利酒日記 kikizakenikki

2008年2月


 HOME  利酒日記のメニューページへ  産地別索引へ  前月へ  翌月へ


2008年2月2日 ROUGE
POUPILLE / COTES DE CASTILLON
プピーユ / コート・ド・カスティヨン
VINTAGE: 2000
Poupille 00 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: COTES DE CASTILLON
コート・ド・カスティヨン
AOC: COTES DE CASTILLON
コート・ド・カスティヨン
生産者: CH. POUPILLE 輸入者: (株)モトックス
review
 先日、これのセカンドワイン02ヴィンテージを飲み、いたく感動したプピーユ。 そのとき、兄貴分のしかも00ヴィンテージを一体いつ飲もうか迷ってると書いたが、 やっぱり我慢できずに、開けてしまうことにした。

 色は深いガーネット。やや赤みが強い。 香りは黒果実に下土。奥ゆかしく、ハッキリ言ってまだ開いていない。
 口に含むと、驚くほど元気な酸をまず感じ、 もさもさっとした粗めのタンニンがひっかかる。明らかに分裂気味なのは、 やはりまだ飲み頃ではない証拠。香りは黒果実だが、味わいは赤果実的。 まだ粗暴なタンニンも、熟成につれて、こなれて滑らかになってくるだろう。
 グラスを回して目一杯空気に触れさせると、 バニラ香が目立ってくる。口当たりもやや丸くなる。セカンドのカジュアルさに比べると、 かなりの濃度がある。ただ、独特のフィネスというか、 丁寧な仕事が施されたキメの細やかさのあるワイン。余韻の長さは、ほどほど。
 身持ちの堅いお嬢さんだが、妖艶な美女に化ける可能性がある。 だが、もしかするとこのまま世間知らずで終わってしまうかも。 そういった危うい個性でもある。

 並外れたポテンシャルを内包していることは明らかだが、 手放しで大絶賛する人と、面白みに欠けると評する人に二分されるような気もする。 そういう、飲み手を選ぶワインではないか。ただ、この造り手は、 素材をどうやったら美しく個性的に見せることができるのか、 独自の方法論で、作品づくりをしているように感じた。

 ちなみに、ボトルの下の方にある白い落書きのようなものは、 生産者のサイン(02セカンドのほうにもあったのだが、 写真ではほとんど見えないと思う)。私が買った時間のちょっと前まで、来ていたんだって。
評定: B 価格 4,725円(本体価格4,500円+消費税225円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2008年2月3日 SPARKLING
CODORNIU CLASICO SECO / CAVA
コドーニュ クラシコ・セコ / カヴァ
VINTAGE: N.V.
Codorniu Clasico Seco 00 SPAIN
スペイン
地方:
 
地区:
 
DO: CAVA
カヴァ
生産者: CODORNIU 輸入者: メルシャン(株)
review
 お手軽な泡物を飲みたいときは、やはりカヴァ。 SECO(セコ)なので、BRUTほどシャープではないだろう。

 外観は淡い黄金色。深みはないが、輝きは美しい。
 酸味の強いりんごのような爽やかな香り。いわゆる酵母臭はほとんど感じない。
 甘味がほんのりとした口当たり。飲み込むと、 その甘味がふんわりと広がる。りんごのような甘酸っぱさ。
 全体的にソフトな味わいで、余韻はそれほど長くない。 気負わずに、どんな食事とも気軽に合わせられる。
評定: C- 価格 1,490円(本体価格1,419円+消費税71円) 購入店: Ciel江坂店(大阪府吹田市)
2008年2月9日 ROUGE
CHATEAU DUCLUZEAU [CRU BOURGEOIS] / LISTRAC-MEDOC
シャトー・デュクリュゾー [クリュ・ブルジョワ] / リストラック・メドック
VINTAGE: 2002
Ch.Ducluzeau 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: MEDOC
メドック
AOC: LISTRAC-MEDOC
リストラック・メドック
生産者: CH. DUCLUZEAU 輸入者: エノテカ(株)
review
 手軽なボルドーを探していたところ、これはいいですよと、 店員さんから強烈に勧められた。
 「このシャトーは、デュクリュ・ボーカイユーと同じオーナーで・・」 と説明が始まったので、その定番の説明にうんざりしている私は、 「デュクリュ・ボーカイユーと聞いてから飲むと、がっかりするので、 その話はむしろ逆効果なんじゃないですか?」と悪態をつきつつ、 それでも買ってくるのが、私の良いところ。か。

 色は赤みの強いガーネット。香りは黒果実のほか土や黒鉛のニュアンス。やや単調ではある。
 酸が強く、細身の味わい。タンニンはシルクのようになめらか。 甘味やコクは弱い。
 余韻も短めであり、スルスルと飲めてしまう軽やかさ。

 口に入れた瞬間のきめ細かさ、上品さはなかなかだが、 ボディに厚みがなく、そのあたりがこのワインの限界なのかと思う。まあ、値段を考えれば、 不足はないが。
評定: C+ 価格 2,058円(本体価格1,960円+消費税98円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2008年2月11日 ROUGE
BARON'ARQUES / LIMOUX
バロナルク / リムー
VINTAGE: 2003
Baron'Arques 03 FRANCE
フランス
地方: LANGUEDOC
ラングドック
地区: LIMOUX
リムー
AOC: LIMOUX
リムー
生産者: DOM. DE BARON'ARQUE (BARONNE PHILIPPINE DE ROTHSCHILD G.F.A.) 輸入者: サントリー(株)
review
 Ch.ムートンのオーナーが南仏でつくるバロナルク。 エチケットにもBARONNE PHILIPPINE DE ROTHSCHILD(バロンヌ・フィリッピーヌ・ド・ロートシルト) と書かれている。
 人気のワインだが、これまで私は飲んだことがなかった。 先日、e-shopping wine さんからのメールでセールを知り、早速注文した。

 色は黒みが強く、非常に深い。 香りは凝縮感のある黒果実、漢方薬、黒鉛、チョコレートなど。重々しい印象。
 口に含むと、意外にも酸のテンションが高く、シャープ。 だが、タンニンが非常にパワフルで、粉っぽい。
 チョコのような甘味が豊富。大柄の味わいで、筋骨隆々な、いわばアスリート系。 ただ、熟成すればもっとまろやかにはなるだろう。

 南仏らしい奔放さを持ちながら、ボルドー的なエレガントさをまとっている。 すごいポテンシャルを持ったワインだ。
評定: B 価格 4,680円(本体価格4,458円+消費税222円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2008年2月14日 BLANC DOUX
CHATEAU RIEUSSEC [1er GRAND CRU CLASSE] / SAUTERNES
シャトー・リューセック [プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ] / ソーテルヌ
VINTAGE: 2002
Ch.Rieussec 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: SAUTERNES
ソーテルヌ
AOC: SAUTERNES
ソーテルヌ
生産者: CH. RIEUSSEC 輸入者: (株)ファインズ
review
 今日はやはりチョコレートに合わせるために貴腐にした。
 一人で仕事をしている私は、無論、妻以外にバレンタインチョコをくれる人はいないから (まあ、もしいるとしても、いるとは書けないわけだが) 家で夕食後に楽しんだ。
 ソーテルヌ地区第1級、Ch.リューセックのハーフボトルだ。

 色は明るい黄金色。黄色みが強く、淡い色。
 香りは、オレンジやグレープフルーツみたいな柑橘的爽やかさ、 アプリコット、黄色い花など。
 甘味はしっかりしているが、酸も強く、爽やかな口当たり。 貴腐特有のセメダインみたいな味わいがあるが、ボディの厚みはそれほどでもない。 トータルバランスは良く、こじんまりとまとまっている。
 飲み込んだあとにも、柑橘的な酸味や苦味があり、 余韻の長さはなかなか。

 私はどうもRIEUSSECという名前を大きく考えすぎているのか、 期待ほどのパワーはなく、軽快な味わいであった。 もちろん、価格もほどほどなので、致し方ないだろう。
 なお、ソーテルヌは欲しいときに欲しいものがすんなり入手できるとは限らないので、 今回この02年のほか、03年も購入しておいた。
評定: C 価格 ハーフ4,480円(フルボトル換算8,960円) 購入店: e-shopping wine(ネット)
2008年2月18日 BLANC
MACON-VILLAGES "SAINT LEGER" / PAUL BEAUDET
マコン・ヴィラージュ "サン・レジェール" / パウル・ボーデ (いかりラベル)
VINTAGE: 2005
Macon Villages 05 いかりラベル FRANCE
フランス
地方: BOURGOGNE
ブルゴーニュ
地区: MACONNAIS
マコネー
AOC: MACON-VILLAGES
マコン・ヴィラージュ
生産者: PAUL BEAUDET 輸入者: (株)イナブコトレーディング
review
 関西を代表する高級スーパーマーケット・いかりスーパーで売られているPBというか、 専用ラベルのワイン。ハーフボトルを入手した。

 色はレモンイエロー。香りはレモンのような鋭い柑橘香、若草、 はちみつ、白い花など。マコンにしてはシャープな印象。
 味は酸のアタックがとても強く、スッキリした飲み口。ただ、オイリーさもちゃんとあって、 適度なふくらみがある。
 余韻は長くはない。後味はさらっとしている。

 もちろんこのクラスにパワフルさは望めないが、ぼやけた印象はなく、 日常酒として申し分ない。飲み飽きない味わいだと思う。
評定: B 価格 ハーフ1,080円(フルボトル換算2,160円) 購入店: いかりスーパーJR大阪店(大阪市北区)
2008年2月20日 BLANC
CHATEAU DE BACHEN / TURSAN
シャトー・ド・バシャン / テュルサン
VINTAGE: 2005
Ch.de Bachen 05 FRANCE
フランス
地方: SUD OUEST
南西地方
地区:
 
VDQS: TURSAN
テュルサン
生産者: CH. DE BACHEN 輸入者: 三国ワイン(株)
review
 試飲をし、面白いなあと思って購入した。

 色は深いイエロー(ややゴールドに近い色)。 香りはグレープフルーツ、白い花のほか、ジッポオイルのような感じもある。 香りの基本は「ソーヴィニヨン」なのだが、あっ、やっぱり違うな、とも感じる。
 酸のアタックが強いが、甘味もたたえており、ふくらみある味わい。 キュンとしたレモン的酸と、オレンジジュースのような少し丸みを帯びた豊かな酸味が長く続き、 余韻にはオイリーさもある。とても厚みのある白。

 セパージュは、この地域特有の「バロック」という品種が主体という。 ソーヴィニヨンブランに似た爽やかさを持ちながら、骨格のしっかりした豊潤な味わい (調べてみたら、実は、ソーヴィニヨンも使われているとのことである。それなら納得)。
 当日記ではまだ3本目のVDQS(AOCの下の等級)である。
評定: B 価格 2,835円(本体価格2,700円+消費税135円) 購入店: 阪神百貨店本店(大阪市北区)
2008年2月23日 ROUGE
LE HAUT-MEDOC DE GISCOURS / HAUT-MEDOC
ル・オーメドック・ド・ジスクール / オー・メドック
VINTAGE: 2002
Le Haut-Medoc de Giscours 02 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: HAUT-MEDOC
オー・メドック
AOC: HAUT-MEDOC
オー・メドック
生産者: CH. GISCOURS 輸入者: メルシャン(株)
review
 当サイトではこれまでVT違いではあるが3回登場している。 メドック3級格付Ch.ジスクールのサード的位置づけのワイン。 一時期、高C/Pとして、色々なところで騒がれていたのが記憶に新しい。

 色は深いガーネット。黒みが強い。
 香りは黒果実を中心に、しょうゆや煮た黒豆など、どこか和を感じさせる。しっかりと深みのある落ち着いた香りだ。
 味は酸のアタックが強いぶん、甘味は後ろに控えている。タンニンはしっかりめ。 余韻は長く、きのこのような土臭さが残る。

 何度も飲んでいるが、どんなヴィンテージでもそこそこのクオリティを保っているように思う。
 高級なニュアンスを身にまといながら、ややしっかり感には乏しいので、 よく言えば、飲み疲れないワインだと思う。
評定: A+ 価格 1,980円(本体価格1,886円+消費税94円) 購入店: 酒の楽市南吹田店(大阪府吹田市)
2008年2月24日 ROUGE
CHAPELLE DE POTENSAC / MEDOC
シャペル・ド・ポタンサック / メドック
VINTAGE: 2003
Chapelle de Potensac 03 FRANCE
フランス
地方: BORDEAUX
ボルドー
地区: MEDOC
メドック
AOC: MEDOC
メドック
生産者: CH. POTENSAC 輸入者: (株)成城石井
review
 ブルジョワ級の中でも高品質と名高いCh.ポタンサックのセカンド。 03ヴィンテージということで、豊潤な内容が予測される。

 色はやや赤みの勝る深いガーネット。
 香りは黒オリーブのほか、墨汁、しょうゆのような感じ。 アルコールの揮発性が強烈に感じられる。それもそのはず。度数が13.5%である。
 タンニンが豊かだが、口当たりはなめらか。 酸が強く、凝縮感を伴う甘味も豊かで、実にジューシー。
 どこか南仏方面を思わせる奔放さがありながら、バランスは崩してはいない。 この大柄な感じは、やはりこのVTだからだろうか。余韻は中程度。

 あっけらかんとした陽気さと、ぎりぎりの所で保っている品格。 そのバランス加減がなんとも絶妙。この値段なら文句なし。
評定: A 価格 3,190円(本体価格3,039円+消費税151円) 購入店: 成城石井三番街店(大阪市北区)
2008年2月26日 BLANC
RUBAIYAT KOSHU SUR LIE / 丸藤葡萄酒工業
ルバイヤート 甲州シュール・リー / まるふじぶどうしゅこうぎょう
VINTAGE: 2006
ルバイヤート 甲州シュール・リー JAPAN
日本
地方: 山梨県
山梨県
地区: 甲州市勝沼町
甲州市勝沼町
AOC:
 
生産者: 丸藤葡萄酒工業(株) 輸入者:
review
ルバイヤート 甲州シュール・リー  今日は久しぶりの国産。シュール・リー製法でつくられた甲州種を飲む。

 色は極めて淡いグリーン。淡口の清酒に近い色。
 香りはグレープフルーツのような苦味を伴う柑橘香に、クリームのような甘いニュアンスが加わる。
 味は酸がスッキリとし、甘味はほのか。味も香りの印象と同じくグレープフルーツ的で、 若干の苦味を伴うフルーティさ。余韻は短い。

 製造者:丸藤葡萄酒工業(株)、 山梨県甲州市勝沼町藤井780。
 エチケットには、次のような説明文がある。
「瓶詰直前まで澱引きせずに静置貯蔵したシュール・リー醸造法。 フレッシュなアロマと生き生きとした酸味が特徴のきりっとした辛口甲州ワインです。」 「瓶詰本数720ml 51,000本、1460ml 360本」「勝沼町産甲州種ぶどう100%使用」
 また、裏ラベルに「瓶の底に白い結晶「酒石」が析出する事がありますが無害です。 安心してご賞味ください。」との説明があるのだが、 その通り、瓶底にはかなりの酒石が沈んでいる(右写真)。

 なお、RUBAIYAT(ルバイヤート)とは、同社のブランドネームである。
評定: A 価格 1,690円(本体価格1,610円+消費税80円) 購入店: 成城石井三番街店(大阪市北区)

本日までで・・・今月合計10本/今年合計19本/当日記累計1070本



[当日記における評価基準]

 絶対評価ではなく、支払う価格に対して内容が見合っているかどうかの評定です。 例えば1,000円のwineなら、ちょうど1,000円の価値あるものがC。同様に5,000円のwineなら、 ちょうど5,000円の価値あるものがCです。

 A = 特質すべき個性。価格に比し、極めて優れたクオリティ。(とってもお買得)
 B = 非凡な特徴があり、価格を上回るクオリティ。(お買得)
 C = 概ね価格に見合ったクオリティ。(価格相当)
 D = 凡庸で特徴に欠ける。価格に比し、やや劣る。(少しもの足りない)
 E = 価格に比し、著しく劣るクオリティ。(買い損)

 なお、各ランクよりやや上回るものに+、やや下回るものに−を付けています。例えばC+とは、 若干価格を上回るクオリティを表します。また、通常の評価枠を超えた素晴らしいものにはAAランクを付与しています。

 HOME  利酒日記のメニューページへ  産地別索引へ  前月へ  翌月へ