利酒日記 kikizakenikki

2014年12月


 HOME  利酒日記のメニューページへ  産地別索引へ  前月へ  翌月へ


2014年12月3日 BLANC
AROMO BARREL SELECTION CHARDONNAY / MAULE VALLEY
アロモ バレル・セレクシォン シャルドネ / マウレ・ヴァレー
VINTAGE: 2010
Aromo Barrel Selection Chardonnay 10 CHILE
チリ
地方: CENTRAL VALLEY
セントラル・ヴァレー
地区: MAULE VALLEY
マウレ・ヴァレー
DO: MAULE VALLEY
マウレ・ヴァレー
生産者:VINA EL AROMO 輸入者: (株)徳岡
review
 9月に赤白1本ずつ購入し、その直後に だけは飲んでいたチリのAROMO。 だいぶ日が開いたが、やっと白のほう(シャルドネ)を飲む。

 グラスに注いだ液色は、非常に濃いイエロー。 パイン水のようである。
 香りは、これでもかと言わんばかりのパワフルさだが、 まず、まるで花火のようにフリンティなインパクトがあり、 その下にパインの甘酸っぱさ、マンゴーのこってりした甘さを感じさせる トロピカルフルーツ香がある。樽から来るバニラフレーバーも満載。
 一口含んで、甘いと感じるが、同時に苦味もある。 玉子、あるいはカスタードクリームのようなこってりとした甘みがあるのだが、 酸も生きており、苦味の強さと共に、全体を引き締める。余韻がとても長い。

 ボトルの見た目そのままのどっしり感がある。シャルドネの本場はブルゴーニュ? そんなの知ったことか、 と言わんばかりの独自路線。
 肝っ玉母さんなんだけど、実は結構セクシー系のキャラクターだ。
評定: A+ 価格 1,944円(本体価格1,800円+消費税144円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2014年12月4日 ROUGE
PERRITO CABERNET SAUVIGNON / サッポロビール
ペリート カベルネ・ソーヴィニヨン / サッポロビール
VINTAGE: N.V.
Perrito Cabernet Sauvignon CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: 輸入者: サッポロビール(株)
review
 スーパーで売られていた、ワンコインとちょっとのお手軽価格。
 チリと書かれているから普通の輸入ワインかと思ったが、 裏ラベルをよく見れば、サッポロビールがチリからワインをタンクで輸入し、 国内の自社工場で瓶詰めしたものらしい。
 大手が廉価品でよくやる方法だが、つまり、原料ワインの生産者が誰なのかはわからず、 いや、どれだけ混ぜられているのかもわからない。まあ、 そんなことはどうでもよく、値段に対する品質をシビアに見るだけだが。

 グラスに注いだ外観は、非常に深いすみれ色。エッジはピンクで若々しい。
 香りは、暖かい地域のカベルネらしい、インク、さつまいも、黒果実などの香りを感じる。
 味はタンニンや酸のアタックが柔らかく、ややぼやけた味わい。 良く言えば飲みやすいが、悪く言うとのっぺりと平板。

 まあ、いちおうカベルネらしさは感じることができるので、それで十分なのだが、 あまりにも単調なので、やや飲み飽きする。
評定: C- 価格 597円(本体価格553円+消費税44円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年12月6日 ROUGE
BEAUJOLAIS NOUVEAU 2014 / LOU DUMONT
ボージョレ・ヌーヴォー 2014 / ルー・デュモン
VINTAGE: 2014
Lou Dumont Beaujolais Nouveau 14 FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: BEAUJOLAIS
ボージョレ
AOC: BEAUJOLAIS
ボージョレ
生産者: LOU DUMONT 輸入者: (有)ヌーヴェル・セレクション
review
 毎年みつけたら必ず買うようにしているルー・デュモンのヌーヴォーだが、 今年は解禁日にいつも買っているデパートでは扱われていなかった。 売り切れたのかと思い、店員さんに伺うと、「今年は入ってきていないですねえ」と。 それで諦めていたのだが、後日、別の店でこのハーフを発見した。

 グラスに注いだ外観は、極めて濃いすみれ色。 この造り手のものは毎年そうだが、とても新酒とは思えない濃さだ。
 香りは、まず、もわっと新酒らしい甘いベリー香が立ち、 同時にほっこりとした蒸かし芋のような甘さや若干の土臭さがある。
 味は、フルーティーな甘酸っぱさのまわりを、強いタンニンがしっかりとした骨格をつくる。 果実味は、新酒らしい赤系ベリーというよりは、黒系でコク深い。 刺すような若い酸と、やや分裂気味。

 しっかりとした赤ワインという印象の味わいで、その分やや新酒らしさには欠けるかもしれない。
 なお、エチケット(ラベル)には、昨年同様、VIEILLES VIGNES DE PLUS DE SOIXANTE-DIX ANS と書かれている。 樹齢70年を超える古樹(からのワイン)という意味である。
評定: B 価格 ハーフ1,728円(本体価格1,600円+消費税128円) 購入店: the Pantry ルクア大阪店(大阪市北区)
2014年12月13日 ROSE
FRONTERA ROSE / CONCHA Y TORO
フロンテラ ロゼ / コンチャ・イ・トロ
VINTAGE: 2013
Concha Y Toro Frontera Rose 13 CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: CONCHA Y TORO 輸入者: メルシャン(株)
review
 チリの大手コンチャ・イ・トロがつくるフロンテラの「ロゼ」。
 元々安いwineだが、コンビニ(LAWSON)で半額で投げ売りされていたもの。 おそらく商品入替のためと思われるが、破格の値引率なので、買わない手はないでしょう ということで。といっても、買ったのはもうだいぶ前のことなのだが。

 色は淡いオレンジと赤の中間的な色。
 香りはややシャープなイチゴ香に、セメダインみたいなツンとした匂いが混じっている。 甘さはそれほど強くなさそうな印象。
 味は酸のアタックが丸く、サクランボ的。 甘味も柔らか。押しが弱く単調だから、 悪くいうと個性が乏しいのだが、 この穏やかさは、むしろ食事に合わせやすいとも言える。

 やはりフロンテラは、非常に無難なところにまとめてくる。 気軽に飲んでそこそこおいしいという、日常使いに向いている。
 なお、評定は入手価格ではなく、通常価格を前提としたものである。
評定: C 価格 359円(通常価格718円の半額) 購入店: LAWSON(コンビニ)
2014年12月15日 ROUGE 
CHÂTEAU BARAT "CUVÉE PRINCE NOIR" / BORDEAUX SUPÉRIEUR
シャトー・バラ "キュヴェ・プランス・ノワール" / ボルドー・スペリュール
VINTAGE: 2011
Ch.Barat 11 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX SUPERIEUR
ボルドー・スペリュール
生産者: CH. BARAT 輸入者: コルドンヴェール(株)
review
 1500円という安ボルドーだが、エチケットの美しさを見て感ずるものがあり、 見た瞬間に購入した。

 外観はややくすんだ感じのガーネット色。
 香りは芳醇なバニラやミルクチョコレートの甘さと、トリュフなどの土っぽい香り。 非常に重たく、高貴な印象。ベリー系の香りはあまりしない。
 香りが重厚だっただけに、こういった場合、安ボルドーは 口に含んだ瞬間に失望することも多いのだが、このワインはその懸念を見事に破ってくれた。 タンニンがしっかり、どっしりしており、体格こそスリムではあるが、 その弱さをガシッと脇からタンニンが支えている。 香りで感じたほど、バニラの甘さはないが、それでもしっかりと味わいの深みをつくっており、 とても安ワインとは思えない、威風堂々たる味わい。

 高級ワインとの差は、ボディの厚みや余韻の深さであり、この価格ならばそれは当然仕方ないし、 むしろここまで風格があるのは驚きである。
 個人的には、今年出会った安ワインの中で、最もコストパフォーマンスが高い 1本だということができる。この年の瀬に、大きなプレゼントをもらった気分である。
評定: AA+ 価格 1,500円(本体価格1,389円+消費税111円) 購入店: スピード(DS)
2014年12月23日 BLANC
LADERA VERDE
ラデラ・ヴェルデ
VINTAGE: N.V.
Ladera Verde White CHILE
チリ
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: 輸入者: メルシャン(株)
review
 2ヶ月ほど前に を飲んでいる、 ペットボトル入りの激安チリワイン。スーパーでなんと398円である。

 グラスに注いだ外観は、輝きのある黄金色。
 香りは白い花、クリームなど。甘そうで華やか。 安ワインとは思えぬ、わりとしっかりした香りだ。
 味はジューシーで甘みが強いのだが、適度な苦味を伴っており、 ぼやけてはいない。香りに感じた花のニュアンスがあり、 余韻もそんなに短くはない。

 シンプルで分かり易く、適度な力強さを持ったワイン。 まさかこの値段でこんなにしっかりしているとは思わなかった。
評定: A 価格 720ml入り398円(750ml換算415円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年12月25日 ROSE 
DELICA SPARKLING LUCIA ROSÉ SEMI SECO / SUNTORY
デリカ・スパークリング ルシア ロゼ セミ・セコ / サントリー
VINTAGE: N.V.
Suntory Delica Sparkling Lucia Rose SPAIN
スペイン
地方:
 
地区:
 
DO:
 
生産者: FREIXENET 輸入者: サントリーワインインターナショナル(株)
review
 Xmasは家で安泡。ということで、スーパーでこんなものをみつけて 買ってきた。
 サントリーの国内廉価ブランド"DELICA"を冠していることから、内容も期待できないだろうと 当初は思った。ところが、裏ラベルを見ると、スペイン産であり、 しかも造り手は、日本でもCAVAで有名となったフレシネグループらしい。 ということで、ものは試しとばかり、買うことにした。

 外観はわりとしっかりめのピンクとオレンジの中間。
 香りは甘さよりやや酸っぱそうなニュアンスが優勢で、ドライトマトに少し石油香が乗っている。
 味わいは非常に単調。強くはないがべたっとした甘みがあり、反面、炭酸がビリビリと粗く乗っかり、 バランスが悪い。余韻も短く、すべての要素がワインというよりは、アルコール入りの炭酸飲料 というべき内容。飲みやすさという点では、申し分ないが。

 安いがその価格にも値しない内容であった。
評定: D 価格 ハーフ548円(フルボトル換算1,096円) 購入店: グルメシティ(スーパー)
2014年12月29日 ROUGE
MISSION SAINT VINCENT / BORDEAUX
ミッション・サン・ヴァンサン / ボルドー
VINTAGE: 2012
Mission St.Vincent 12 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区:
 
AOC: BORDEAUX
ボルドー
生産者: T.D.V. 輸入者: コルドンヴェール(株)
review
 エチケット(ラベル)に高級感がある安ボルドー。
 当日記ではこれまで、白'10ロゼ'12 を取り上げている MISSION ST-VINCENTだが、 赤は飲んでいなかった。

 グラスに注いだ外観は、深いガーネット色。典型的なボルドーカラーというやつ。 エッジは少しオレンジ色。
 香りはバニラの甘さに、やや黒コショウのようなスパイシーさが加わり、シャープで清冽。
 口に含んだ瞬間、柔らかなタンニンが丸っこい印象を与えるが、 その後、舌先にひっかかるようになってくる。味は酸が刺し、甘みにコクはない。 シャープであることで、むしろ安ワインとしての冗長さが払拭され、 高貴な感じがする。

 1000円未満にしては、品の良い1本。これで力強さがあればなお良いが、 そうなると価格が倍以上になってもしかたない。
評定: B 価格 842円(本体価格780円+消費税62円) 購入店: スピード(DS)
2014年12月30日 BLANC
神戸ワイン リースリング / 神戸みのりの公社
こうべわいん りーすりんぐ / こうべみのりのこうしゃ
VINTAGE: 2007
神戸ワイン リースリング 07 JAPAN
日本
地方: 兵庫県
兵庫県
地区: 神戸市
神戸市西区押部谷町高和
AOC:
 
生産者: (財)神戸みのりの公社
原料ぶどう生産者:農業公園
生産地: 神戸市立農業公園神戸ワイナリー
review
 これは先月、神戸ワイナリーの見学会に行ってきた際、現地で買ってきたもの。
 ワイナリーの中で育てられたリースリングを100%使ってつくられたものだ。

 色はしっかり濃い黄金色。かなり熟成していることがわかる。
 香りは土っぽいニュアンスを帯びた青草やフラワリーなハーブ、はちみつなど。 少し峠を過ぎてしまったか、あるいは熱を受けてしまったかと思われる、 濡れ雑巾のような匂いがやや出ているが、バランスを崩すほどではない。
 味は甘味が強く、緑っぽい風味も強い。線が細いので冗長さはないが、 適度なオイリーさがボリューム感を与えている。

 2007年ヴィンテージということで、これは開けたらすぐに飲み干してしまわないと、 空気に触れることで一気に老成して飲みにくくなってしまいそうである。
 少々ネガティブな表現になってしまったが、良い感じで大人になっているワインだといえる。
**********
 ワイナリー訪問時には、醸造リーダーの方にたいへんお世話になり、 園内見学やレクチャーなど、貴重な体験をさせて頂きました。詳細をここに記すことはできませんが、 並々ならぬ努力とこだわりを持ってワイン造りをされていることがよくわかりました。 この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。
評定: B 価格 ハーフ1,234円(フルボトル換算2,468円) 購入店: 神戸ワイナリー

本日までで・・・今月合計9本/今年合計89本/当日記累計1600本
今月のワイン投資額・・・9,150円(本日まで)



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

 HOME  利酒日記のメニューページへ  産地別索引へ  前月へ  翌月へ