2002年12月
2002年12月4日 ROUGE
RIOJA CRIANZA 1999 / EL COTO
リオハ・クリアンサ / エル・コト
スペイン、RIOJA地方、DOC:RIOJA
やや赤みが強く、濃い色。なめし皮と動物臭が、いずれも強くはないが適度に混じり合う。
樽のヴァニラ香が広がり、心地よい。重みはない反面、なめらかで、タンニンはやさしい。
余韻も適度。
高級な雰囲気があって、重すぎず、日常飲みのワインとして申し分ない。しかも底力があるので、
日が経っても味わいに変化が少ない(実は、今日開けたのではなく、数日前に抜栓した)。入手価格は、\1,456であった。
ところで、前回から少し間が開いたのは、今、殺人的に忙しいから。HP更新を無期限凍結でもしようかと思っているくらいだ。
しかし、それもフラストレーションがたまるので、こうして、たまに更新することにしよう。
こんな状態が、おそらく来月(来年1月)いっぱいか、再来月(2月)くらいまで続く。
<評定:B>
2002年12月9日 BLANC
CALITERRA SAUVIGNON BLANC 2001
カリテラ ソーヴィニヨン・ブラン
チリ、CENTRAL VALLEY
しっかりめのイエローグリーン。香りはグリーンな印象と共に、甘味も感じさせる。
まるでメロンのような感じ。それから、スイカの皮のような青臭さ、さらにはアボガドの皮のような匂いも。
刺激は弱く、まろやかで、酸もほどほど。すっきりとした甘味が広がり、後味には若干の苦味も。
とりたてて上質でないことはわかっているが、飲んで素直においしいと感じるワイン。
この適度な繊細さは、和食にぴったり。著名な大手が造る安心感のある製品の代表といった存在。
入手価格は1,100円。
<評定:B>
2002年12月17日 ROUGE
ISLA DE MAIPO MERLOT RESERVA 2000
イスラ・デ・マイポ メルロー リゼルヴァ
チリ、MAIPO VALLEY
ほとんど黒と言ってよいくらいに深い色。プルーンのように甘酸っぱく深い香り。しょうゆのような感じもする。
味わいも香りの印象そのまま。甘酸っぱく、やや粗雑。タンニンも少し引っ掛かる。
飲み応えという点では申し分ないが、もう少し気品のようなものが感じられるとなお良い。
あまりにも想像どおりの味で、新しい発見はなかった。チリのメルローとはこんな感じという代表格のようなワイン。
以前に同じつくり手のシャルドネ・リゼルヴァ、ソーヴィニヨン、
カベルネ・リゼルヴァと試しているが、これが一番凡庸である。入手価格\1,330。
<評定:C−>
2002年12月19日 BLANC
CHABLIS 2001 / DOMAINE BERNARD DEFAIX
シャブリ / ベルナール・ドゥフェ
BOURGOGNE地方、CHABLIS地区、AC:CHABLIS
淡いイエローグリーン。レモン的柑橘香と、セルロイドのような化学物質的香りを感じる。適度に深みがあり、
とげとげしくはない。味わいは、引き締まった酸とミネラル分を感じ、飲み込んだ後も豊かな旨みを残す。
ACシャブリにしては、余韻の長さがすばらしい。
入手価格は\1,590。店頭でNo.1セールスの白ワインとの説明あり。確かにコストパフォーマンスは高い。
日本人のシャブリ好きを考えると、これは良く売れるだろうなと思う。
<評定:B>
2002年12月24日 BLANC DOUX
SAUTERNES 2001 / MAISON DELOR
ソーテルヌ / メゾン・ドゥロール
BORDEAUX地方、SAUTERNES地区、AC:SAUTERNES
毎年恒例となった、クリスマスケーキに貴腐。今年は、なんとジャスト2,000円でソーテルヌをみつけた。
まったく期待はできないが、興味本位で購入した。
色は、ソーテルヌにしてはかなり淡い黄金色。PREMIERES COTES DE BORDEAUXくらいの色であり、
COTES DU LUBERONとか、チリのシャルドネでももっと濃いものがある。
香りはオレンジ的な酸が生き生きとしており、深みは感じられない。味わいも実に軽やかで、重みはない。
余韻も短く、さらっとしすぎている。値段相応、というより、値段にも満たない感じだ。
ただ、他地域の貴腐とは明らかに違う、ソーテルヌらしい優雅さの片鱗は感じられる。それが救いだ。
エチケットを見ると、"SELECTIONNE ET MIS EN BOUTEILLE PAR DELOR"とあり、生産者から買い付けただけの
びん詰め業者であることがわかる。
やはりケチるべきではなかった。3倍程度の値段を出しておけば、10倍くらいの満足感が得られるはずだったのに。
<評定:D>
2002年12月26日 BLANC
ARBOLEDA CHARDONNAY 2000 / CALITERRA
アルボレダ・シャルドネ / カリテラ
チリ、CASABLANCA VALLEY
パインジュースのような色で、とても濃密な味を連想させる。
香りは、蜂蜜や、よく熟れた桃、パイン、メロンなどを思わせ、さながらフルーツカクテルのようでもある。
味わいは確かに濃密で、それでいて酸も強い。苦味も少し感じる。後味にカスタードの甘さがある。
たっぷりとした飲み応え。長い余韻。どれをとっても満足のゆくもので、これぞチリのシャルドネという出来ばえ。
以前に同じシリーズのカベルネを試したが、その時の感動以上と言ってよい。
ボディに厚みがありながら、肝心なところはキュッと引き締まっている。名門の風格を漂わせながら、
ラテン系の明るい世界で生き生きと魅力を開花させている。まるで東大出身の菊川玲みたいなワインだ。
入手価格は\1,680。通常は2,000円程度するようだが、それでもお買い得だと思う。
明らかにブルゴーニュのシャルドネとはクオリティが違うけれど、満足度からいえば、ブルゴーニュの5,000円級には充分匹敵すると思う。
久々に「得をした」気分。
<評定:A+>
2002年12月30日 ROUGE
COTES-DU-RHONE 1999 / E. GUIGAL
コート・デュ・ローヌ / E. ギガル
COTES DU RHONE地方、AC:COTES DU RHONE
当日記では、基本的に同じワインが複数回登場することは少ない。
ところが、このギガルのACローヌ99年ヴィンテージは、ハーフボトルも含めて3度目である。
実は今回、ネット(e-shopping wine)でギガルの6本1万円セットを購入。その中に入っていたものだ。
購入理由は、セットの中身。ACローヌ赤&白、クローズ・エルミタージュ、ジゴンダス、シャトーヌフ・デュ・パプ、
そしてコート・ロティ。これで1万円(1本あたり1,666円)というのだから安い。輸入元希望価格のなんと52%オフ。
正直なところ、コート・ロティだけが欲しくて買ったといってもいい。
私は、好きなものを後に残すタイプであるから、当然のごとくACローヌから開けることにした。
色は美しい真紅。香りはブラックベリーやプラムのような甘酸っぱさにあふれ、ほのかになめし皮のような感じもある。
味は可愛らしい酸とじんわりした甘味。いつ飲んでも安定した品質はさすが。
通常であれば、1,600円くらいの商品なので、それを前提にB評価とした。
今回の一応の単体価格は980円だから、それを前提とすればA評価でもよいレベルだ。
<評定:B>
2002年12月31日 BLANC
ALEXANDRE GAUBERT 2000 / GRAVES
アレクサンドル・ゴベール / グラーヴ
BORDEAUX地方、GRAVES地区、AC:GRAVES
売場で試飲をし、納得した上で購入したもの。
色は日本酒程度。香りはソーヴィニヨンらしく、ムスクの妖艶さにオレンジ的酸が加わる。
口当たりは丸く、酸よりも甘味が優る。爽やかな飲み口ながら、コクが充分にあり、
マスカットのようなみずみずしい余韻が残る。
入手価格は\1,980。この価格で、これほど充実したボルドーの白はめずらしい。
当日記のターゲットである日常酒のレベルを超えている。
<評定:B>