2004年6月
2004年6月1日 ROUGE
PROYECTO CUATRO 2000 / BODEGAS CONCAVINS
プロジェクト・クアトロ / コンカヴァン
スペイン
権力に逆らうなという見せしめか。
ファイル交換ソフトWinnyの開発者が、昨日起訴された。著作権法違反幇助の罪だという。
私の見解を示せば、この起訴は行き過ぎだと思う。
開発者に著作権侵害という「犯罪」を蔓延させるような意図があったのならともかく、
それを使った人が犯した著作権侵害を幇助したとして責任を問うのはお門違いである。
「包丁を使った殺人が起きたからといって、包丁を作った人間を裁くのはおかしい」という意見に対し、
検察側は「Winnyは包丁ではなく、最初から犯罪を目的とした拳銃だ」と反論しているが、
そうであるなら、拳銃であるWinnyを使ったすべての人間が犯罪者だということになる。
こんな暴論を許せば、「容易に盗撮できるカメラ付携帯を作ったのも、使うのも違法だ」という主張だって通ってしまう
(まあ、そんな批難を受けないように、大きなシャッター音が鳴るように作られているわけだが)。
どうも今回の逮捕、起訴は、見せしめ的要素があるような気がしてならない(Winnyで情報流出してしまった京都府警の
腹いせではないか、という意見まである)。
秩序を乱すものは只ではおかないぞという権力側の勇み足ではないか。
この事件が、日本がコンピュータ技術において決定的に後れをとる要因にならないことを、祈るばかりである。
閑話休題。
Wine Shop Enotecaから購入した12本セットの8本目。非常に面白いスペインワイン。
その名もプロジェクト4(クアトロ)といい、エチケットには、
"4 GRAPE VARIETIES, FROM 4 SPANISH REGIONS, AGED 4 MONTHS IN OAK"
(4地域で採れた4つの品種から作ったワインをオーク樽で4ヶ月熟成)と書かれている。
4つの地域からのぶどうを使っているので、当然DO(原産地呼称)はない。
あえて既成概念を打ち破ろうという気概に満ちた作品。
まず、色は深いガーネット色だが、透明感もあり、若いせいかエッジはピンク色。
香りを嗅いだ瞬間に、おっ!これはイケてる、と思う。ブランデーのような深いアルコール感があり、
黒ベリー系の落ち着いた香りが豊かに広がる。
ビロードのような飲み口で、酸の刺激は弱い。ぎっしり詰まった果実味。タンニンは極めてなめらか。
味に統一感があるので、飲むほうの気持ちも分散せず、一心に飲み進められる。
地域とか品種の混在なんて、結果に何の影響もしていないというか、むしろ作り手が明確なコンセプトのもとに
味造りをすれば、こんなに完成度の高いものができるということだろう。
単体での通常価格は、\2,310(本体価格2,200円+消費税110円)。
私は、3,000円までなら出していいと思った。
私はいつもワインを飲むときに、これにいくらまでなら払えるかという観点で評価している。
出してもいいと思う金額と実際の価格がほぼ均衡しているものをC評価として、
お得感のあるものを、B評価としているわけだ。
<評定:B>
2004年6月4日 ROUGE
BOURGOGNE PINOT NOIR 2001 / HENRI MEURGEY
ブルゴーニュ ピノ・ノワール / アンリ・ムルギィ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE
自分の頭で物を考えてますか。
参院厚生労働委員会で、年金改革関連法案を与党が強行採決した。野党の質疑を途中で打ち切っての暴挙である。
(6月4日夜の現在、参院本会議は継続しており、野党が必死に抵抗している)
こんな野蛮なやり方を、断じて許すわけにはいかない。自民、公明の議員たちは、民主主義というものをまったくご存じないらしい。
この法案を巡っては、世論調査でも半数以上の国民が廃案にすべきだと答えている。
将来の給付水準などに関し、嘘で塗り固めた欠陥だらけの法案である。にもかかわらず、暴力的なやり方でとにかく通そうとする与党。
依然として首相(及び内閣)支持率は高いが、この状況を受けて、少しは変わってくるかもしれない。
この期に及んで「小泉さんだから支持する」なんて意見が出てくるとしたら、もう相当に脳天気というほかない。
というか、完全に洗脳されてしまっている。いや、イッてしまっている。
記者からの「廃案にすべきという国民の声が多いのですが」という質問に対し、
「まあ色々ありますからねえ」などとたわけたことを平然と言ってのける首相。もう救いようがない。
ここまで国民を愚弄して平然としている首相なんて、今まで見たことがない。ふざけるな。
こんな馬鹿げた政治状況を、放っておいてはいけないと私は思う。我々は、年金制度のみならず、
今後のこの国の政治のあり方について、今こそ自分たちの頭でしっかり考えなければならない。
12本15,750円セットの9本目。
透明感と輝きのあるルビー色。縁まで一様で、若々しい。
なめし革や土の香りがあり、グラスを回すと芳醇なアルコール感が立つ。
収斂性のある酸がチャーミングで、タンニンは繊細。重さはない。
由緒正しいスタイルのACブルゴーニュ。期待していなかっただけに、意外な感動だった。
値段を見ずに飲み始めたのだが、単体での通常価格が\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)だとわかった今は、
まあ値段相応なのかな、と思う。
ところで、先日(5/27)、当サイトには抜本改革が必要と書いたが、
その第一弾として、私のHome Townを紹介するページ「江坂タウンガイド」を誕生させた。
他地域の方もぜひ一度ご覧ください。
<評定:C>
2004年6月7日 ROUGE
CABERNET SAUVIGNON 2001 VALLE CENTRAL / BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD
カベルネ・ソーヴィニヨン ヴァレ・セントラル / バロン・フィリップ・ド・ロートシルト
チリ、MAIPO
問題の焦点をぼやかすな。
小学生殺傷事件をめぐって、案の定、ホームページの書き込みから動機を探るというような報道が続いている。
有力な手掛かりがつかめるかもしれないとの思いなのだろうが、このような検証は、益よりも害の方がはるかに多いと私は思う。
まず、最近の子供はゲームとかインターネットとか、バーチャルな世界に逃げ込んでいて、生身の人間同士のつきあいが希薄だから、
このような事件が起こる、などという短絡的な発想を助長する。
その結果、パソコンが悪い、携帯が悪い、ゲーム機が悪い、などというおバカな結論が導かれる。
機械が悪いと言っておけば一番楽であるし、何より大人自身の責任を回避することができる。実に安直な発想だ。
常々私が思っていることだが、世の中には、自分が子供だった頃のことを忘れてしまっている(もしかすると、それは意図的に?)
大人が多すぎる。子供というのは実に素直であって、それゆえにどうしようもなく残虐な生き物である。
誰しも子供の頃、他人のことを、「あいつなんか死んでしまえばいいのに」と思ったことはあるだろう。いや、
大人になってからだってあるだろう。ただ、大人はそれを理性で抑えているだけなのだ。
昨今、子供がとみに攻撃的になっているのは、まさに大人の世界をそのまま写しているだけだと私は思う。
自分の気にくわないことがあると、すぐに他人を口汚く攻撃する。意見の合う者だけで徒党を組み、
"敵"を頭ごなしに否定するばかりか、そういった自由が「権利」として認められているなどとうそぶく。
確かに自由な発言は守られなくてはならないが、その大前提として、何者をも思想的に排除しないというルールがあるはずである。
そんなこともわからない大人が多い社会では、子供も歪んでも仕方ないだろう。
挙げ句の果てに、「社会を正すためには躾を厳しく、体罰も辞さない教育を」なんて田吾作も現れる。
国旗掲揚を強要して喜んでるような手合いだ。
そういった形式主義に陥っている大人自身に、大きな責任がある。今こそ大人が(もちろん私を含めて)、自覚しなくてはならない。
12本15,750円セットの10本目。ほんの半月前にも同じものを開けているが、たまたまセットに入っていたから仕方がない。
もしやボトル差があるかも?と思いつつ臨む。
色は深いが若々しく、青みが強い。香りはいかにも南米のカベルネ。
カシス的な果実味が豊かで、
やや単調。甘味が強めだが、酸もある。タンニンは強くはない。
前回開けたときと、ほぼ変わらない印象。ボトル差はなかった。単体価格\1,575(本体価格1,500円+消費税75円)
に対して不足なし。
<評定:C>
2004年6月10日 SPARKLING
BOTTEGA IL VINO DEI POETI PROSECCO BRUT
ボッテガ イル・ヴィーノ・デイ・ポエティ プロセッコ・ブリュット
イタリア
やっぱり、という結果。
同志社大学政策学部のフェルドマン教授が、TVに出演した政治家の発言について分析したところ、
質問者の質問内容に対して正面から真面目に回答した率は2割以下で、8割以上は質問の主旨から外れた回答をしている
(話をそらしたり、笑ってごまかすなど)
という研究結果を発表した。
これは、生放送の討論番組などを1年間にわたって録画し、政治家の発言を分析したもので、
歴代の首相なども含まれている(残念ながら現首相は含まれていない)。
あいまいな返答が多い中にあって、比較的真正面から回答しているのは、東京都知事の石原氏や、元保守党党首の扇氏
などだという。
なるほど、言われてみれば納得の結果である。主義主張がはっきりしていてぶれない人というのは、質問にもまっすぐ答える。
でも、そういう人は極めて少数派だということであろう。
同教授曰く、現在の首相は、わかりやすい「一言」の印象が強いが、一方的な発言ばかりで、都合の悪い質問には答えない。
他の政治家と同じだとのこと。
これまでの政治家よりも悪いんじゃないかと私などは思うのだが。なにしろ嘘を強弁して、国民を催眠にかけ続けてきたんだから。
12本15,750円セットの11本目は、以前にハーフボトルが
2回登場しているスプマンテのフルボトル。
同じワインを繰り返し取り上げるのは本意ではないが、飲んだ以上はアップしないともったいない。
ハーフとフルボトルでは味の印象が違うかもしれない。
泡はパーッと盛り上がって、パーッと減衰する。やはりシャンパーニュとは違う。液色は極めて薄く、特徴に乏しい。
ほのかなハーブ香があって、くせがなく、ニュートラルな印象。口当たりは柔らかく、ほんのり甘く、
シードルのよう感じもする(それだけ果実味があるということ)。
ごくごく飲めるけど、それ以上にほめるべき所もみつからない。凡庸なスパークリング。
単体での通常価格は\1,680(本体価格1,600円+消費税80円)。こんなもんで納得すべきなんだろうか。
日常生活の中で、泡ものというと開けるタイミングに悩むところだが、私は純和食(しかも質素な)にぶつけることが多い。
22:30過ぎに帰宅した本日の夕食は、焼魚(太刀魚)、冷奴、大根+厚揚の煮物などという居酒屋メニューだったので、
ここぞとばかり泡の日とした。ビール代わりに軽快に楽しめた。
<評定:C−>
*この評価をしてから、前回、前々回
のハーフの評価を確認したら、なんとマイナスのないC評価だった。
この程度のぶれはあるということです。品質が、ではなく、私の評価が、ということね。
2004年6月11日 ROUGE
CHATEAU GIGAULT 2002 (CRU BOURGEOIS) / PREMIERES COTES DE BLAYE
シャトー・ジゴー(ブルジョワ級)/ プルミエール・コート・ド・ブライ
BORDEAUX地方、BLAYE地区、AC:PREMIERES COTES DE BLAYE
カラスの勝手でしょー、ってわけにもいかないのかな。
名前に使える漢字の種類を増やそうと、法制審議会・人名用漢字部会が改正案をまとめたと発表された。
案では、578文字を新たに追加したいとして、来月9日まで法務省のサイト
などでひろく意見を求めるという。
TVや新聞で大きく報道されているので、既にご承知と思うが、とても人名にふさわしいとは思えない字も含まれている。
例えば、厭、呪、癌、呆、姦、淫、妾、糞、屍、痔・・などである。
戸籍法の規定により、常用平易な字という制約はあるが、反対に、文字自体が持つ意味によって制限されるわけではないから、
とりあえずこういった漢字も候補に挙げられたものだろう。
世の中には突飛な発想をする親もいるから、名前として好ましくない字はやめるべきだ、という意見がある。
しかし、名前に込める思いはそれこそ十人十色なのであり、国が「それは好ましくない」などと決めつけることもなかろうと私は思う。
まあ確かに、痔郎くんとか淫美ちゃんとか厭美ちゃんなんてそれこそ厭だな。でも、どんな思いを子供に託すのかは基本的に自由であり、
そもそも字を限定すること自体、大きなお世話だとも思える。もっと自由に名前を変えられるようにすればよいとも思う。
ところで私は、自分が小学生の頃から、将来子供ができたらこういう名前にしよう、などと具体的に考えていた。
なぜそんなことを考えてたのかは今となっては定かでないが、おそらく自分自身の名前をあまり気に入ってなかったからだろう
(今では気に入ってマス)。
実際に自分の子供ができたとき、妻にそのこと(考えていた名前)を話すと、「それ、いい」という。
結局、読み方は変えたが、考えていたそのままの漢字を息子の名前にした。
考えた当時は、そんな名前はほとんど見たこともないような(突飛な)名前だったのに、
数十年経った今、わが息子の名前は、なんと世間でポピュラーな名前のベスト5には入るほど、ありふれたものになっている。
街なかで見ず知らずの人がウチの子の名前を呼んだと思って振り返ると、その人の子供を呼んでいただけだった、なんてことがよくある。
そのくらいありふれている。私は、自分の先見性が恐ろしいくらいだ。
ちなみに、女の子なら「さやか」という名前にしたいと、30年以上前から思っていた。
これも当時はあまりポピュラーではなかったが、今ではありふれた名前である。但し、「微風」という漢字を当てるつもりだった。
また、第2候補は「彩(あや)」で、第3候補は「あい」だった(女の子の名前はいっぱい考えてたのだ)。
どれも最近多い名前である。
さて、12本15,750円セットの最後は、ボルドー、ブルジョワ級。
色は典型的なボルドーらしく深いガーネット色。但し、エッジはピンク〜透明で若々しい。
若いわりには枯れた感じの香りが好印象。深いアルコール感と土の香り。グラスを回すとブランデーのような香りになってくる。
味はかなり細身。酸が強く、甘味はほとんどなく、パワーもあまり感じられない。
でも、素性はとてもいい。この繊細さを楽しむべきワインだろう。
単体での通常価格は、\2,625(本体価格2,500円+消費税125円)。2,000円台前半が妥当じゃないだろうか。
ところで、フランス語の綴りって難しいよね、という典型かもしれない。
meursaultをムルソーと読める人なら、このgigaultもジゴーと読めるよね。基本的に最後の子音は読まないってのがルールだけど、
このように2文字読まないケースも多々ある。
<評定:C−>
2004年6月12日 BLANC
MACON-BURGY "LES PRUSETTES" CUVEE LEVROUTEE 2002 / VERGET
マコン・ブルジィ "レ・プリュセット" キュヴェ・ルヴルーテ / ヴェルジェ
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:MACON-BURGY
消費者には、とんだ茶番にしか映らないが。
台湾製液晶テレビの輸入販売をめぐって、取引中止問題にまで発展したスーパーのイオンと家電大手のシャープが、
一転して和解した。
事の発端は、イオンが独占販売していた台湾製液晶テレビが自社の特許権を侵害しているとして、
シャープが、製造元の東元電気グループ(台湾)に生産中止を求め、併せて輸入、国内販売の差し止めも申し立てたこと。
それにへそを曲げたイオンが、シャープに対して取引の全面中止を申し入れた。
イオンは「事前に説明を受けていない」といい、シャープは「説明したつもり」だったらしいが、
あわてたシャープがすぐさまイオンに謝罪に訪れたとのことで、すばやく和解となった。イオンは当面、この製品を店頭から撤去するという。
両社とも必死なのはわかる。が、そんなにプライドが大切か?と思う。業界の雄となってからのイオンには、
驕りの匂いがぷんぷんする。順番とか、筋とかを大切にするのは、大企業病の典型である。
イオンには顧客からの批判が多くあったといい、それが和解への引き金になったらしい。当然である。
消費者のいないところでのつばぜり合いではなく、メーカーと販売店は、もっと本質を議論して共存共栄を図って欲しい。
本日登場は、少し前にネットでe-shopping wineから入手したもの。
色は濃いイエローで、ねっとりした感じ。香りは、ちょっとした驚きがある。
まず、ナッツの香ばしさが立ち、緑茶かほうじ茶のような焙煎香がある。
グラスを回すと、それが更に強くなる。時間を追うごとに、オレンジやヨーグルト香も出てくる。
この妖艶な香りだけで、お腹がいっぱいになりそう。
オイリーな口当たりで、乳酸たっぷりという甘酸っぱさだが、決してぼやけてはいない。苦味も適度にある。
肉感的なのに、締まるところは締まっている。
入手価格は\2,780(本体価格2,648円+消費税132円)。品質は良いが値段もいい。
最初、ナッツのはじける香りからただならぬものを感じ、
安ワインのイメージが強いマコンらしくないと思ったが、飲んでみてやはりコートドールとは違うなと。
でも、絶対的な品質としてはかなり上質です。2,500円なら迷わずB評価なんだけど、もう一歩足らずのC+。
ところで、今日、ランチにフレンチを食べに行った。自宅から歩いてすぐの所にあるPoisson Frais
という店で、前から気になっていた所。素材よし、味付けよし、値段も手頃(ランチ\1,400〜)。
本当は頻繁に利用したいところだが、子供が小学校低学年なので、当分むずかしいかな(今日もほとんど子供の食べるものはなかった。
今日は親の勝手を通したので、明日は子供の好きな讃岐うどんを食べに行く予定)。
ともあれ、近所にこういう優れた店があるのはうれしい。
<評定:C+>
2004年6月13日 ROUGE
MOREY-SAINT-DENIS "CUVEE TRADITION 2001 / DOMINIQUE LAURENT
モレ・サン・ドニ "キュヴェ・トラディシォン" / ドミニク・ローラン
BOURGOGNE地方、COTE DE NUITS地区、MOREY-ST-DENIS村、AC:MOREY-ST-DENIS
今日は、手前味噌。
サイトを運営している以上、どれだけ多くの人が見てくれているかということはかなり気になる。
当サイトにも少なからぬ読者の方からメールを戴くけれど、毎日のようにチェックしていますとか、
ブックマーク(お気に入り)に登録していますというメールは特にうれしい(皆さん、ありがとうございます)。
人気の度合いを手っ取り早く計るためには、検索エンジンでどれだけひっかかるかを見る手がある。そこで、やってみた。
使ったのは、今や最強の検索エンジンと言われるGoogleである。
まず、当サイト名関連から。
"K氏"・・・・・約47,400件中、第2番目 "葡萄酒"・・・・・約20,400件中、第17番目 "日常"・・・・・約2,270,000件中、第295番目 |
"利酒"・・・・・約3,230件中、第3番目 "ビール・発泡酒"・・・・・約90,700件中、第43番目 "ビール・発泡酒・チューハイ"・・・・・約19,500件中、第3番目 (ちなみに1、2位は、キリンビールのサイト) |
2004年6月16日 ROUGE
MACON-LA ROCHE-VINEUSE 2002 / DOMAINE ARCELIN
マコン・ラ・ロッシュ・ヴィヌーズ / アルスラン
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:MACON-LA ROCHE-VINEUSE
愛って何なのか、わかりますぅ?
与党による教育基本法改正の検討会が、中間報告をとりまとめて公表した。
自・公の間で焦点となっていた"愛国心"に関する記述は、「郷土と国を愛し」とする自民党案と、「郷土と国を大切にし」とする
公明党案とを併記したらしい。
自民党のセンセイ方は、よほど日頃、愛のない人生を送られているみたいですなあ。
国なんか愛して、何か愉快なことでもあるの? それを法律に書いたからといって、愛あふれる人間の形成ができるとでも思ってるのかね。
こういうことを考えるヒトって、誰かを(何かを)真剣に愛したことがないんだと私は思う。
こんなくだらん議論をする暇があったら、配偶者(妻・夫)に「愛してる」の一言でも言ってあげたらどうかね。
あ、そうか。そんな気持ちなど毛頭ないから、対象を郷土や国などというわけのわからんものにするんだね。
公明党のセンセイ方も、郷土や国を大切にする暇があったら、家庭を大切になさったらいかがかな。
愛という言葉を避けたのは、あなた方が最も愛しているのは、 自民党 与党の座 だからなんだね。
さて、私の愛するワインの話題にいこう。
以前に白を飲んだことがあるが、今日は同じ造り手の赤(但し、ヴィンテージは違う)。
色はやや青みが入り透明感のあるルビー。香りはぎっしりと凝縮感があり、
ブルゴーニュ的な皮革っぽさと、ボージョレ的なインクや赤ベリーが共存。
味は思いの外シャープ。酸が若々しく弾んでいて、甘味はない。タンニンはシルキー。
正確な入手価格を忘れてしまったが、白と同じであるなら\1,575。多分そんなものだったと思う。
マコン・ルージュで、こんなに緊張感のある味わいは初めてかもしれない。お買得です。
<評定:B>
2004年6月17日 BLANC
CROZES-HERMITAGE 2001 / E. GUIGAL
クローズ・エルミタージュ / E.ギガル
COTES DU RHONE地方(北部)、CROZES-HERMITAGE地区、AC:CROZES-HERMITAGE
はっきり言います。小泉政権もついに末期を迎えたと。
日本も多国籍軍の「一員」として加わると、首相は明言した。しかし、多国籍軍参加がいつから合憲になったのかという野党からの質問に対して、
何一つ満足のゆく答えができない。多国籍軍は時に武力行使に及ぶこともあるが、
日本は人道支援・復興支援に専念するから戦争に行くのではないとか、6月30日には主権移譲がなされることになっているからとか、
暫定政権の大統領からも要請があるからとか、
とにかくその場をやり過ごすような返答しかできていない。「まったくお話にならない」と、民主党岡田代表が言っていたが、
私もまったく同感である。
その首相が追随する米大統領に目を転ずれば、アルカイダとフセイン政権との直接の協力関係を示す証拠はないとする報告書に対して、
何ら説得力のある反論もできずに、ひたすら自分の決断は正しかったと強弁している。
人生いろいろ。為政者もいろいろ。アホもいろいろである。
Unified commandを、「統合された司令部」と訳し変えた手法も安っぽい。uniってのは仏語のun、西語のuno、つまり1だからね。
unifyは「1つにする」以外の何物でもない。どうせなら、自衛隊をイラクから「転進」したらいかがか。
この期に及んで、米国支持一辺倒の首相を擁護するような世論がまだ残存するんだろうか。
そういう族はどうしようもない低脳集団にしか私には見えないが。
ただ、これもはっきり言っておくが、私は民主党支持者でもなんでもなく、
そのような"支持組織ありき"的発想を最も嫌う人間だから、その時々で真っ当と思う意見を支持するだけである。
最近の各政治家の言動を見る限りにおいて、岡田さんの言っていることのほうが数段まともだと思うに過ぎない。
今日のワインは、当日記ではかなりおなじみのギガル。もうとっくに登場していたかと思いきや、この白はまだだった。
色はしっかりめの麦わら色。りんご的果実香に、マヨネーズのような香り。マーガリンと言ってもいい。
つまり、少し間延びしたオイリーさとでも言おうか。
酸は決して弱くはないが、それよりもだらっとした甘味が気にかかる。締まりがなくて、どんよりしている。
苦味はあるものの後味を締めるまでには至らない。
入手価格は\2,310(本体価格2,200円+消費税110円)。えっ?と思うような肩すかしを食らってしまった。
正直な話、1,000円台前半が妥当だと思う。一応D評価だが、限りなくEに近いD。
<評定:D>
2004年6月19日 BLANC
COTES DU JURA CHARDONNAY "VIGNE DES VOISES" VIEILLES VIGNES 2001 / JEAN RIJCKAERT
コート・デュ・ジュラ シャルドネ "ヴィーニュ・デ・ヴォワゼ" ヴィエイユ・ヴィーニュ / ジャン・リケール
JURA地方、AC:COTES DU JURA
今日は、私の身近な話題を。
せっかく良い店だったのに閉店してしまった喫茶店が近所にある。
同じ場所で、同じ内装を使って新しい店ができていたので、今日、行ってきた。
このサイトで「珈琲主義」というページを持ち、こだわりのある私としては、店に入る前から店構えで良否がわかってしまう。
外観からして「ダメだな」と思いながら、一応入ってみたが、
やっぱり予想どおりであった。
店というのは、経営者の思想がそのまま映し出されるものである。
店員が声を出さない。客がいても平気で雑談をしている。客がレジに向かっても気づかないことがある。
なんとオーナーとおぼしき人間が、率先して雑談に興じているのだ。これではバイト店員の教育などできるはずもない。
「お客様は神様」と思え、などと私は決して主張しているのではない。サービス業であっても、
店と客は対等というのが私の持論だ。だからこそ、神様に接するようなわざとらしいマニュアル接客ではダメなのであり、
自分の商売に対する「誇り」こそが最も大切なのだ。
私は、経営者の「誇り」が感じられない店は絶対に評価しない。
たとえ味が素晴らしかったとしてもである。誇りの有無は、接客態度に端的に表れる。
そして、そこでほとんどすべてが決まってしまう。
接客態度というのは、サービス業の基本であり、味を評価する以前の問題だからだ。
この店が特殊なのではなく、世の中には、このような店がごまんとある。特に喫茶業界は。
日本の喫茶業界は、まだ発展途上なのである。
今日のワインは、ネットでe-shopping wineから入手した、
当日記では絶賛しまくりのリケール。なんとジュラのシャルドネ。
色はレモンイエロー。香りは、まずナッツの香ばしさがバーンと出て来て、その奥にオレンジ的柑橘香。
白木のような感じもある。
香りの第一印象がファットなのに比べると、味わいはとてもシャープ。レモンのような収斂性のある酸が立ち、
重みは感じない。ただ、後味にカスタードのようなミルキーな感じがあって、飲み応えは十分。
飲み進めるほどに、クリーミーさが蓄積されてゆく感じ。
導入部の鋭い酸と、その後のまろやかさが若干分裂気味ではあるが、この多彩さはある意味驚きである。
入手価格\2,380(本体価格2,267円+消費税113円)。今回も期待を裏切らない。思うにリケールのワインというのは、
どれも妖艶で官能的、つまり色っぽい。見た目は楚々としていて、見え透いた小細工などは使っていないのに、である。
だからこそ、蟻地獄のように引き込まれてしまう。
相当、私の嗜好が入ってしまっているかな。
ところで、"voises"を"ヴォワゼ"と読んだが、エチケットにアクサン記号が付けられていないので、正解はわからない。
もしeにアクサン・テギュあるいはアクサン・グラーヴが付かないとすると、
"ヴォワーズ"が正解かもしれない。
<評定:A>
2004年6月20日 ROUGE
DOMAINE DE BILA-HAUT OCCULTUM LAPIDEM 2002 / COTES DU RUSSILLON VILLAGES LATOUR DE FRANCE / M. CHAPOUTIER
ドメーヌ・ド・ビラ・オー オキュルトゥム・ラピデム / コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ・ラトゥール・ド・フランス / シャプティエ
LANGUEDOC-ROUSSILLON地方、AC:COTES DU RUSSILLON VILLAGES LATOUR DE FRANCE
子供を指導する前に、大人を指導せねば。
福岡県の公立高校で、授業中に居眠りをした生徒に対し、教師がカッターナイフを渡し、
自分の血で反省文を書くように命じたという。
生徒は自らの指を切り、実際に血で反省文を書いたらしい。
こういう事件(体罰等)が起こると、決まって次のような釈明がなされる。
いわく、熱心に指導をするあまり、行き過ぎてしまった、と。
実際、この学校の校長も、新聞の取材に対してそのように語ったという。
熱心なあまり暴力になるという論理自体、まったく不可解である。
熱意が行き過ぎると体罰になるというのは、昔から言い古されたことではあるが、
感情を抑制しきれないガキっぽい教師の単なる言い逃れに過ぎない。
熱意があろうがなかろうが、このような粗暴な人間に、他人の指導をする資格はない。
即刻辞めさせるべきである。
佐世保の小学生殺害事件など、最近は子供の行動の凶暴性が指摘されているが、
その原因はすべて大人にある。こういう暴力的な人間が平気で教師をしているような学校に、
子供の適切な指導などできるわけはない。今、躾が必要なのは、大人に対してではなかろうか。
本日登場は、初体験のAOC。というか、こんなAOCがあることすら知らなかった。
ある程度予想できたことではあるが、グラスに注いで改めて驚いた。
まるでドロっと粘性があるかのように、液色が極めて濃い。
普段使っている700ccのボルドー型グラスでも、向こうがまったく見えないほどである。
墨汁や甘苦い薬草の香りで満たされており、付け入る隙を与えないような感じ。
口に含むと粉っぽく、重い。凝縮感は抜群で、薄めなければいけない濃縮ジュース(コンク)を、そのまま飲んでしまったかのよう。
タンニンがこれでもかとまとわりつく。酸も強い。
入手価格は\1,680(本体価格1,600円+消費税80円)。そもそもこのクラスにきれいなまとまりは求めないが、
それにしてもここまで奔放だとは、見事である。これをおいしいと感じる人は多くはないかもしれないが、
二の句を継がせないパワーは、特質に値する。
南仏の太陽を思わせる陽気なワイン。
<評定:C+>
2004年6月22日 BLANC
VIRE-CLESSE 2001 "L'EPINET" / JEAN RIJCKAERT
ヴィレ・クレッセ "レピネ" / ジャン・リケール
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:VIRE-CLESSE
政治への思いは、投票で表そう。
内閣支持率が急落しているらしい。朝日新聞の調査によると、支持が40%、不支持は42%となって、
逆転したという。
もちろん、政府に批判的な新聞だから、こういう調査結果を大々的に報ずるわけだが、
事実としてこの数字には大きな意味がある。
17日の当日記で、この期に及んで首相を支持する世論が残存するんだろうか、と書いた。
やはり世論は動き出しているようである。
支持率が下がっていることに対して、首相は「上がる時もあるし、下がる時もある」などと言っているが、
これは、株価が下がったときのコメントとまったく同じである。下がった時には「一喜一憂などしない」と豪語し、
上がったときには「構造改革の成果だ」と言う。自分の都合の悪い時には訳のわからん言葉でごまかし、
手柄にしたい時だけは大げさに言う、お得意の(しかし見え透いた)手法だ。もう、尻尾つかまれてますよ。
今度の参院選は大きな転換点になるはずだが、悲しいことに、必ずしも人々の関心は高くないようだ。
だが、昨今の状況は、わざと政治不信を抱かせるような話題が前面に出て、投票率を下げようとする意図すら見える。
投票率が下がれば、現与党が有利になる。そんな姑息な手口に乗ってはいけない。
どのような未来を望むにしても、投票という権利を行使することでしか、我々国民の意思は政治に反映されない。
今こそ一人一人が問題意識を喚起しなくてはならない。
閑話休題。
このリケールのヴィレ・クレッセ01ヴィンテージは、実は2度目の登場。
前回とても衝撃的だったので、今回もネットでe-shopping wine
からリケールを何本か購入するときに、迷わず選択した。
3日前に開けたジュラが少し残っていたので、これとどれほど違うか比べてみようと思い立った。
色は淡く、あまりパワーを感じない。香りは白い花のような柔らかなもので、上質なシャルドネにある香ばしさがあまりない。
この点は、同じワインを前回に開けたときとは、大きく異なる。
味わいもやや緊張感に欠ける。確かに金額(2,205円=本体価格2,100円+消費税105円)からすれば、多くを望むことはできないのだが、
期待が大きいあまり、あれれっ?と思った。先日開けたジュラのほうが酸に特徴があり、テンションが高かった。
こちらは、ボトル差なのか、いや、おそらく保管状態の問題だろうと思うが、
以前の印象とはだいぶ違って、間延びした感じだ。ただ、後味に妖艶さはちゃんとあるのだが。
前回から1年が経っているので、その時間が問題か。
こういうこともあるだろう。だからワインは恐くて、面白いのだ。決して不味いわけではないから、損があったわけではない。
<評定:C+>
2004年6月23日 ROUGE
BOURGOGNE-PASSETOUTGRAIN 2002 / DOMAINE RAMONET
ブルゴーニュ・パストゥグラン / ラモネ
BOURGOGNE地方、AC:BOURGOGNE-PASSETOUTGRAIN
単純な正邪二元論が席巻しないことだけを祈る。
イラクで武装勢力に拘束されていた韓国人が、予告通りに殺害されてしまった。
犯行グループの要求は、韓国軍の撤退だったが、当初から韓国政府は、撤退はしないという姿勢を打ち出していた。
それが、最悪の結末を招いた。
今、韓国国内では、特殊部隊を送り込んで敵を攻撃すべきだ、などという世論も沸き上がっているという。
憎しみの連鎖は、さらなる悲劇しかもたらさないのに、被害者となってしまえば、もはやそんな冷静な判断もできなくなるのだろう。
「野蛮な行為に屈するのは、暴力を容認することになる。毅然とした態度で臨まなくてはならない」という主張は、
興奮した世論を惹きつける麻薬のようなものではあるが、それは破滅へと導く論理でしかないと私は思う。
そもそも正義とはほど遠い米国の独善に付き合っていること自体が、過ちなのである。小泉さんだけでなく、
盧大統領も、ブッシュ病に蝕まれているようだ。大統領が人質を殺した!と叫んでいた韓国人がいたが、その通りだと思う。
韓国のみならず、日本にとって、世界にとっても重大な出来事であるにもかかわらず、
日本のメディアのこの事件の取り上げ方は、おとなしすぎる。
「悪を倒すべき」などという世論がこれ以上盛り上がらないことを祈る。こんな事実の積み重ねによって、
世界は取り返しのつかない事態に入ってゆくのだ。原因を冷静に突き止める冷静さを持たなければならない。
「悪を懲らしめろ」などという主張こそ、独善的で恐ろしいものなのだ。
今日のワインは単品入手のパストゥグラン。阪神百貨店にて\2,100(本体価格2,000円+消費税100円)。
若々しいルビー色。ピノ的なゴムか皮革のような香りと、ガメイ的なイチゴの香りのバランスがよい。
グラスを回すと、かなり皮革っぽさが出る。
思いのほか酸のアタックが強く、ブルゴーニュだなあという感じ。果実味はほどほど。
甘味は感じない。
パストゥグランらしさがきっちりとありながら、それだけで終わっていない。
なかなかの実力だが、値段を考えれば、トントンって感じか。
<評定:C>
2004年6月26日 BLANC
VIRE-CLESSE "EN THURISSEY" VIEILLES VIGNES 2001 / JEAN RIJCKAERT
ヴィレ・クレッセ "アン・テュリセイ" ヴィエイユ・ヴィーニュ / ジャン・リケール
BOURGOGNE地方、MACONNAIS地区、AC:VIRE-CLESSE
驚いた演説の話。
選挙戦が始まり、駅前で候補者が演説をしていた。
たまたま通りかかり、信号待ちの間、聞くともなく聞いていたら、こんなことを力説していた(何党かは確認しなかった)。
「私達は、今のこの日本の制度を守りながら、さらなる発展を目指しています。
ところが、この制度を壊し、日本を中国や北朝鮮のような自由のない国に作り替えようとしている勢力があります。
そんなことを許していいのでしょうか。私達は、この日本を、誇りのある、世界に冠たる国として育てたいと思います・・」
はあ?と思った。言うに事欠いて、それはないだろう、と思った。
特定の政党を批判した発言であることはすぐにわかったが、北朝鮮のような国って・・。
そんな国を目指すって、一体誰が言ってるんだ。
私は、無論、その批判されている政党の支持者ではないけれど、こういう頭の悪い発言をする人間が大嫌いだ。
こんなバカが政治家になってもらいたくない。だいたい、「世界に冠たる国」などという発言をする人間には絶対に投票しない。
こういう演説を聞いて、
「その通りだ。日本が北朝鮮のようになったら困るから、この人に投票しよう」と思う聴衆が結構いるんだろうな、と思うと、
憂鬱になる。
願わくは、一人でも多くの有権者が、すべての候補者の掲げる公約を正しく、冷静に判断して、政党ではなく、人物に投票して欲しい。
本日登場は、ネットでe-shopping wineから入手したリケールの3本目。
エチケットの文字色が茶色なので、これは自社畑の印だったと思う。
色は黄色。しっかりめ。オレンジやカスタードの香りに、ナッツの香ばしさ。
口中で甘酸っぱさが爆発し、空気とよく混ぜると、ムスクのような妖艶さが出てくる。
爽やかというタイプではないが、厚みのある酸が印象的。
入手価格\2,580(本体価格2,458円+122円)。このテンションの高さは、さすがである。
<評定:B>
2004年6月27日 ROUGE
CHATEAU BEYCHEVELLE (GRAND CRU CLASSE) 2001 / SAINT-JULIEN
シャトー・ベイシュヴェル(グラン・クリュ・クラッセ / 第4級)/ サン・ジュリアン
BORDEAUX地方、HAUT-MEDOC地区、ST-JULIEN村、AC:ST-JULIEN
狭量な世の中を変えるためには。
ちょっと前の話だが、TVで、癌と闘っている女性シンガーソングライターの闘病と音楽活動を紹介する
ドキュメンタリー番組を放送していた。
まあご存知の方はお察しがつくと思うが、長年様々な病気と闘っている人だ。
その番組の中で、信じがたい光景があった。
彼女のHPに寄せられたメールの中で、こんなものがあったのだ。
「あなたは一体何をしたいのかわからない。病気を売り物にして、
同情して欲しいの? 有名になりたいの?」
どうしたらこんな発想ができるのか。TVを見ながら、私は言葉を失った。
人の身になって物事を考えられない、あまりにも偏向的で視野の狭い発言。
しかし、次の瞬間、こうも思った。実は最近、この手の狭量さが、この国には蔓延している。
自分の目線でしか世界を見ることができず、他者はすべて自分を脅かす存在であって、
自分を守るためならば、平気で他者を薄汚い言葉で罵る。
こういう風潮を、一部のお年寄り連中は嘆いて、「規律を重んぜよ」などと叫んでるんだろうな。
「個人の尊厳を大事にしすぎるから青少年犯罪が増える。個人の尊厳など抑制する方向で、
教育基本法を改正せよ」と。
ちょっと待って欲しい。そういう発想こそが、狭量な世の中を作っているんだ。
やろうとしている方向が、まったく正反対だぞ。
個人の尊厳を守り、お互いに自由を保障しあうこと。その中でこそ、
他を思いやる余裕が生まれてくるのだ。
病気や障害に限らず、他者の背負っている状況に思いを致し、
あらゆる他者の存在を許容しあうこと。そのための第一歩が、自分で物事を考える
アタマを養成することである。
ルールを強化し、思考停止状態を喚起するのは、まったく正反対の愚行である。
さて、本日は日曜スペシャル。
ちょっと前にネットでe-shopping wineから入手した、一応格付もの。
01ヴィンテージということで、少し青いが、色の深みは十分。
なめし革、土、墨汁、ハッカなどの香りを感じる。若いわりに、結構深淵。
まだ細身で、酸が強いが、口に含んでいるとやんわりとした甘味を感じる。
しかしそれも飲み込んだ後にまでは残らず、後ろ姿はスッとしている。
タンニンはなめらかで、引っかかりがない。だから、何口でも飲みたくなる。
ただ、重さも華やかさも今ひとつなので、近寄りがたいグランヴァンというよりは、
気軽に飲める良いワイン。
高貴な香りがあって、適度に凝縮感もあって、日常の食事にも合わせられて、ワインだけ飲んでも満足感がある。
素直においしいと言える。
入手価格\3,969(本体価格3,780円+消費税189円)を考えればこのクオリティは当然だが、
当日記としては破格。
決して安くはないけど、4千円でこんな幸せが買えるのだから、
ワインってやっぱり素晴らしい。
世情に対する怒りも、ひととき忘れてしまうほど。
<評定:C+>
2004年6月29日 BLANC
DOMAINE DE GOURNIER SAUVIGNON 2003 LES VIEILLES VIGNES / VIN DE PAYS DES CEVENNES
ドメーヌ・ド・グルニエ ソーヴィニヨン レ・ヴィエイユ・ヴィーニュ / ヴァン・ド・ペイ・デ・セヴェンヌ
VdP
ほんとうに平和を願っているのか。
当初の予定を前倒しして、28日、イラク暫定政府に主権が移譲された。
テロの発生などを考慮したためと言われているが、それだけ治安が悪化しているということの証左でもある。
主権移譲に伴い、自衛隊が多国籍軍に参加することになった。これについては、これまでもしつこいくらいに言ってきたので、
今日はあえてこれ以上は言わない。
ただ、これまで多くのイラク人が犠牲になり、拘束された人質も殺されるという事態を招いた原因は、
いったいどこにあるのか、米国の大統領や日本の首相に聞いてみたい。
まさか、すべてフセインのせいだ、などと言うんじゃないだろうね。
自由と平和を願うといいながら、ただ自分たちの論理を押しつけることが、どういう結果をもたらすのか。
事態を厳粛に受け止めなくてはならないのに、そもそもその程度の頭すら持ち合わせていない人間が
大統領そして首相を勤めていることの悲しさよ。
今日のワインは、単品入手のVdP。
色はやや深いイエローグリーン。リンゴの密+深緑の葉の香り。
甘そうで、酸っぱそうで、青臭そう。つまり、色んな香りが拮抗している。
味わいもとてもふくよか。ぴりっとした辛みがありながら、甘味が豊か。
ミルキーで、かつ、きゅっと酸っぱい。マヨネーズのような後味が印象的。
VdPだから素直なソーヴィニヨンらしさなどあまり期待してはいないのだが、
予想以上にふくよかで、驚いた。南仏を通り越して、ニューワールドっぽい。
パワフルで個性豊かな点は評価できる。が、入手価格\2,100(本体価格2,000円+消費税100円)を考えれば、
もう少し高貴な感じがあってもいい。
阪神百貨店にて購入。売場のPOPに「こんなすばらしいVdPみつけました」ってなコメントがあった。
まあ、確かにVdPの普通の枠を超えてるかもしれないけど、値段を考えるとねえ・・。
1,000円だったら大絶賛なんだけど。
<評定:C−>
2004年6月30日 ROUGE
LACRYMA CHRISTI DEL VESUVIO (D.O.C.) 2002 / FEUDI DI SAN GREGORIO
ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスヴィオ / フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ
イタリア、CAMPANIA州
ライブドア・バファローズに、大賛成!!!
球団合併問題に揺れるプロ野球、パ・リーグに大激震。バファローズを買いたいと、
インターネット事業のライブドアが、名乗りを上げた。
今回の合併劇に関しては、ファン不在の中で話が進行していて、とても納得のゆくものではなかった。
本拠地(大阪or神戸)の問題、選手の問題、リーグ存続の問題など、これですべてが解決できるかもしれない。
しかし、この申し出に対する球界のお偉方の反応は、とても冷たい。
まるで、「せっかく合併話がまとまりかけているのに、若造が余計な横やりを入れるな」
と言わんばかりだ。既に、1リーグ制への合意が、"高いところ"で出来上がっているかのようだ。
「プロ野球には歴史があるんだから、金を出して買えばいいってもんじゃない」
などと言う将軍様(=ナベツネ)に異を唱えられる者はいないのか! まったく腹立たしい。
だいたいオリックスだって、阪急から引き継いだんじゃないか。
球団経営は"商売"じゃないという理屈はよくわかる。でも、実際問題として、
余力があって金の出せる企業でなければ、経営はできない。
ライブドアの社長いわく、球団本拠地を移すつもりがないどころか、我々(会社)が移ろうかと思っているくらいだという。
まあそれはリップサービスだとしても(IT企業が現在の六本木ヒルズを捨てて大阪に移るなど、現実的ではないし、
してはいけないと思う)、関西人としてはうれしい限りだ。いっそのこと、球団名に社名をつけずに、
「大阪バファローズ」としてくれたら、最高だ。
(ちなみに私は草創期からのLivedoorユーザーで、今でもメールアカウントはメルマガ購読用などに使っている)
ジイサン連中からしたら、三十そこそこの成り上がり社長が偉そうなことを言うな、ってな感じなんだろうが、
そういうジイサンどもが牛耳ってる限りは、プロ野球は凋落の一途を辿るしかない。これは、大事な岐路ですぞ。
本日登場は、久々のイタリア。
色は赤黒くて、とても濃〜〜い。煎じ薬か、古いタンスのような香りが強い。スカッとしたハッカのような感じも少々。
まるで、どろっとしているかのような口当たり。酸が強く、甘味もあり、タンニンが引っかかりまくる。
ラクリマ・クリスティというと、もっとさらっとしてるような印象が私にはあったが、
それを大きく打ち砕いてくれた。
大阪・阪神百貨店にて入手。\1,575(本体価格1,500円+消費税75円)。
味にまとまりはないけど、これだけ陽気で奔放だと、まあ納得してしまう。
<評定:C>