業は軒並み売上不振)と、 それに伴う先行きへの不安がないわけではない。
評定: C 価格 720ml入り398円(750ml換算415円) 購入店: グルメシティ(スーパー)

本日までで・・・今月合計9本/今年合計71本/当日記累計1582本
今月のワイン投資額・・・6,143円(本日まで)



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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