2002年10月
先日、e-shopping wineでハーフボトル6本セットを購入した。なんと、驚くなかれ、2,980円である。
輸入元希望小売価格でいうと8,100円するそうである。
内容は、写真のとおり、GUIGALのローヌ赤・白、Faiveleyのブルゴーニュ・ルージュ、アリゴテ・ブズロン、
Maitre d'Estournel赤・白。
120セット限定販売というお知らせメールを受け取った当日の夜に慌てて申し込んだら、その時点で既に残り10セット。なんとか事なきを得た
(1日で売り切れたので、その後、もう120セット追加販売されていた)。とっても得をした気分。
これから順次当日記に登場する予定である。
2002年10月3日 BLANC
COTES-DU-RHONE 1999 / E. GUIGAL
コート・デュ・ローヌ(ハーフボトル) / E.ギガル
COTES DU RHONE地方、AC:COTES DU RHONE
ハーフ6本セットで購入した1本目。当日記では、このローヌ白は、既に98年ヴィンテージが登場している。
色は、ややオレンジっぽい色調のある黄金色で、もしかして劣化しているのかな?と思わせる。
香りは、最初、りんご、オレンジ的な丸い柑橘系、はちみつなどを感じるが、抜栓してしばらくたつと、酸化したような脂っぽさが出てきて、
心配が少し現実に変わる。それでもなお、決定的にヤバイというわけではないのだが。
味わいは、酸が結構強く、そのあとたっぷりとした甘味が広がる。
やや劣化しているのか、それとも個性なのか、とっても微妙な梅酒っぽい香りが残る。
今回は、評点づけしない方がよいだろうと思う。
なお、裏面エチケットに、セパージュが書いてあった。
Rousanne 33%、Clairette 25%、Viognier 25%、Bourboulenc 15%、Grenache blanc 2% ということらしい。
<評定不能>
2002年10月5日 BLANC
BOUZERON ALIGOTE 2000 / A. ET P. DE VILLAINE
ブズロン アリゴテ(ハーフボトル) / A&P ヴィレーヌ
BOURGOGNE地方、AC:BOUZERON (BOURGOGNE ALIGOTE)
ハーフ6本セットで購入した2本目。今日は、にぎり寿司を食するためにこれを開けた。
色は予想どおり淡い。香りは、非常に鋭利な感じのレモン系柑橘香。
味わいも香りの印象どおり、濁りがなく、すっきりとして、切り込むような酸が印象的。
しかし、ミネラル分もしっかりと感じ取ることができるので、薄っぺらい感じはない。
これぞまさに「看板に偽りなし」といった味わい。
このアリゴテというAOCは、通常15%まではシャルドネが認められているとのことだが、
ブズロン産でエチケットにもブズロンを名乗るためには、アリゴテ100%でなければならないそうだ。
このワインには、誇らしげに、"Appellation Bouzeron Controlee"と書かれている。
<評定:B>
2002年10月7日 BLANC
ALSACE KRITT GEWURZTRAMINER 1998 / MARC KREYDENWEISS
アルザス・クリット ゲヴュツトラミネール / マルク・クレイデンヴァイス
ALSACE地方、AC:ALSACE
上記6本セットとは別の1本。今日は、アルザスのゲヴュルツ。入手価格\1,500。
色はしっかりめの麦わら色。香りをかいだ瞬間に、ゲヴュルツだとすぐわかるライチの香り。
次いで、甘いマスカット香。ブラインドで試したとしても、すぐさまゲヴュルツと答えるだろうと思うが、
「え?本当にゲヴュルツでいいの?」と念押しされたとしたら、その時初めて、もしかしてミュスカかも、と考え直す
かもしれない。
更には、貴腐のようなシンナー的匂いと、歯磨き粉みたいなミントの清々しさも。
味わいは、甘味がたっぷりとし、酸は丸く、刺激は弱い。度数13%というのが信じられないくらいに優しい飲み口。
KRITTというのは、畑名とのこと。裏ラベルに「アンドロー村クリット畑」産と書いてある。
「ヴィオディナミ(biodynamic)栽培で、体にやさしい」との注釈つきだが、
鼻にも舌にも喉にもやさしい、女性的でとっても高貴なワインといえる。
ところで、アルザスのワインを飲むと、いつも困惑するのだが、ドメーヌ名をフランス語読みするのがよいのか、
ドイツ語読みが正しいのか、ということ。本当の正解は、ドメーヌ自身が何と名乗っているのかを調べない限りは判明しないのだろうが。
今回は、綴り字から、フランス語読みのほうがよいだろうとの判断による。
<評定:C>
2002年10月8日 ROUGE
BOURGOGNE 2000 / JOSEPH FAIVELEY
ブルゴーニュ(ハーフボトル) / ジョセフ・フェヴレイ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE
ハーフ6本セットで購入した3本目。
美しく輝きのあるルビー色。赤ベリー系の甘酸っぱい香りの中に、ピノらしいゴムのような香り。
口に含むとキュートな酸が広がり、甘味は香りの印象ほどではなく、抑制が効いている。
飲み込んだあとにじんわり広がるしなやかなタンニンが心地よい。
ACブルゴーニュほど、品質の差が激しい安ワインはないだろうと思う。それだけに、いつも冒険である。
当たることの少ない賭けだからこそ、当たるとかなり嬉しい。
<評定:B>
2002年10月10日 ROUGE
COTES-DU-RHONE 1999 / E. GUIGAL
コート・デュ・ローヌ(ハーフボトル) / E.ギガル
COTES DU RHONE地方、AC:COTES DU RHONE
ハーフ6本セットで購入した4本目。
濃いルビー色。香りは、ブルゴーニュの南部にも通ずるようなどこかゴムっぽい印象があり、かつ、どっしり感もある。
酸がしっかりしているので、相応のテンションがあり、冗長ではない。イチゴのような可憐なニュアンスもある。
ローヌだからといって、ネアカな開けっぴろげ的テイストではなく、控えめな気品を感じる。
実はこのワイン、つい2ヶ月ほど前にも同じヴィンテージを試している(フルボトル)。
その時とほとんど変わらない印象だが、パワーよりもおとなしさのほうに注目してしまったのは、
季節が秋に変わったせいだろうか。
<評定:B>
2002年10月14日 BLANC
MAITRE D'ESTOURNEL 2001 / BORDEAUX
メートル・デストゥルネル(ハーフボトル) / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX
ハーフ6本セットで購入した5本目。
色は淡いイエローグリーン。若草のような爽やかな緑の香り。苦味も想起させる。口当たりは予想以上にシャープで、
酸が喉を刺すほどのインパクト。甘味はほとんど感じない。すっきり感が特徴で、最後まで爽やかな飲み応え。
もう少しふくらみが欲しいところだが、このシャープさが個性なのか、まだ若すぎるからなのか。
ミュスカデの代用として飲んでもよいと思えるほどのすっきり感だが、ソーヴィニヨンらしさがちゃんとある。
不思議なワイン。
今日は、アジのたたきに合わせたが、生臭さをきれいに消してくれて、とてもよい組合せであった。
<評定:C+>
2002年10月16日 ROUGE
MAITRE D'ESTOURNEL 1999 / BORDEAUX
メートル・デストゥルネル(ハーフボトル) / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX
ハーフ6本セットで購入した最後の1本。
ボルドーにしてはやや明るめの色。芳醇なアルコール感に満ち、落ち着いたカベルネらしい黒っぽい香り。土の香りもほのかに。
口当たりは柔らかいが、思った以上に酸が際立ち、タンニンもかなり強く、ひっかかりがある。
一方、甘味は感じない。導入はなめらかなのに、後からじんわりパワーを感じる。素性がよくまじめなワインだといえる。
これで6本セットは終了したわけだが、総括すると、どれもクオリティが高く、価格以上の満足度を与えてくれた。
それぞれ品種の特徴がよくつかめるワインだったと思う。こういったセットものは大歓迎だ。
<評定:C+>
2002年10月17日 BLANC
KOBE WINE ELEGANT 2000 / (財)神戸みのりの公社
神戸ワイン・エレガント(神戸産シャルドネ100%) / 製造地:神戸市立農業公園 神戸ワイナリー
日本、神戸市西区押部谷町・平野町・北区大沢町
この間の日曜日、家族で神戸市立フルーツフラワーパーク(神戸市北区)に行ってきた。
ここは、財団法人神戸みのりの公社が運営するアミューズメントパークで、果樹園のほか、遊園地、バーベキュー場、
レストラン、ホテル、宴会場、クアハウス等がある。同市西区にある神戸市立農業公園・ワイン城とともに、
神戸市が観光と農業振興を目的として開発した施設だ。
同市が誇る農業産品である神戸ワインのすべてが、ここで入手できる。神戸ワインと言えば、地元関西では、
ちょっと大きな酒屋さんならばどこでも売られている。ただ、一般的なのは下級品の"スペシャル"、"セレクト"で、
"エレガント"はあまり見かけない。それで今回、初めて購入した。神戸産シャルドネ100%のワインだ。
色はグリーンがかった淡い麦わら色。香りの第一印象は、カリフォルニアやチリなど気候条件の良い地域で育ったシャルドネに
似て、甘く、ふくよかで、華やか。クリスピーな樽香があり、奥にヨーグルトのような感じと、ペパーミントのような清々しさもある。
味わいは甘味がふっくらとし、酸は適度。若干の苦味もある。あくまでも優しく、繊細。悪く言えばパワーがないのだが、
それはむしろ日本の気候風土を反映したこの国の味覚であると言える。
入手価格1,450円。この値段とクオリティを照らし合わせてA評価だが、心情的にはもっともっと特別な高評価を与えたいくらいだ。
日本の神戸という大都市の一角で、こんなにすばらしいワインが生み出されているということは驚きであり、
誇りにも思う。こんなに安い金額で入手できることが、申し訳ないとすら思う。
<評定:A>
2002年10月20日 ROUGE
KOBE WINE NOBLE 1999 / (財)神戸みのりの公社
神戸ワイン・ノーブル(神戸産カベルネ&メルロー100%) / 製造地:神戸市立農業公園 神戸ワイナリー
日本、神戸市西区押部谷町・平野町・北区大沢町
上記白と一緒に買ってきた赤。100%神戸産カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを使った本格的ボルドータイプ。
ややレンガ色に傾きかけた真紅で、若さに似合わず落ち着いた印象。芳醇なアルコール感の中に、
湿った土や枯草のような香り。鉄っぽい感じとタバコのようなスモーキーさも。口に含んだ瞬間のインパクトは強くないが、じんわり酸が広がり、
適度な甘味としっかりしたタンニンが共存。非常に上品。
ボルドーAOCと言われれば、素直に信じると思う。力のなさと、ちょっと甘い雰囲気を除けば。
しかしこれは、日本の気候風土の反映だろう。
ヒレ・ステーキ(テンダーロイン)に合わせたが、ややワインが弱いものの概ね合っていた。
入手価格1,750円。コストパフォーマンスを冷徹に評価すれば、厳しくせざるを得ないが、
日本でカベルネとメルローがこんなに育つのだという事実は、感動以外の何ものでもない。
<評定:C+>
2002年10月25日 ROUGE
CHATEAUX FAYAU 2000 / BORDEAUX SUPERIEUR
シャトー・フェイヨー / ボルドー・スペリュール
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX SUPERIEUR
コンクール受賞ワインがたくさん並ぶ売場で、色々試飲した末に選んだワイン。入手価格1,000円なり。
ランク的にはもっと上のワインも試飲したのだが、これが最もコストパフォーマンスが高かった。納得した上での購入。
色はボルドーにしては赤みが強く、深いルビー色。香りは、スパイシーでアルコール感豊か。
まるでローヌのようなあっけらかんと明るい印象があり、なめし皮のようなニュアンスもある。鉄分も感じる。
口当たりは、ほんのり甘く、その甘味がふわっと広がり、すんなり消えて行く。一方、タンニンは力強く、ひっかかりがある。
そのアンバランスさが魅力とも言える。
やはり金賞受賞ワインにありがちな、インパクトの強さは一流。ボルドーとしての正統派ではないが、
こんなに飲み応えがあって、記憶に残る味わいはなかなかない。その意味で、高い評価を与えてよいと思う。
なにしろ1,000円でこの味わいなのだから。
エチケットのデザインも高級感があって良い。
<評定:A+>
2002年10月26日 BLANC
MACON MILLY-LAMARTINE 2001 / CAVE DE PRISSE-SOLOGNY-VERZE
マコン・ミリィ・ラマルティーヌ / カーヴ・ド・プリセ・ソロニィ・ヴェルゼ
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:MACON MILLY-LAMARTINE
こんなAOCは今まで見たことがない。新しいものだろうか。
色は(変な表現だが)淡い黄金色という感じ。香りは、微かな柑橘香と、なぜかリースリングにも似た石油香が若干。
口当たりは刺激が弱く、丸っこい印象。甘味が広がり、酸もそれに追随し、良いバランス。奥行はあまりないが、
横に広がる感じのおおらかな味わい。
入手価格は\1,680。少し物足りない。パリのコンクールで金賞受賞らしいが、シャープさとふくよかさが同居している点が
評価されたのだろうか。どっちつかずという感じがしないでもないが。
ところで、当サイトでは仏語のアクサン(アクセント)記号を略しているため、綴りと日本語読みとの対応関係が
今ひとつよく分からないと思うが、この造り手名のうち、PRISSEの最後のEと、VERZEの最後のEには、
'(accent-aigu:アクサン・テギュ)がついているため、カタカナではそれぞれ、プリセ、ヴェルゼと表記している。
<評定:C−>
2002年10月28日 ROSE
ROSE DE CALON 2001 (Ch. CALON SEGUR) / BORDEAUX
ロゼ・ド・カロン / ボルドー
BORDEAUX地方、AC:BORDEAUX
あの、ハートマークのエチケットで有名なカロン・セギュールのロゼ。ちょっと前に、e-shopping wineにて購入した。
入手価格は\1,680。
色は正統派のロゼといった感じで、美しい輝きを伴うイチゴシロップのような色。香りは非常に引き締まった印象で、
目を閉じていたら白と区別がつかない。やわらかい酸を基調とし、そこに樽香が溶け込んだ感じ。
口当たりは極めてシャープ。レモンのような収斂性のある酸が口いっぱいに広がり、甘味は完全に影に隠れている。
飲み込んだ後には、苦味とやわらかな渋味がじんわり残る。
今日は、串揚げ(関西風に言うと、串カツ)に合わせた。インゲンや椎茸を塩だけで食し、
このワインを口に含むと、繊細さが絶妙にシンクロした。脂っこさも中和してくれた。
とてもよいマッチングだったと思う。
ロゼというのは、いつも合わせる食事に悩むのだが、今日はバッチリだった。
限りなく白に近く、エレガントさを持つロゼであった。
<評定:A>
2002年10月30日 ROUGE
MONTEPULCIANO D'ABRUZZO (D.O.C.) JORIO 1999 / UMANI RONCHI
モンテプルチャーノ・ダブルッツォ ヨーリオ / ウマニ・ロンキ
イタリア、ABRUZZO州
試飲をして納得したため購入したジャスト1,000円ワイン。
色は極めて濃く、やや青みがかっている。まるでインクか染料のようで、白い布を浸けたら深い青紫に染まりそうだ。
大ぶりのグラスでも底が見えない。
香りは、重みのあるヴァニラ香が広がる中に動物臭も感じ、極めてパワフル。大柄だが品もある。口当たりは、たっぷりとした甘味と共に
強い酸も感じるが、その酸が引っ込んで感じるくらいに甘味が充実。タンニンもワイルドで、口中にまとわりつく。
有無を言わさぬパワーには心底圧倒される。1,000円でこんなに大柄なワインはめずらしい。
派手なルックスで存在感バッチリ。肉感的美女だが、気弱な男は逃げ出すだろうなあって感じのOL30歳。そんなタイプのワイン。
<評定:A+>