時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2016年05月



2016年5月23日
 五輪は金、政治家も金


 ニュースを見れば、五輪招致にからんで怪しい金がコンサルタントに払われていたとか、 都知事の政治資金の使い方に疑惑があるとか、カネのことばかり。でも、それぞれの 扱われ方に、かなりの温度差があるのはなぜだろう。

 五輪問題については、追求して欲しくないという、政府の態度がアリアリ。 新聞各社や放送局も、渦中の広告代理店の「で」の字も報じないほどのポチぶり。 一方、都知事の問題は、連日これでもかと、寄ってたかって集団袋叩き状態だ。

 もちろん、怪しい支出に政治資金が使われていたという、とんでもなくせこい都知事の疑惑については、 徹底的に追求されるべきである。同情の余地などない。

 だが、こうやって一人が血祭りに上げられて、これでもかと報道される時には、 権力者にとって他に触れられたくない話題があると考えたほうがいい。

 都知事が公用車で別荘に通ったとか、絵を買ったとか、そんなことよりも、 先に追求されなければならない、もっと大きな事がある。

 あれだけ「説明する」と言っていた甘利元大臣は、どこに隠れているのか。 このまま逃げ切れるなんて、思っているのだろうか。国民を甘く見てもらっては困る。


2016年5月28日
 裸の王様を裸と指摘する勇気


 熊本で極めて多くの被災者が現在進行形で苦しんでいるのに、「大震災級」とは認めない一方で、 現在の経済状況を「リーマンショック前に似ている」などと預言者のように公言し、 大マスコミもそのまま垂れ流している。

 この国の今の状況を、おかしいと思わない人のほうが多いのだろうか。 私は、こんな呪術政治はまっぴらだ。

 高市大臣の停波発言が、威力を発揮しているのだろう。 テレビに公正な報道など、もう期待できない。

 そんな中、毎日新聞が海外メディアの反応を報じている。首相に嫌われている大新聞である (以下、引用)。

 英紙フィナンシャル・タイムズは「世界経済が着実に成長する中、安倍 氏が説得力のない(リーマン・ショックが起きた)2008年との比較を持ち出し たのは、安倍氏の増税延期計画を意味している」と指摘した。

 英国のキャメロン首相は26日の討議で「危機とは言えない」と反論。 英BBCは27日付のコラムで「G7での安倍氏の使命は、一段の財政出動に賛 成するよう各国首脳を説得することだったが、失敗した」と断じた。 そのうえで 「安倍氏はG7首脳を納得させられなかった。今度は(日本の)有権者が安倍氏に 賛同するか見守ろう」と結んだ。

 仏ルモンド紙は「安倍氏は『深刻なリスク』の存在を訴え、悲観主義で驚かせ た」と報じ、「自国経済への不安を国民に 訴える手段にG7を利用した」との専門家の分析を紹介した。首相が提唱した財政 出動での協調については、「メンバー国全ての同意は得られなかった」と総括し た。

 米経済メディアCNBCは「(G7は)増税延期計画の一環」 「あまりに芝居がかっている」などとする市場関係者らのコメントを伝えた。

 一方、中国国営新華社通信は「巨額の財政赤字を抱える日本が、他国に財政出動 を求める資格があるのか?」と皮肉った。


 首相が白と言えば白と報じるメディアなど、もういらない。 こんな茶番につきあわされるのは、不幸を超えて、滑稽でしかない。

 なお、この毎日新聞の報道に対し、「言葉遊びはともかく、増税延期は必要だ」 などと言った頭の悪い書き込みも多数見られる。

 増税の是非を論じているのではない。トップが世界の舞台でホラを吹いて、 大恥をかいている。それがどれだけ国益に反する行動か、ということすら、 わからない連中だ。



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