利酒日記 kikizakenikki

2006年4月


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2006年4月6日 BLANC 
CHATEAU MERCIAN J-FINE 甲州シュール・リー / メルシャン勝沼ワイナリー
シャトー・メルシャン ジェイ・フィーヌ 甲州シュール・リー / メルシャン勝沼ワイナリー
VINTAGE: 2004
Ch.Mercian J-fine KOSHU Sur Lie 04 JAPAN
日本
地方: 山梨県
山梨県
地区: 東山梨郡勝沼町
東山梨郡勝沼町(現:甲州市勝沼町)
AOC:
 
生産者: メルシャン(株) 輸入者:
review
 このシャトー・メルシャン ジェイ・フィーヌ シリーズは、お手頃国産ワインのお手本として、私は高く買っている。 これは甲州種を、ロワールのミュスカデなどでおなじみシュール・リー製法で仕上げたもの。

 色は極めて淡い。一般的な清酒よりも色がないといった感じだ。香りは白い花や梨、タケノコのような生臭さも。とても繊細な印象。
 味は酸のアタックが結構強く、そのあと甘味がじんわりくる。苦味も適度に。 端正で細身だが、きちんと味わいがある。
 ところでこのワイン、ちょっと気むずかしい感じがある。 常温に放置し、温度が上がると、生臭い感じが際立ってくる。その見返りに甘さがぐんと増すのだが、 明らかに冷えたときと違う表情を見せる。もちろんどんな白ワインにもこんな傾向は多かれ少なかれあるのだが、 明確に表情を変えるのが面白い。
 しっかり系の白ワインが好みの人には「スカスカ」に感じられるかもしれないが、 これが甲州種の個性だと言える。値段に対して不足はない。
評定: C 価格 1,585円(本体価格1,510円+消費税75円) 購入店: 飛騨の酒 いまい(楽天)
2006年4月8日 ROUGE 
MARQUES DE CASA CONCHA CABERNET SAUVIGNON / CONCHA Y TORO
マルケス・デ・カーサ・コンチャ カベルネ・ソーヴィニヨン / コンチャ・イ・トロ
VINTAGE: 2004
Marques de Casa Concha Merlot 02 CHILE
チリ
地方: MAIPO VALLEY
マイポ・ヴァレー
地区: PUENTE ALTO
プエンテ・アルト
DO: PUENTE ALTO
プエンテ・アルト
生産者: CONCHA Y TORO 輸入者: メルシャン(株)
review
 先日メルローを開けたマルケス・デ・カーサ・コンチャ。今度はカベルネ。

 色は極めて深く、黒に近い。アルコール度数がなんと14.5%であり、足が長い。
 香りは、ぎゅっと詰まった黒い果実、そして甘苦く、かつ、スッとしたスパイス。
 タンニンが粗く、口中全体に引っかかる。プルーンのような甘酸っぱさ+アルコールのホットさ。 セパージュを教えられていなかったら、カベルネと当てる自信はない。ただ、黒い果実の深い味わいの横に、 皮革のようなニュアンスがあるところが、ちょっとだけお上品。

 メルローもそうだったが、ボルドーに似せてきれいにまとめようなどという画策がまったく感じられない 潔いワイン。これぞチリカベと言いたい。パワフルな赤が苦手な人には、あまりお勧めしない。
 これが2千円以上だったら絶賛はしないのだが、千円台でこの内容だから、納得。
 元気のいい中学3年生男子みたいなワイン。このワインが大人になるまでに、あと10年はかかるだろうか。
評定: C+ 価格 1,880円(本体価格1,791円+消費税89円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2006年4月12日 BLANC 
CHATEAU MERCIAN 新鶴シャルドネ / メルシャン勝沼ワイナリー
シャトー・メルシャン にいつるシャルドネ / メルシャン勝沼ワイナリー
VINTAGE: 2004
Ch.Mercian 新鶴シャルドネ 04 JAPAN
日本
地方: 福島県
福島県
地区: 大沼郡新鶴村
大沼郡新鶴村(現:会津美里町)
AOC:
 
生産者: メルシャン(株) 輸入者:
review
 醸造は甲州勝沼にあるメルシャンのワイナリーだが、ぶどうは福島県会津育ち。 私自身、福島のワインは初体験である。

 色は淡いイエロー。国産白ワインらしい。ところが、香りを嗅いで驚く。 ブルゴーニュで育ったシャルドネみたいに、香ばしいナッツの香りがする。その後ろに、 オレンジ、パイン、ヨーグルト香。かなりフルーティでオイリーな印象だ。
 アタックは酸の角が取れ、穏やかな甘酸っぱさで、ヘーゼルナッツみたいな香ばしい風味が口中に広がる。 適度に妖艶で、小悪魔的な色香を見せたかと思えば、くるっときびすを返して向こうへ行ってしまう。 それは、ブルゴーニュの気高さとも違うし、カリフォルニアやチリのむんむんしたお色気とも違う。 捉えどころのない美しさ。
 日本でこれほどのシャルドネが生み出されたことは驚きだが、このやるせない不全感もまた、実に日本的ではある。
評定: A 価格 2,625円(本体価格2,500円+消費税125円) 購入店: 飛騨の酒 いまい(楽天)
2006年4月14日 ROUGE 
CHATEAU PONTET-CANET (GRAND CRU CLASSE) / PAUILLAC
シャトー・ポンテ・カネ(グラン・クリュ・クラッセ/第5級)/ ポイヤック
VINTAGE: 2002
Ch.Pontet-Canet 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: HAUT-MEDOC
オー・メドック
AOC: PAUILLAC
ポイヤック 
生産者: Ch.PONTET-CANET 輸入者: (株)ボンド商会
review
 メドック格付ものの中では気軽に開けられる部類。とはいえ当日記の日常レベルを超える価格帯。約1年前に入手し、 今日まで保管してあった。

 やや青みがかった深いガーネット色で、縁までほぼ均一。若さが伺える。インクのようなツンとした香りが立ち、 黒系果実の香りは閉じ気味。
 さすがに口当たりはなめらかだが、タンニンが少し引っかかる感じ。 やや小振りだが果実の塊のような甘味がじんわりと感じられる。
 もちろん内容的には満足だが、毎日飲めるようなクラスでもないので、このくらいの実力があってあたりまえ。
評定: C 価格 5,040円(本体価格4,800円+消費税240円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2006年4月17日 BLANC 
ONA SAUVIGNON BLANC / ANAKENA
オナ ソーヴィニヨン・ブラン / アナケナ
VINTAGE: 2005
Anakena Ona Sauvignon Blanc 05 CHILE
チリ
地方: CASABLANCA VALLEY
カサブランカ・ヴァレー
地区:
 
DO: CASABLANCA VALLEY
カサブランカ・ヴァレー
生産者: ANAKENA 輸入者: 中部貿易(株)
review
 高コスト・パフォーマンスが魅力のアナケナ。 このオナ・シリーズは、プレステージ・クラスとのことだが、 先日既に赤のシラーを開け、感心したところ。今日は、白のソーヴィニヨンを。

 色は淡いイエロー。白い花、オレンジ的柑橘香、クリームのような甘い香り。
 味は酸がキュッとして、その下にパインのような甘さと華やかさ。だが、 チリのソーヴィニヨンといえば、もっとブワッとおおらかに広がる華やかさがあってもよさそうなものだが、 かなり抑制がきいている。その分、上品な印象を与える。
 やっぱり期待に違わぬ内容だった。
 先日仕事で九州に出張した折に買ってきた明太子を食しながら飲んだが、生臭さをうまく抑えてくれた。 泡もの以外で魚の卵に合うものはそう多くないので、貴重な存在と言えよう。
評定: B 価格 1,780円(本体価格1,696円+消費税84円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2006年4月19日 ROUGE 
MISIONES DE RENGO CARMENERE RESERVA
ミシオネス・デ・レンゴ カルメネール レゼルヴァ
VINTAGE: 2003
Misiones de Rengo Carmenere Reserva 03 CHILE
チリ
地方: RAPEL VALLEY
ラペル・ヴァレー
地区:
 
DO: RAPEL VALLEY
ラペル・ヴァレー
生産者: MISIONES DE RENGO 輸入者: 片岡物産(株)
review
 先日に引き続き、今日もチリ。品種は、最近とみに流通量が増えているカルメネール。

 色はかなり深く、ほとんど黒。エッジは深紅。甘苦系スパイス、黒い果実、炭のような香りも。 深みがあって、適度に引き締まった印象。
 味は甘味が強く、タンニンは粗く粉っぽいが、ぎっしり詰まった果実味がなんとも魅惑的。 飲み込んだ後にユーカリのようなスーッとした後味がある。その特徴があるせいか、不思議とくどさを感じない。
 一般的にフレンドリーな味わいが特徴の品種だが、これはかなり上品な部類であると思う。 お買得。
評定: B 価格 1,490円(本体価格1,419円+消費税71円) 購入店: Ciel江坂店(大阪府吹田市)
2006年4月21日 BLANC 
L'AVENIR CHENIN BLANC
ラヴニール シュナン・ブラン
VINTAGE: 2003
L'avenir Chenin Blanc 03 SOUTH AFRICA
南アフリカ
地方: STELLENBOSCH
ステレンボシュ
地区:
 
AOC:
 
生産者: L'AVENIR ESTATE 輸入者: (株)成城石井
review
 久しぶりに南アフリカのワインを。フランスでもカジュアルクラスのワインが多く生み出されているシュナン・ブランだ。

 色は濃いイエローというか、淡い黄金色と言えるほどの濃さ。 糖度の高い和梨やオレンジのほか、グァバみたいな香りもある。
 味は甘味がたっぷりとし、酸はネーブルオレンジのように丸い感じ。 カラッと爽やかでありながら、真中にハチミツのような芯がある。とってもジューシー。
 うっかりするとごくごく飲んでしまいそうだが、少し立ち止まってゆっくり向き合うと、 色んな表情を見せてくれる。そんなキュートなワイン。
 裏ラベルにある輸入者の説明によると、「貴腐ブドウを僅かにブレンドした 深みのある味わい」とある。なるほど、このコクの正体は貴腐ブドウだったのか。
 手の込んだワインなのに、この値段は驚き。
評定: A 価格 1,689円(本体価格1,609円+消費税80円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)
2006年4月23日 ROUGE 
LOS VASCOS CABERNET SAUVIGNON
ロス・ヴァスコス カベルネ・ソーヴィニヨン
VINTAGE: 2004
Los Vascos Cabernet Sauvignon 04 CHILE
チリ
地方: RAPEL VALLEY
ラペル・ヴァレー
地区: COLCHAGUA VALLEY
コルチャグア・ヴァレー
DO: COLCHAGUA
コルチャグア
生産者: VINA LOS VASCOS 輸入者: サントリー(株)
review
 今月はチリが多い。今日は、地元の酒屋で購入したロス・ヴァスコスのカベルネを。

 深いガーネット色。香りは薬草や黒コショウの感じが強く、華やかさはあまりない。
 口当たりは柔らかく、適度な甘味と弱めの酸。タンニンはそこそこ力があるが、粗暴な印象はない。 口の中に黒っぽい果実の味が、じんわりと広がる。
 ACボルドーと言われても信じてしまうくらいに気品があり、奥ゆかしい。 特徴に乏しいと言えなくもないが、コルチャグアでこんなに繊細なカベルネは初めてだ。

 エチケットにはDOMAINE BARON DE ROTSCHILD (LAFITE)と、技術提携しているラフィットの名が書かれている。 その名に恥じない洗練された内容。この値段なら、言うことなし。
評定: A 価格 1,550円(本体価格1,477円+消費税73円) 購入店: 酒のまえなか(大阪府吹田市)
2006年4月26日 BLANC 
塩尻 信州シャルドネ / サントリー塩尻ワイナリー
しおじり しんしゅうシャルドネ / サントリーしおじりワイナリー
VINTAGE: 2003
塩尻 信州シャルドネ 03 JAPAN
日本
地方: 長野県
長野県
地区: 塩尻市
塩尻市
原産地呼称:長野県
長野県原産地呼称管理委員会認定
生産者: サントリー(株) 輸入者:
review
 長野県で「原産地呼称管理委員会」というものができ、いくつかの造り手のワインが認定されているようだ。 設立には田崎真也氏や玉村豊男氏といったその道の有名人が関与しているようであるから、 まゆつば物だという声もあるかもしれない。だが、日本を代表するブランドの1つである信州ワインを名乗るための 厳格な基準を作ろうという主旨自体は、素晴らしい。今日はその認定ワインの一つ。

 色はごく淡いイエローグリーン。まず最初に印象的なのは、まるでバーボン・ウイスキーのようにフローラルなトップノーズ。 白や黄色の花束みたいな感じでもあるのだが、通常の白ワインのそれとは少し違い、なぜかウイスキーを思い出してしまった (べつにサントリーだからというわけではないのだが)。
 口に含むと、酸のアタックがキュートで、やや線は細いものの、しっかりとしたミネラル分と、 ヨーグルトのような乳酸が感じられる。グレープフルーツ的な柑橘のフレーバーが広がり、後味にはやや苦味を伴う。
 バランスは悪くない。やや小柄なのは致し方ないところか。値段は、もう少し安いと嬉しいのだが。
評定: C- 価格 3,150円(本体価格3,000円+消費税150円) 購入店: 飛騨の酒 いまい(楽天)
2006年4月29日 BLANC 
POUILLY-FUME / CHATEAU FAVRAY
プイィ・フュメ / シャトー・ファヴレイ
VINTAGE: 2004
Favray Pouilly-Fume 04 FRANCE
フランス
地方: VAL DE LOIRE
ロワール
地区: CENTRE
中央
AOC:POUILLY-FUME
プイィ・フュメ
生産者: Ch. FAVRAY 輸入者:(株)成城石井
review
 本日登場は、これから暑くなる時期にぴったりの爽やか系。個人的に時々飲みたくなるAOCだ。

 淡い麦わら色。このAOCに特有の燻したような香りはそれほど強くなく、 グレープフルーツ的柑橘香が清々しい。
 味も酸がキリッと引き締まり、シャープ。だがミネラル分も豊かなので、味わい深い。 余韻にハーブのグリーンな感じが。
 これだけ繊細だと、純和食に合わせやすい。 値段もまあまあってとこだろうか。

 輸入者のつけた裏ラベルには「フュメ香と呼ばれる独特な香りが魅力」と書かれているが、 それほど感じなかった。
評定: C 価格 2,489円(本体価格2,371円+消費税118円) 購入店: 成城石井阪急三番街店(大阪市北区)

本日までで・・・今月合計10本/今年合計51本/当日記累計866本



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

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