HOME 珈琲主義メニュー 前へ 次へ 2001年2月7日 豊かな自然に囲まれて暮らしたいという声が、世の中には多い。今は無理でも、老後はゆっくり田舎暮らしがしたいという人も多いだろう。 また、そのような志向こそが「人間らしい」と考えられている風潮があるようにも思う。しかし、私の志向は、まったく正反対である。 今現在も、そしてこれからもずっと、都市の真っ只中で暮らしてゆきたい。コンクリートジャングルの中にいると、本当に心が安らぐのである。 街の雑踏が嫌いでない人でも、マンションなどで隣家の物音が聞こえると嫌だという人は多い。 しかし、私は、まったく隣家の音の聞こえないような住宅で生活するのは嫌だ。常に音が聞こえているくらいの方が、 身近に人間の息吹が感じられるようでホッとする。もちろん一人暮らしではないから、身近に家族は居るのだが、 すぐ手の届くくらいのところに他人がいてくれるというのがいいのである。だから深夜に隣から音楽が聞こえてきても、 上階から子供の騒ぐ声が聞こえてきても、全く迷惑とは思わない。 昔から、淋しくなるとよく街の雑踏の中に出かけて行った。特に何をするわけでもない。ただ、多くの人々がそこで生きて活動しているという、 その躍動感を感じることで、心から安心できる。だから、生活の本拠も、できるだけ人の多いところが理想だ。 贅沢を言えば、様々な年齢層の人々が共生していて、特に若者がたくさん集まってきて、いつも何か新しいことが生まれるような街。 住まいは広くない方がいい。広くても結局空間を持て余したり、掃除が大変なだけだ。 それよりは、何でも揃っている賑やかな街に暮らすことの方が重要だ。 たとえ家が狭くて寛げなくても、近所に小粋なカフェがあれば、そこがリビングになる。 たとえマンションに小さなバルコニーしかなくても、近所に大きな公園があれば、そこが庭になる。 たとえ小さな冷蔵庫しか置けなくても、近所にコンビニさえあれば、必要な時に必要なものを買いに行けばいい。それが、私の理想だ。 現在の私の住環境は、概ねそれを満たしている。徒歩5分以内の場所に、おいしいケーキを食べながら、ゆったり過ごせるティールームがあり、 10分も歩かないうちに、自家焙煎のおいしいコーヒー店もある。大きな公園までは、やはり5分以内には到着する。 ここはサクラの木もあるので、春には花見もできるし、芝生の上で弁当を食べたりもできる。コンビニに至っては、道路をはさんで向かい側に1軒あるだけでなく、 徒歩5分以内に限定しても、5店はあるし、10分以内ならば、その倍はあるだろう。 私は、年をとっても、このような環境でずっと暮らしてゆきたい。風光明媚な場所なんて、まっぴらだ。人間味がないと非難されようが、かまわない。 これが、私のスタイルだ。 私の尊敬する建築家、故・宮脇壇氏は、晩年東京の代官山で暮らしていたようだが、エッセイの中で、代官山の生活は気に入っているけれど、 山手線の外側という点が不満だ、はってでも内側に行きたい、と書いているのを読んで、その感覚がものすごくよく分かった (これはしかし東京特有の感覚で、今私の暮らす関西では、また違った形になろう)。 土に触れることのできない環境では、子供の心を豊かに育めないなどといった意見もあるが、私はそうは思わない。多くの人が暮らし、多くの車が行き交い、 多くの店が夜遅くまで賑わっているのは、確かに「人工的」な環境ではあるが、人間らしさとは、人間の中でこそ育まれると、私は信じている。 都会で生まれ、都会で育っている今年5歳になる我が家の息子は、「お茶飲みに行こう」と言えば喜んでスターバックスまでついてくるし、 東急ハンズでトレンド・グッズを眺めては喜んでいる。これが決して非人間的な育ち方だとは思わない。いずれにせよ、親である私がこんな考え方なのだから、 この環境の中で、たくましく育って行くだろう。もし彼が大きくなった時、大自然に憧れるのなら、自らそういう環境を求めてゆけばよい。 それはまったく彼の自由だ。すべては自分の選択であり、チャンスはいつでもそれを望む者の前に開かれている。そういう人間本来の自由を、 この都会の生活で身をもって学んでくれればいいのである。 ネット社会が進むと、店など身近になくてもいい、という声もあるが、私にはそうは思えない。 例えば、本好きの私は、大きな書店に行って、自分の背丈よりも高い書架に囲まれ、本の匂いをかぐこと自体が幸せなのである。 だから、インターネットで注文するようなことはしない。大好きなワインだって、たくさんのボトルを手にとって品定めするから楽しいのである。 このような現場主義的感覚を、私は「カフェ感覚」と呼んでいる。コーヒーが好きだからといって、本当においしいものを家で飲めばそれで事足りるというものではない。 なぜ、カフェのような場所が必要かといえば、そこで過ごす時間こそが、心に豊かさを与えてくれるからだ。そんな空間が、自宅ではない、自宅の少し延長線上にあるのがよい。 もちろん自宅でもコーヒーで寛ぐことはあるが、ちょっと外に出れば、もう一つの空間があるというのが大切だ。 私にとって都会とは、日常と非日常がクロスオーバーするユートピアなのである。 2001年7月24日 ドトールコーヒーの"エクセルシオールカフェ"の例を引くまでもなく、昨今の喫茶業界は、「総スターバックス化現象」 とでも呼ぶべき状況となっている。 例えば大手以外の小さなスタンドコーヒーショップでも、そのメニューを見ると、エスプレッソ、カプチーノ、 ラテはおろか、ご丁寧に「キャラメル・マキアート」まで揃えている店もある。また、コンビニを覗けば、 同様のコーヒー飲料がたくさん並んでいる。単純に便乗商法と呼んで片付けることが出来ないほどであり、 広くコーヒー飲料市場のベクトルが、スタバ向きになってしまっているかのようだ。 スターバックスの功績は、今までコーヒーなど飲まなかった層にまで、コーヒーの魅力を伝え、新たな市場を開拓したことにあると思うので、 この市場全体の流れは、時代の要請といえるかもしれない。 しかし、である。今の総スターバックス化現象は、あまりにも安易で、みな表面を真似しているだけではないのか。 コーヒーに関しては一徹の私でも、スタバには良く行く。それには様々な理由があるが、類似店の中で、スタバと同じ魅力を備えているところはない。 メニューだけ真似たとしても、それは似て非なるものだということに、なぜ気づかないのだろう。たとえ、コーヒーのクオリティがスタバを上回っていたとしても、 それだけで客を呼ぶことは困難であろう。そこを分かっていないのだ。 もちろん、コーヒー自体のクオリティが高いことはコーヒー店としては最低限満たすべき条件であるのに、実に多くの店がそれすらクリアしておらず、 ただ流行の表面だけを追っている。スターバックスは、まず基本としてコーヒーのクオリティが高いことを忘れてはならない (マシンを使うというだけでダメだ、紙コップで飲むなんて言語道断、というような偏狭な条件を付けてしまうと失格になってしまうが。私自身、スタバに出会う前はそれに近かった)。 そして、大切なのはそれだけではない。 ハードとしての空間が安らぎを与えてくれるか。ソフトとしてのサービスにホスピタリティはあるか。我々の日常に自然に溶け込み、なおかつ非日常的感動を与えてくれるか。 私の要求がきついのかもしれない。でも、これらを感じない店には、また行こうという気にはならない。 気づけば私はもう四半世紀もコーヒーにこだわり続けてきたのにもかかわらず、友人の自家焙煎店に色々リクエストを出すことはあっても、自分で焙煎をしようというところまで行かないのは、 コーヒー店で得られる幸福というものにかなり価値を置いているからだ。コーヒー店を自分の家の居間かあるいは応接間のように思ってきたのは、 日常と非日常が混沌としたその空間に、限りなく恋し続けているからに他ならない。 コーヒーの市場が拡大するのは歓迎であるが、 本質もわからず単なる流行として「俗化」してゆくのは淋しい。これは店が悪いのではない。我々消費者の要求水準が甘いのだ。 そう言いながら、スタバでマンゴー・シトラス・フラペチーノに興じている私も、一方には居るのだけれど。 「昔は良かった」とか、「最近の若者は・・・」というようなオヤジではないつもりだけれど、もっと魂に訴えかけるお店が正しく評価されて欲しいと思う今日この頃である。 スターバックスは、その確固たるコーヒーの品質が支持されたと言うよりは、むしろこの魂に訴えかける部分が多くの人に評価されているのだと思う。 しかし、そのクオリティを含む条件のどれが欠けても、同じ魅力を提供することはできないだろう。 2001年9月10日 最近、このコーナーがまるでスタバ応援のコーナーのようになってきた。そこで今回は、スタバファンに対して、少し苦言を呈しておきたい。 「今までコーヒーなどほとんど飲みませんでしたが、スタバに出会って、よく飲むようになりました。」という意見をよく耳にする。 これは、素晴らしいことで、コーヒーファンとしては、素直に喜ぶべきことだ。また、「スタバの躍進は、コーヒー文化の裾野を広げた。」 これも至当な意見である。ところが、「スタバ以前の東京には、良いコーヒーの飲める店がなかった。」という文章をたまに目にすることがあり、 これにはさすがの私も、おいおいちょっと待ってくれよ、と叫びたくなる。 スタバ以前に、コーヒーそのものに興味がなかった人が多いというのは仕方ないとしても、単に自分が知らなかっただけなのに、 良いコーヒーがなかったなどという暴言を吐くのは、やめていただきたい。それは、貴方が単にコーヒーを飲んでいなかったか、 あるいは飲んでいても「おいしい」と感じなかっただけなのだ。 昔から地道に良いコーヒーを提供し続けてきた誠実な「珈琲屋さん」の側から、最近のスタバ現象に対する苦言等が聞こえてこないのは、 まったく相手になどしていないからかもしれない。私も、一消費者として、今まで、誠実な「珈琲屋さん」とスタバのようなチェーン店とを 同一の俎上に乗せて語ることなど言語道断と思ってきた。ところが、スタバの実現しているクオリティが、 従来のメジャーなスタンドコーヒーチェーンのレベルを超越しているので、当サイトでも再三取り上げるに至った。 一切の先入観を捨て、良いと思ったものは素直に良いと言うのが、当サイトの姿勢である。同様に、どんなに高く評価しているものでも、 悪い点は素直に指摘してゆきたい。スタバを知り尽くしただけで、コーヒー文化のすべてを知ったかのような発言をする方に対しては、 単なる「井の中の蛙」であると申し上げたい。 こんな悪態をつきながら、私は今日も、アイスダブルショートアメリカーノ+チョコレートマフィンwithホイップで、楽しいcoffee breakを過ごしている。 さて、最後に、最近読んだ本から、面白かったもの。 街に関するエッセイで有名な泉麻人氏の近著「新・東京23区物語」(新潮文庫/書き下ろし)から。 『いまや「スタバがやってくるとお洒落街の認定を受けた」というほどの印象すらあります。』(同書176ページ)とか、 『「メニューまわりのややこしいオキテ」というのも、ファン心理を刺激しているように思われます。』(同書同ページ)といった表現は、 まさに同感。そして、最も笑ったのが次の文章。 『ソロのエスプレッソなどをオーダーすると、コップの底に僅か1センチばかりの焦茶の汁が溜ったような代物が出されますが、 文句をいってはいけません。スタバ様からふるまわれた、ありがたい御酒(おみき)―と思って、ちびちびと噛みしめるように味わいます。』(同書177ページ) 私も、エスプレッソは一気に飲み干すのが最もおいしい飲み方だと、頭では分かっていても、262円が瞬間でなくなってしまうのは、いかにももったいない などというセコイ考えが湧いてきて、ありがたくちびちびと味わってしまうクチなので、もう、名実ともにスタバ教の信者と言えよう。 2001年10月10日 先日、妻の言ったひと言。 「○○さんが言っててんけど、ヨックモックのモンブランって、季節商品なんかなあ? あれ、すごくおいしいんで、○○さん、食べたいと思って9月に買いに行ったら、売ってへんかったって」と。 読者の皆さんの中で、「あれっ?」と思った方もあるかもしれない。 ヨックモックとは、あのデパ地下に必ずと言っていいほど入っているお菓子屋さんで、「シガール」という葉巻型のクッキーで有名なお店。 同じ贈り物を貰うのでも、ユー○イ○とか、モロ○フよりは、ヨックモックを贈られた方が、少なくとも私は、贈り主のセンスを感じる。 そういった洋菓子メーカーである。そのヨックモックが、ケーキなんか作っていた? 知らない方はそう思うかもしれない。 実は、本社所在地である東京・南青山のお店にはティールームが併設されており、そこでは様々な種類のケーキを楽しむことができる。 同社の西日本の拠点である大阪支店が、我が街江坂にあり、南青山と同様のティールームを開いている。我が家から歩いてすぐのそのお店は、 「ケーキが食べたくなったらあそこに行こう」という場所なのだ。 そのモンブラン、既に食べたことがあるのだが、確かにおいしかった記憶はあるものの、そんなに騒ぐほどかなあ、と思いつつ、 先日、行って来た。 季節商品なら、いま栗の季節でもあるし、出ているかもしれない。そう思いながら訪ねたお店に、お目当てのモンブランは存在していた。 早速注文した。
見た目は意外と背の低い、少し上から押しつぶしたような形。色も控えめで、マロンクリームの量も多くはない。 ストイックなまでに甘さを抑えつつ、それでいて栗の風味が堂々と主張している。 寡黙でありながら職人芸をみせるマリナーズのイチローみたいだ。まさに大人の味わい。 これは、やみつきになりそうである。改めてそう思った。 デパ地下のヨックモックのお店では、クッキー類しか見たことがないので、おそらくケーキはデパートでは入手できないのだろう。 関東にお住まいの方は南青山へ、関西にお住まいの方は江坂へ行って、その味を確かめられたい。 私が関西で高く評価している洋菓子店に、西宮市甲陽園の「ツマガリ」があるが、初めてツマガリのお菓子に出会ったときの感動に近いと言ってもいい。 なお、ヨックモックの新製品「紅茶のシガール cigare au the」も素晴らしい。バターとアールグレイティの風味の絶妙なハーモニー。 これもお薦めである。 念のため申し添えておくが、当サイトはヨックモックから広告費をもらっているなんてことは全くない。あくまでも商品の魅力に惚れこんだ末の自主的な応援である。 そこでお願い。 株式会社ヨックモックの関係者の方が、もしいらっしゃったら、紅茶のシガールでもラング・ド・ブッフでもダックワーズでもいいんで、 サービスしてくださーいっ。 2002年1月20日 家の比較的近所にあって、もう1年近く前から気になっていながら一度も入ったことのなかった店に行ってきた。 ANNA GARDENという、紅茶を中心とした店だ。 マンションの1階、というか、半地下になっていて、外からは店内を少し見下ろすような感じだ。外観は街のお洒落なティールームといった雰囲気で、 期待感は高かった。そして、実際に店内に入ってみると、第一印象は、正直なところ、少しがっかりした。 思ったよりも「フツウの喫茶店」というインテリアだったからだ。でも、掃除が行き届いて店内が非常にきれいであり、小物などのセンスも悪くない。 紅茶の種類は多くはないが、フードメニューが充実している。私がオーダーしたのは、ケーキセットで、りんごのシブースト+ニルギリ。 妻はスコーン(プレーン&ブルーベリー)+アプリコット・ティー。 どれも基本がしっかりしており、非常に感心した。紅茶の淹れ方も実に丁寧だ。ケーキがとてもよかったが、ほとんど5歳の息子に食べられてしまった。 紅茶はポット・サービスで、砂時計、茶漉し、ティー・コジーが温めたカップと共に運ばれた。 とにかく店内が清潔感にあふれており、接客態度もよく、ほぼすべて合格点。唯一の減点対象は、ミルクティ用の牛乳が温めて出されたこと。 冷たいと文句を言う客がいるのかもしれないが、牛乳は温めないのが基本だ。気になったのは、その一点のみ。 カップが底の深いいわゆるモーニングカップであり、ティーカップではなかったが、目くじらを立てるほどでもない。 ケーキの値段(350円〜)プラス150円でセットになるというのも、驚異的である。 (私の記憶違いだったのか、それとも変更されたのか、先日訪ねた時にはドリンクが正規の値段から150円引きとなっていた:2002年3月3日) 久々、灯台下暗しを実感した。もっと早くに来ておくべきだった。これからちょくちょく利用させてもらおう、と思う。 家の近所にこういった目立たないが真面目に頑張っている個人のお店をみつけるのは愉快であり、誇りにも思う。
なお、メニューには当然、コーヒーもあるが、おそらくよくないだろう、との予測のもとに、紅茶にした。
紅茶とケーキを楽しむための店、という位置づけにしたい。 *その後、このお店は2004年3月をもって閉店してしまいました。良いお店だったのに、残念です。 2002年8月8日 果たしていつまで、もつのだろうか。これが私の正直な意見。 スタバ、スタバと草木もなびく中で、本当にスタバと対等に戦えている店はないのではないか。 皆、とんでもない勘違いをしている。 我々客は、ラテとかキャラマキを飲みたいという理由だけでスタバに足を運んでいるのではない。 そこのところを、一体どれだけわかっているのだろう。
私は、エクセルシオールの「メープルラテ」が好きで、よく飲みに行く。でも、いつも何か物足りない感じを残しつつ、店を出る。
舌と腹を満足させることができても、心を満たすことができないのだ。 違いと言えば、コーヒーが煮詰っていることがないことくらい。 これでは、「エクセルシオールに行きたい」という気持ちを起こさせない。 確かに内装はドトールとはちょっと違うが(それもそんなに大きくは違わない)、 接客態度は相変わらず。それに、あのいつもガシャガシャした食堂風の雰囲気はどうだ。 180円コーヒーショップから脱却できていないのに、値段だけ高い。厳しく言うとそんな感じだ。
私は、よく利用する客の一人であるからこそ、あえて言いたい。 ところで「カフェ」の綴りには、下の写真のように、2種類が見られる。"CAFE"(下左)と"CAFFE"(下右)。 店の看板は、"CAFFE"となっているから、それが正式店名なのだろう。すると"CAFE"は、特定の商品にだけつけられた名前か? 不思議だ。 2002年9月29日 ![]() ![]() 9月29日の日曜日、家族でふらっと岡山まで行ってきた。初めての訪問。日帰り小旅行だ。 葡萄酒狂徒の日常茶飯事のページに書いたとおり、イタリアンの食事をとったあと、街を散策。 この時期にしては少々暑く、喉がかわいたので、 良さそうな喫茶店はないかと探した。ちょっとお洒落な商店街(手許にある昭文社の都市地図には「アムスメール上之町」と通り名が書いてある)を歩いている時、 コーヒーの良い香りが。思わず入ったお店がここ。自家焙煎店だ。 その名もCOFFEE BEAN。うなぎの寝床のような細長い店内。私が「深炒りブレンド」(フレンチロースト)、 妻が「中深炒りブレンド」(シティロースト)を注文。 どちらもなかなかのクオリティだが、特に中深炒りは、苦味が適度で、香ばしさもあって、絶妙なバランス。 何よりも、とげとげしくなく、包み込むような甘い香りは、焙煎している人の性格を反映しているのではないかと思う。 料理でも同じだが、殺気立った商売人の作るものからは、こんなにおおらかで優しい味わいは出てこない。 たいへん気に入ったので、両方の豆を買って帰る。ストレートコーヒーの種類も豊富だったが、 最初に尋ねた店は、まずブレンドから試すというのが私の常。
偶然とはいえ、こんな隠れ家のような素晴らしい店に出会えて感動。まちがいなく、人生に何度あるかわからない、というほどの貴重な出会いだ。 2003年3月9日 実は、12月4日のスタート以前から私は持っていたのだが、その理由は、なんと懸賞に当たったためである。 きっかけは、Starbucks Coffee Japanから2002年11月12日に届いた"Siren's Mail"である。 ![]() **以下、引用** ■■■■ Siren's Mail 読者限定 スターバックス カードを抽選で1,000名様にプレゼント ■■■■ くり返し入金できる便利なプリペイドカード『スターバックス カード』のデビ ューを記念して、500円分入金済みのスターバックス カードを、抽選で1,000名 様にど〜んとプレゼントしちゃいます。 定番デザインのほか、今冬限定のデザインもご用意していますので、自分で使 うのはもちろん、ちょっとしたクリスマスの贈り物にもピッタリです。これか らは、スターバックス カードでスマートにお買い物しちゃいましょう。 当選した方は、ぜひパイロット店舗(東京・銀座エリア限定/11月18日スタート) でお試しくださいね(全国スタートは12月4日より)。 *ご応募はお一人様1回に限らせていただきます。 *当選の発表は発送をもってかえさせていただきます。 **引用、終わり** ![]() ![]() まさか当たらないだろうと思いつつ、それでも、我が家の近くにお店があり、日常的に使っていることなどを 一生懸命アピールして、応募した。そうしたら、見事に当選した。 さっそくお店に持っていって、「これ、インターネットの懸賞で当たったんですよ」と自慢したら、 若いバリスタは、「え?懸賞なんてやってたんですか??」と知らなかった様子。私は少し誇らしい気分。 さて、そうしてスタートした、私のスタバ・カード・ライフだが、これを持っていることの効用とは、一体なんだろう。 普通のプリペイドカードなら、多少のプレミアムがつくはずだが、これは、1000円入金すればちょうど1000円使えるだけだし、 何の得もない。持つ意味などないのでは?と思われるかもしれない。 強いて言えば、小銭を出す必要がなく、スピーディに会計が終わるということ。 出張時、新大阪駅構内や、東京駅八重洲地下街のお店で、さっとコーヒーを買って新幹線に飛び乗ることができる。 こういったときに、確かに便利だとは思う。 しかし、このカードを持っている一番の効用は、「私は常連である」という無言のアピールができることかもしれない。 ![]() カードを差し出すようになって、「商品はあちらの赤いランプの下のバーカウンターでお待ちください」とか、 「お砂糖とミルクは、あちらにございます」といった、初心者向けアナウンスを聞かなくても良いようになった。 このカードの効用って、そのくらいしかないのかもしれない・・・。 そう思いながらも、イイ歳をしたオッサンが、「ダブルトールドライカプチーノ。あ、新幹線に持ってくから、エキストラ・ホットでね!」 などと、ツウを気取って喜んでいる。 ところで、今使っているのは、このダルマのカード。日本だけの限定カードらしい。 2003年3月10日 ![]() とにかく、香りが素晴らしい、という感想に尽きる。これほどコーヒーらしい深いアロマは、缶コーヒーではなかなかない。 タバコのような、いぶした感じは、豆の焙煎が深いことを伝える。ただ、牛乳の含有量が多いので、 味わいは実にマイルド。それがまた良いバランスを取っている。 そもそも、缶コーヒーを、お子様的飲み物から脱却させた最初の功労者は、初代キリン・ この製品には、復活の第一歩となるべき実力は十分にある。あとは、売り方次第だ。 2003年6月14日 ![]() いやはや、驚いた。こんなに個性的だとは。 とにかく圧倒的にクリスピーな食感に脱帽。じゃがいもを厚めに切って揚げただけ、と言われれば、そのとおりなのだが、 普通の国産ポテトチップスには、なかなかない。これだけガリガリしたタイプは。焦げたのが入ったりしてるのも、 ホームメードっぽい。黒コショウのひりひり感も絶妙。大人の味だ。 しかしこれ、コーヒーよりも、酒のつまみにぴったり。実際、いまビールとともに楽しんでる。 ついでに、白ワインとの相性も悪くはない。 正直言って、スタバのフードって、全般的にイケてないでしょ(除:ドーナツ、クッキー)。スタバフリークの私でも、そう思う。 しかし、今回は、なんか隠れた名品を見つけ出した気分。 これ、すごいです。安くはないけどね。 HOME 珈琲主義メニュー 前へ 次へ |