時事ネタコラムのページ [利酒日記別室]

2020年01月


2020年1月1日
 本年もよろしくお願いいたします


 2020年を迎えました。あけましておめでとうございます。

 2000年7月に開設した当サイトは、足掛け21年目、本年7月をもって満20年を迎えることになります。 長い間見てくださっている皆さまに、改めてお礼申し上げます。

 20年分年をとった私ではありますが、まだまだ若い人たちには負けないパワーで続けてまいります。 今年もご贔屓に、宜しくお願い致します。


2020年1月17日
 25年


 1月17日は、我々関西の人間にとって、決して忘れることの出来ない日。

 1995年1月17日午前5時46分に発生した兵庫県南部地震により、6,434人の貴重な命が奪われた。 後に「阪神淡路大震災」と命名された未曾有の大災害である。

 私の知人でも、少なからぬ人が家屋の損壊等の被害を受けたが、幸いにして身近に犠牲になった方はいなかった。

 それだけに、生き残った人間として、いたたまれない気持ちを抱えて生きてきたが、 毎年この日を迎えると、その気持ちが蘇ってくる。

 元々関西出身ではない私が関西に住み着き、妻と結婚したのが震災のあった1995年だった。 あれから25年。震災の翌年に生まれた息子は23歳となり、既に関西を離れている。 私自身は、縁あって今も兵庫や大阪で仕事をさせてもらっている。 この自らの境遇を思うと、つつがなく暮らせているこの毎日に、罪悪感すら覚える。

 ここ数日、関西のTVでは、震災特番を数多く放送していた。 その際、必ずといっていいほど流れていたのが、神戸の小学校に勤務していた先生によって復興のシンボル曲としてつくられた 「しあわせ運べるように」という歌である。

 この歌をこどもたちが歌っているのを見ると、涙が出てしまう。そういう関西人は多い。

 25年が過ぎ、賑やかな神戸の街を見るにつけ、一生癒えることのない傷を負って生きている人たちがここにたくさんいることを、 決して忘れてはならないと、改めて強く思う。


2020年1月26日
 黒い羊


 ふだん人前で話すことが多く、それをかなり得意にしている私が、「小さい頃は引っ込み思案の子供でした」というと、 たいていの人は驚く。

 基本的に大人しく、ひ弱で、それでいて少し勉強の成績が良かったりすると、 だいたいいじめのターゲットになる。

 そんな自分がイヤで、変わりたいと思った思春期。なめられないようにするためには、とにかく自己を主張することだと思い、 積極的に前に出ることにした。元々あまのじゃくのところがあり、皆がそういうからというだけで同調したくない子供ではあったが、 引っ込み思案でそれを口に出せなかった。そんな自分を変えたいと思い、勇気を持って「違う」と主張する人になろうと努力した。 そのお陰か、「K君はクラス全員が"白"と言っても、納得できなければ1人で堂々と"黒"と言う子です」 というありがたい評価を先生から頂いたりもした。

 前に出れば出たで、いじめられないまでも、今度は一人だけ"浮く"。そんな中学生だった。 公立中学だからそもそも雑多な人間の集まりのはずなのに、同調圧力の強い日本社会そのもののような場所で、 自分の居場所がないように感じていた。だからといって、自分の考えを曲げてまで周囲に合わせようとはさらさら思わなかった。

 高校、大学と進むにつれ、質の近い人間が集まるようになり、浮くことも少なくなっていったが、 その頃には「人と違う」ということが、かなり私のウリになっていた。

 普通とか、人並みと呼ばれるのを嫌い、変わり者と呼ばれることを誇りとするような大人になったのは、 私のこうした子供時代の経験に根ざしたものだが、結果的に組織に所属せず、 自由業という一匹狼に収まったのは必然だといえる。

 大学の教壇に立たせて頂ける立場にもなり、学生に向かっていつも「自分だけの得意分野を持て」 「人とは違う武器を持て」とアドバイスしているのは、それによって私自身が救われたからでもある。

 オンリーワンであることが、私の重要なアイデンティティになったのだ。

 でも、ふと考える。

 オンリーワンというのは、周囲に他人がいるから成り立つ概念であって、 集団に属しているから初めて意味のあることとなる。結局、他人に支えられ、他人の世話になっているのに、 その他人とは同調しないぞと、イキがっているだけなのかもしれない。 でも、そういう人間がいるから、集団が一方向になだれ込む危険を回避できるのだと、私は信ずる。

 自分に突き抜けた才能があるとは思わないけれど、他人とは違う色を出し続けていたいと思う。 疎まれ、排除されたとしても、孤高に生きる人でありたい。

 日本社会という、この息苦しいコミュニティを変えてゆくのは並大抵のことではないが、 浮くのを恐れず、堂々と変わり者でいる勇気を持ち続けていたい。

 アイドルグループの騒動を見ていて、そんなことを考えた。



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