時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2018年06月


2018年6月24日
 この一週間


 6月18日に発生した大阪北部地震から約一週間が過ぎました。 実は当サイトにあえて直後は書きませんでしたが、大阪北部にある我が家も少なからぬ影響を受けました。

 未だ日常生活を取り戻せていない方々も多い中で、被災という言葉を軽々しく使いたくはありませんが、 我が家にもかなりのダメージがあったことは事実です。ただ、幸いなことに、怪我などはありませんでした。

 地震当日の夜も、私は通常通りお酒を飲み、当サイトを更新しました。今日くらいは休んでしまおうか? とも考えましたが、毎日ご訪問くださる皆さまにご心配をお掛けしたくない。その一心でした。

 朝8時前、自宅にいました。その瞬間、何の前触れもなく、突然ドシンと大きく下から突き上げられ、 建物が倒壊するのでは?と心配になるくらいの揺れが、数十秒続きました。何もできず、ただじっとしていました。 ふと我に返ると、自分の座っていたすぐ横に大きなワードローブがペンダント照明を壊しながら倒れ、液晶TVやスピーカーが転がり、 30kgあるオーディオアンプも落ちていました。 キッチンのラックから電子レンジが落下して壊れ、カップボードが見事に倒れて、大切にしていた食器がすべて大破しました。

 毎日のように使用していたワイングラスも、趣味で集めていたコーヒーカップも、 すべて無残な姿に。マイセンが、ロイヤルコペンハーゲンが、リチャードジノリが、大倉陶園が・・ みな原形を留めていません。地震対策をしていなかった自分が悪いのです。 しかし、どういうわけか、景品でもらったグラスや、100円ショップで買ったグラスは生き残りました。

 背の高い本棚を3本くらい入れてある私の部屋は、すべて無残に倒壊し、 部屋の内開きの扉が開かなくなりました。仕方がないので業者に来てもらい、ドアを壊してもらいました。 直すのには10万近くかかると言われました。 仕事が忙しいこともあって片付けもままならず、まだその部屋は、がれきの山のような状態です。

 もしかして私は今生きていないのではないか。会話していると思っている妻には、実は私の姿は見えていないのではないか。 そんな妄想すら抱きました。でも、とにかく食糧を確保しようと出向いたスーパーで、 私の差し出すクレジットカードを店員さんが受け取って処理してくれている様子を見て、 「ああ、生きているんだ」と実感したり。 当日は、そんなバカな精神状態でした。

 「モノに身代わりになってもらったと考えよう」。夫婦でそのように話しました。 そう思うしか仕方ありません。二人とも怪我一つしなかったのですから。いや、正確に言うと、 片付け作業の最中、妻が割れたガラスの破片で手を切っていました。

 こんな状態でも、何事もなかったように毎日アルコールを飲んで、こんなサイトを更新している私を、 クレイジーだと思うかもしれません。しかし、そうやって平静を装い、TVでバラエティー番組を見て笑い、 忙しく仕事をし、毎日の食事はゆっくり楽しむ。そのことによって精神のバランスを取っているのかもしれません。

 この程度のことで悲しいとか、悔しいとか言うつもりはありません。 ただ、また同じことが起こるかもしれないと考えると、怖いです。 これ以上のことが起こるかもしれないとは、考えたくもありません。 我が家の周辺は不思議に電気・ガス・水道が止まらなかったので、普通の生活を続行できていますし、 今回の被害は局地的だったようで、街はもう何事もなかったかのように動いています。

 備えが大事と言われるので、いざというときの避難用具や食糧備蓄などは必要でしょうが、 備えで何とかなる程度の災害で済めば、まだ幸運なのではとも思います。 考えても仕方のない部分もあるのではないか。そんなことすら思います。

 ともあれ、私は元気です。今夜も美味しい食事と共に、美味しいお酒を楽しみました。 生かされていることに感謝です。



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