時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2016年06月



2016年6月5日
 満12年、ありがとう


 当サイトは、2004年6月6日から本日まで、丸12年間、1日も休まず更新を続けてまいりました。

 自分でも信じられないことですが、暦(こよみ)が一巡りしてしまったのです。 12年という月日は、生まれた子供がおおよそ小学校を卒業するまでの時間に相当します。 実際、当時小2だった我が子が、昨年進学で家を出て行き、今年成人します。 でも、私のような中年にとっての同じ時間は、あっという間だったりもします。

 毎度書いていることですが、私は忍耐力があるのではなく、単にやめる勇気がない人間です。 泊まりがけで外出せざるを得ない日も、体調がすぐれない日にも、 何とかしてサイト更新を続けてきました。

 掲載しているwine、ビール系飲料、チューハイ・カクテル等の総数も、日々増え続けています。 当初目論んだ「酒の百科事典」に着実に近づいています。

 こうして続けていられるのも、毎日欠かさずご訪問くださる皆さまと、 自腹を切ってまで当サイトのレビューにご協力頂いている方々が多数いてくださるからこそ。 ほぼ定期的に物品のご提供をお申し出くださる方も複数あり、感謝してもしきれません (ここでこう書いたからといって、もっとくださいという意味では決してありません。 ただ、全国の皆さんに、そういう素晴らしい方々が今のこの国にいらっしゃるのだ、 ということを知って頂きたくて・・)。

 最近、毎日続けることが、体力的に結構大変だと感じることも増えてきました。 いや、まだ気持ちで乗り切れる段階ではあります。 やると決めたら、無理をしてしまう性分なので、少なくとも5000日は達成したいなと思う今日この頃です。

 そこから先は、その時の気分次第、かもしれません。 ともあれ、12年間無欠勤で続けさせてもらえたこと、すべての皆さまへ「ありがとう」と 申し上げたいです。


2016年6月20日
 寄ってたかって一人を袋叩きにする、気味の悪い世の中


 辞任した舛添東京都知事への批判が止まない。

 色々な事案が暴かれるにつれ、その公私混同も甚だしい実態には閉口するしかなく、 擁護すべき点などまったくないが、 ネット上の"祭り"よろしく、すべてのマスコミ、世論がこぞって彼を叩くことこそが正義だと 言わんばかりの風潮にも辟易する。

 この国は、いつからこんなにハシタナイ国になってしまったのか。 悪者をみつけたとたんに、皆で寄ってたかって袋叩きにする。 正義の名を借りた単なる憂さ晴らしにしか、私には見えない。それだけ、国民の間に不満がたまっており、 何かにその不満をぶつけたいのだろう。

 私は学生時代に少し聖書を学んだ人間だから、次の一説を思い出す。


「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」 (ヨハネによる福音書 8章7節)

 知事の責任を厳しく追及していた都議会議員の皆さんも、 舛添氏を応援した自民党の責任を国会で追及する野党議員の皆さんも、 そして、まるで他人事のように舛添氏を批難する与党議員の皆さんも、 自分の政治資金の使い方を、洗いざらい国民の前に開示してみてはどうか。 それができないのなら、石を投げる権利などないだろう。

 こんなとんでもないことをした政治家が、舛添氏以外にはいないというのなら、 そんなに素晴らしいことはない。それを国民に証明する義務が、すべての政治家にはある。 それをせずしての批判合戦は、何の意味もないというべきだろう。 甘利元大臣だって、不起訴になったからそれでいいということは決してなく、 国民の前で真摯に説明する義務がある。このまま逃げおおせていいはずがないのだ。


 舛添氏の辞任を受け、都知事選に突入してゆくわけだが、その前に参院選がある。

 首相は、今年年頭の記者会見で「今年は参院選を通じて憲法改正問題を正々堂々と訴えていく」 と力強く語った。にもかかわらず、最近の街頭演説などで、まったく憲法問題には触れていないようだ。 これは、争点化を避けているとしか言いようがない。相変わらずこの人らしい、 卑怯で薄汚いやり方だ。演説では触れず、マニフェストの最後にこっそり書いておいて、 選挙が終わった後に大きな声で「信任された。マニフェストには書いてあった」と言い、 まるで白紙委任を受けたかのように、やりたいことをやり始めるだろう。この男のやり方は、いつもそうだ。 今度は、そんな卑怯な手口を、絶対に許してはいけないのだ。

 ここであえて言おう。


 参院選の争点は、憲法と安全保障である。


 一人区での野党統一候補擁立に対し、与党は「野合」と批判するが、 それなら自民党と公明党の連立こそが「元祖数合わせ」ではないのか。 本来まったく主義主張の異なる両党が一緒にやっていること自体、数のための連立以外の何物でもないではないか。

 心ある創価学会員の皆さんに言いたい。 公明党に投票することは、皆さんが最も大切にしてきた平和をないがしろにする改憲をもくろむ自民党を利することになる。 政教分離を正々堂々自認するなら、この際、公明党に投票するのを止めるべきだ。 公明党はもはや平和の党でも何でもない。部外者からは、そう見える。

 憲法9条2項を削除して軍隊を保持し、国民に数多の義務を課す。 立憲主義そのものを破壊することが目的の自民党憲法草案に賛成か、反対か。 今回の選挙は、その基準で投票を決めたい。

 日銀を取り込み金をジャブジャブ流通させて円安誘導し、 年金資金の勝手な流用で株価を吊り上げる。 一般国民の生活のことなど端から考えていない、最初から破綻している今の経済政策など、 何の争点にもならない。


2016年6月25日
 住民投票の怖さ


 イギリスで行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の結果が 世界に大きな波紋を投げかけている。

 投票率約72%。離脱支持約1,741万票(約52%)vs残留支持1,614万票(約48%)。 僅差ではあっても上回った「離脱」が支持されたとみなされる。 即ち「英国民はEU離脱を支持した」と。

 残留派の戦略ミスとも伝えられている。確かに、この種の投票に際しては、 各陣営の宣伝活動のみならず、足元での説得工作など、あらゆる戦術が展開される。 だが、それで本当にいいのか。

 国民による直接投票なのだから、たとえ1票でも上回ったほうが勝ち。 そう言い切って憚らない意見もあるのだろうが、私はこのような重大な投票は、 過半数ではなく、5分の4などのかなり厳しい条件にすべきではないかと思う。

 そもそも「戦略」が有効になるというのがおかしい。 資金力があり、人がおり、戦術に長けた側が勝利しやすくなる。 国民自身の判断といいながら、その国民を上手に誘導(扇動)することは可能だからだ。 最近の日本の報道と世論を見ていると、つくづくそう思う。

 国を2つに分けたこの傷は、今後ずっと引きずることになる。 国民を幸せにしないばかりか、他国の経済にも大きな影響を与える。

 どんなシステムにも万全のものはない。その中で、ベターな政策を探ってゆくしかない。 一度の投票で一気に白黒決着をつけるというのは、危険極まりないやり方であろう。



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