利酒日記

2002年8月


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2002年8月3日  BLANC
CHATEAU GRAND-JEAN 2001 VIEILLES VIGNES / BORDEAUX
シャトー・グラン・ジャン ヴィエイユ・ヴィーニュ / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX

 12本15,000円にて購入したうちの11本目。単体価格は\1,090。
 色は当然の如く淡く、日本酒程度。香りは、色の印象とは若干異なり、ミネラルっぽさを十分に感じる。 ソービニヨンらしいグリーンな感じはないので、ボルドーらしくない。口に含むと、微かに発泡しているのか、 ぴりぴり感がある。きりっとした酸の奥にじんわり深みがあり、わずかに緑の味わいがする。
 最後の最後で、ああボルドーなんだと気づかせてくれるが、基本的にミュスカデ・シュール・リーに酷似している。 ヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)だというのに、 爽やかで、若々しくて、真っ直ぐなワイン。暑い季節にぴったりだ。作り手の性格がとても真面目で実直なのではないか、と想像させる。
<評定:A>

2002年8月5日  ROUGE
COTES-DU-RHONE 1999 / E. GUIGAL
コート・デュ・ローヌ / E. ギガル
COTES DU RHONE地方、AC:COTES DU RHONE

 以前は1本1,600円程度で売られているのが普通だったが、今回の入手価格は\1,200。それだけに喜び勇んで購入した。
 色は深いルビーレッド。赤の色調が強いので、ボルドーなどとは違う。香りは、重厚さと華やかさが拮抗し、 緊張感を生んでいる。一片のムダもなく、ぎっしり詰まった感じ。 味わいは最初の酸のぴちぴちしたインパクトが想像以上で、プラムのような甘酸っぱさが広がる。 タンニンはパワフル。しかし、粗暴でなくきれいにまとまっているところが非凡。
 貞淑かと思うと野性的。無鉄砲かと思うときっちりと計算ずく。そんな相反する要素を持ち合わせているところが 魅力の悪女タイプのワイン。
 なぜこの猛暑の時期に? と不思議かもしれないが、チンジャオロースーとギョウザに合わせての選択だった。 夏の夜のヘビーな取り合わせ。
<評定:B>

2002年8月10日  BLANC
BOURGOGNE CHARDONNAY 2000 / RENE MONNIER
ブルゴーニュ・シャルドネ / ルネ・モニエ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE

 ネットで12本15,000円にて購入したうちの最後の1本。単体価格は、\1,790。
 色は淡く、力のなさそうな印象。香りは、はちみつ的甘さと、オレンジ的酸、それにナッツの香ばしさがわずかに加わる。 このなめらかな香りに比べ、口当たりはかなりシャープ。酸が際立ち、甘味は弱く、きりっとしている。 ただ、飲み込んだ後にヨーグルト的まろやかさがあり、薄っぺらいワインではない。
 ほぼ価格に見合っているが、感動もない。おとなしく整いすぎていて忘れ去られてしまうような、無口なために誤解されているような、 そんな日陰の花的ワイン。
<評定:C>

2002年8月13日  BLANC
MACON-VILLAGES 2000 / F. COLIN-BAROLLET
マコン・ヴィラージュ / コラン・バロレ
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:MACON-VILLAGES

 淡い麦わら色。わずかにトロピカルな印象がありながらも非常につつましい香り。かすかなオイリーさ。 その奥にひそむグレープフルーツ的な柑橘香と芝生のようなグリーンな感じ。すべてが柔らかい。
 口に含むと酸のインパクトが強い。それでいて口中にはまるで日本酒のような丸っこいアルコール感が広がる。 甘ったるい感じは皆無。後味にも鋭い酸と、グリーンな味わい。
 入手価格\1,200。十分満足。ぼやけた感じのものも多々あるこのAOCにしては、とてもシャープな部類。
<評定:C+>

2002年8月20日  ROUGE
COTES DU RHONE VILLAGES 1999 / DOMAINE DE L'ENCLOS (ANDRE BRUNEL)
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ / ドメーヌ・ド・ランクロ(アンドレ・ブリュネル)
COTES DU RHONE地方、AC:COTES DU RHONE

 若々しい印象のルビーレッド。ゴムとなめし皮の匂いが、いずれも強くはないが、ほどよく共存している。 おとなしめの香りに対して、味わいはプラムのような甘酸っぱさが踊っていて、キュート。 タンニンはやわらかい。後に残る酸が梅のようでもあり、収斂性がある。重みはあまりない。
 入手価格\1,300。なかなかよくできている。
 今日はこの時期にしてはかなり涼しい一日で、こういったワインを積極的に飲もうという気になる。 葡萄酒狂にとっては、夏から秋に移り変わる時期が、一番わくわくする。
 まあ、夏の不快度が日本一と思われる関西では(36、7度はあたり前。風はほとんどなく、極めて湿度が高くて、 じと〜っとしている)このまま簡単に涼しくなってはくれないだろうが。
<評定:C+>

2002年8月27日  ROUGE
CHIROUBLES 1999 / GEORGES DUBOEUF
シルーブル / ジョルジュ・デュブッフ
BOURGOGNE地方、BEAUJOLAIS地区、AC:CHIROUBLES(CRU BEAUJOLAIS)

G.Duboeuf Chiroubles  やや黒みがかった紫色。全体的に想像よりも濃いが、エッジは透明。香りはエチケットに描かれたイラストのごとく、紫の花のイメージと、 言葉は悪いが、"しょうゆ"のような深みも併せ持つ。酸が中心の味わいは予想どおりだが、甘味も結構あり、真ん中の充実した味。 タンニンは極めてやさしい。口の中で転がすと、ひっかかりがまるでなく、すーっと浸透してゆく感じ。 最後まで酸がまとめ役となっているので、後味も実にキュート。
 入手価格ジャスト1,000円。コストパフォーマンスは申し分なし。
 2年前に1997年ビンテージを試しているが、そのときの印象とほぼ同じだ。 インパクトはないが、安定した上品さが、この造り手の魅力と言える。
 朝会っても、夜に会っても、いつも同じ笑顔を向けてくれる一流会社の受付嬢みたいなワイン。 受け答えも、身のこなしもプロを感じさせるが、どうしても「作られた」ものを感じてしまう所がちょっと寂しい。 いや、何一つ不満があるわけではないけれど。
<評定:A>


 


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